2020.09.30
店舗管理 経営

多店舗展開が失敗する原因と対策~展開を進める基準とタイミングとは?

飲食店の多店舗展開は、売上を伸ばすための効果的な戦略です。しかし、さまざまな要因から失敗に終わることがあるので、展開へ向かう際は事前にしっかりと準備をしなければいけません。

本記事では、飲食店の多店舗展開でよく見られる失敗理由を紹介したうえで、成功に導くためのポイントを解説します。

多店舗展開の失敗の理由とその対応策

飲食店のオーナーが多店舗展開に失敗する原因として、以下のような理由が挙げられます。

【失敗の理由】

  • 立地選定のミス
  • 人材を育成できないことによる失敗
  • 既存店舗と同じコンセプト、商品・サービスが提供できない
  • 管理コストの増大

立地選定のミス

立地選定のミス

多店舗展開の失敗理由として多いのは、何といっても立地選定のミスです。飲食店のような店舗ビジネスは、お客様に足を運んでもらわなければ成り立ちません。

飲食店の立地選定は、既存店舗の客層や収益モデルなどによって最適解が変わってきます。そのため、既存店舗の傾向を分析しながら、じっくりと適切な立地の物件を探す必要があります。

たとえ良さそうな物件が見つかったとしても、飛びついて契約することは禁物です。一定期間は周囲の店舗の客回転率を観察するなどして冷却期間を置き、データに基づいて冷静に検討を進めましょう。

失敗を避けるための対策

多店舗展開において、立地選定によってシナジー効果を生み出すことは重要です。多店舗展開では一つ一つの店舗単体で売上を高める仕組みを作るよりも、複数の店舗が全体で売上を高める仕組みを作る必要があります。そのため、2店舗目を出店するときは、1店舗目から距離が近い場所を選ぶようにしましょう。

おすすめは、特定の地域に複数の店舗を出すドミナント戦略です。近隣にまとめて出店することで、従業員の募集も容易にでき、ある店舗で急に人材が不足した場合でも別の店舗から派遣できるというメリットがあります。

さらに、特定の地域で出店を続けることで、認知度が向上し、ブランディングが強化されます。多くの人に認知されるようになると、リピーターの増加や競合の抑制にもつながるので、さらに多店舗展開を推進しやすくなります。

人材を育成できないことによる失敗

飲食店の多店舗展開で失敗する場合、人材育成のミスが原因となることも多くあります。飲食店は現場の従業員が店を回すため、いかに優れた経営戦略を立てたとしても、従業員に教育が行き届いていなければ経営は失敗してしまうのです。

特に、店舗を引っ張る店長の力量不足は、多店舗展開の失敗を招きます。1店舗目の経営にオーナーがかかわって成功していたとしても、オーナーが2店舗目以降すべての店舗経営にかかわれるとは限りません。そのため、現場を任せることになる店長の育成は最重要事項といえます。

失敗を避けるための対策

多店舗展開を意識し始める前の段階から、店長候補となる人材の育成を行いましょう。また、新しく展開する店舗で採用する従業員の教育も大切です。

戦力になる従業員を育てるためには、既存店舗での業務内容をマニュアル化しておく必要があります。成功した店舗で積み重ねたノウハウを新店舗に横展開できれば、効率的に従業員を教育できます。

既存店舗と同じコンセプト、商品・サービスが提供できない

既存店舗と同じコンセプト、商品・サービスが提供できない

繁盛した1店舗目のコンセプトや雰囲気を、2店舗目以降の店舗で再現できないために失敗するという理由も少なくありません。また、「せっかく多店舗展開をするなら1店舗目とコンセプトが大きく異なる店舗を出したい」と思うオーナーもいますが、これはリスクの高い考え方です。

コンセプトを変えてしまうと成功した既存店舗で積み重ねてきたノウハウを活かすことができないからです。

失敗を避けるための対策

多店舗展開を成功に導くためには、2店舗目以降も既存店舗を再現するように経営していく必要があります。1店舗目と同様のコンセプトに基づき、雰囲気・商品・サービスを再現して提供できれば、成功する可能性は高まります。

失敗を避けるためには、多店舗展開をする前に既存店舗の特徴を把握しておくことが大切です。客層や混む時間帯、人気の商品などを的確に分析することで、そのままのノウハウを新店舗に適用しやすくなります。

管理コストの増大

展開する店舗数が増えると、売上は増大します。しかし、同時にコストも増加することを忘れてはいけません。複数店舗分の家賃や材料費、人件費、水道光熱費などの経費がかかります。さらに税金も増えるので、多店舗展開を始めてから資金繰りが悪化してしまったというケースも見られます。

また、初期コストをかけすぎて失敗する事例もあります。新しい店舗を展開するためには、物件の契約費や工事費、内装や備品にかかる投資費用などが必要です。既存店舗で十分な売上が確保できているからといって、これらの初期コストを大きくし過ぎてしまうと、新しい店舗がうまくいかなかったときにコストを回収できず、資金繰りが悪化して早々に撤退せざるを得ない事態に陥ってしまいます。

失敗を避けるための対策

コストの増大による多店舗展開の失敗を避けるためには、出店コストを抑えるためにできる施策を検討しましょう。

たとえば、初期コストがかかりすぎるのであれば、コンセプトから外れない範囲で見直しをしてみるのも一つの方法です。無理なく多店舗の経営ができるよう、十分な資金が集まるまで様子を見るのも良いでしょう。

多店舗展開だからこそできるコスト削減方法を取り入れてみるのも効果的です。飲食店においては、大量仕入れによる材料費の削減です。仕入れ先によっては、一度に大量の材料を仕入れることで単価が下がり、結果的にコストを抑えられることがあります。

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多店舗展開のメリット・デメリット~失敗しないために知っておきたいポイント

多店舗展開するメリット

正しい方法で多店舗展開をすれば、さまざまなメリットを享受できます。特に大きなメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 売上の拡大
  • 従業員のモチベーション向上
  • ブランディングの強化
  • リスク分散による安定化

まず、単純に店舗が増えることによって売上が増えます。さらに複数の店舗で人材が必要になることで、従業員からリーダー、店長、エリアマネージャーといったキャリアパスを描くことができ、従業員のモチベーション向上も期待できるでしょう。

また、店舗数が増えると認知度が増し、ブランディングの強化につながります。さらに、複数店舗を展開していれば、何らかの原因である店舗の売上が減少した場合でも、他の店舗の売上でカバーすることが可能です。

多店舗展開するデメリット

多店舗展開するデメリット

飲食店の多店舗展開にはさまざまなメリットがありますが、当然デメリットもあります。以下の3つは、特大きなデメリットとなります。

  • コストの増大
  • 経営管理の複雑化
  • 人材不足

先述のとおり、複数の店舗を展開することでコストが増大します。1店舗だけ経営していたころよりも、さらに真剣にコスト削減に取り組まなければなりません。

また、複数の店舗を同時に運営するため、金銭管理や勤怠管理、売上集計といった細かな作業が店舗数の増加分だけ増えます。1店舗ならなんとかこなせていても、複数の店舗の管理を正確にすることは困難で、ヒューマンエラーが生じる可能性も高まります

人材不足が起こりやすいことも多店舗展開のデメリットです。採用が思うようにいかないとお客様に提供するサービスの質が低下し売上が減少する恐れもあるので、対策を講じる必要があります。

多店舗展開に適した基準とタイミングは?

多店舗展開を成功に導くためには、タイミングの見極めが重要です。まず大前提として、既存店舗の経営が安定していなければなりません。多店舗展開するための出店費用のもとになるのは既存店舗のキャッシュフローなので、経営が不安定な状態で新しく店舗を展開するのはリスクが高いといえるでしょう。

また、新しい店を任せる人材の育成ができていることも重要です。店長をきちんと育成し、安心して店を任せられると判断できるかどうかが多店舗展開を行う基準となります。

さらに、金融機関からの信頼を得ていることも大切なポイントです。既存店舗を健全に経営し、借入先である金融機関の信頼を得ることで、新しい店舗を出すときに好条件で融資を受けられる可能性が高まります。

多店舗展開を成功に導く戦略

多店舗展開のデメリットを解消して成功に導く方法として、DX(デジタルトランスフォーメーション)が効果的です。

DXとは、デジタル技術やデータを有効に活用し、ビジネスを変革させることです。飲食店にDXを取り入れることにより、ヒューマンエラーを改善して効率を高めたり、データを活用して適切な経営戦略が立てやすくなったりします。

飲食店の戦略にDXを取り入れるためには、POSレジの導入が有効です。

【分析機能(売上分析、顧客属性別分析、商品・メニュー分析など)】
売上や客層等のデータや天候データなどさまざまなデータを収集することで、店舗経営に必要となる情報を効率的に可視化し分析できる。

【画像解析】
店舗に設置したネットワークカメラによる画像解析で来店客の男女比率や年代を把握することで、より顧客属性にフィットする商品・メニューの開発やマーケティングができる。

【来客予測】
過去の客数データを基に未来の来客数を予測できる。事前に来客数を把握することで、発注・仕入れの無駄を減らし、また、シフト作成や売上目標の検討にも寄与する。

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多店舗展開することのメリットとデメリット~多店舗展開を成功に導くDX(デジタルトランスフォーメーション)

多店舗展開するなら「POS+」の導入がおすすめ

多店舗展開するなら「POS+」の導入がおすすめ

飲食店で多店舗展開を行う際は、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+」の導入をぜひご検討ください。貴店の業務負担の軽減や生産性向上を、さまざまなサービスからバックアップします。

「POS+」を活用し「ヒト・モノ・カネ・情報」のデータをすべて一元管理することにより、店舗の見える化が実現します。複数の店舗を横断した経営の見える化が可能となり、適切な多店舗展開が行えるのです。

また、「POS+」はスタッフ管理のためのサービスも展開しています。給与前払いサービス「POS+ pay」従業員満足度測定サービス「POS+ engagement」を取り入れることで、多店舗展開の重要なポイントである人材育成や従業員満足度の向上が実現します。

給料前払いのニーズに対応する「POS+ pay」

「POS+ pay」は、給与前払いサービスです。従業員は働いて得た給与を給料日が来る前に受け取ることができるので、モチベーションを保ちながら働けます。従業員のモチベーションが上がると満足度向上につながり、定着率がアップして多店舗展開のデメリットである人材不足の解消が期待できます。

なお、各従業員に前払いをするために、オーナーが振込作業をする必要はありません。業務負担を増やすことなく、従業員の満足度を高めることが可能です。

POS+ pay
福利厚生制度として求人応募率向上に貢献します。

スタッフ定着率を向上させる「POS+ engagement」

「POS+ engagement」は、従業員満足度を測定し分析するサービスです。従業員に簡単なサーベイ(調査)の回答を依頼し、結果を集計して各自のコンディションを可視化します。従業員が不満に思っていることがあれば、適宜フォローすることで満足度の向上につなげていきます。その結果、複数の店舗で従業員が定着し、人材不足のリスクが低減されるのです。

多店舗で人材不足に陥ると、その分、従業員の教育コストがかさんでしまいます。ひとりの従業員に長く働いてもらうためにも、満足度を高めモチベーションアップに貢献する「POS+ engagement」の活用がおすすめです。

POS+ engagement
個人・組織の課題を可視化し改善できるエンゲージメント向上サービスです。

まとめ

飲食店が多店舗展開をする際には、さまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。失敗事例も多く、経営者は不安に感じてしまうかもしれません。

しかし、正しい対策をしたうえで多店舗展開に踏み出せば、成功する可能性は飛躍的に高まります。長期的な戦略を構築し、適切なサービスを導入して多店舗展開の準備を進めましょう。

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