公共施設にキャッシュレス決済を導入するには?メリットや選び方を解説
公共施設での支払い方法として、キャッシュレス決済の導入を検討する自治体や施設が増えています。窓口業務の効率化や利用者の利便性向上といった効果が期待できます。一方で、決済手数料や会計処理、運用面の不安から導入に踏み切れない方もいるでしょう。
本記事では、公共施設にキャッシュレス決済を導入するメリットや注意点、サービスの選び方を解説します。公共施設へのキャッシュレス決済導入を検討している方は、参考にしてください。
目次
公共施設にキャッシュレス決済の導入がおすすめの理由
公共施設の料金収納は現金対応が主流ですが、その分、現金管理の負担や会計ミス、窓口混雑が起こりやすい傾向があります。こうした状況を改善する手段として注目されているのが、キャッシュレス決済の導入です。
ここでは、公共施設にキャッシュレス決済の導入がおすすめされる理由を、具体的な課題を交えながら解説します。
現金管理に時間と人手がかかりやすい
公共施設の料金収納を現金で行う場合は、下記のように開館前後に多くの作業が発生します。
- 釣銭の準備
- 残高確認
- 閉館後の現金集計
金額の正確性が求められる現金業務では、ひとりで完結しにくく、複数人での確認や引き継ぎが必要になります。その結果、体制やルールが複雑化し、ミスを防ぐためのチェック工数も増えがちです。
さらに、盗難・紛失を防ぐ金庫管理や施錠など、セキュリティ面の対応も欠かせません。「現金を預かる」こと自体がプレッシャーになり、精神的な負担につながる点も課題といえます。こうした背景から、現金依存の運用を見直し、キャッシュレス決済の導入を検討する施設が増えています。
釣銭ミス・集計ミスが発生しやすい
現金決済では、支払い金額の聞き間違いや計算ミスによって、釣銭の渡し間違いが起こる可能性があります。釣銭の過不足が生じると、その場での説明や返金対応が必要となり、窓口業務が滞る原因にもなるでしょう。
また、集計を手作業で行う運用では記録ミスや確認漏れが発生しやすく、締め作業にも時間がかかります。こうした会計トラブルを抑え、現場負担を軽減するため、キャッシュレス決済の導入がおすすめです。
3.窓口混雑が起こりやすい
公共施設では現金の受け渡しに時間を要し、繁忙期に窓口混雑が起こりやすいため、キャッシュレス決済の導入が有効です。たとえば、利用者が小銭を探したり、釣銭の受け渡しが続いたりすると、ひとりあたりの対応時間が延びて行列が発生しやすくなるでしょう。待ち時間が長い状態が続けば、利用者の不満が高まり、満足度低下にもつながります。
さらに、窓口対応が長引くほど職員の業務負担や残業が増え、人的コストの増加も避けにくくなります。このような混雑を緩和し、窓口業務を効率化するためにも、キャッシュレス決済の導入がおすすめです。
公共施設・自治体に広がるキャッシュレス決済
キャッシュレス決済は、国の成長戦略やデジタル政策を背景に普及が進み、公共分野でも導入が広がっています。民間ではキャッシュレス利用が一般化しており、公共施設や自治体窓口にも同様の利便性が求められるようになってきました。
とくにスマートフォンの普及により、住民が日常的にキャッシュレスで支払う環境が整っています。自治体DXが進むなか、窓口業務の効率化や住民サービス向上を実現する手段として、モデル事業や官民連携を通じたキャッシュレス導入も各地で進められています。
公共施設にキャッシュレス決済を導入するメリット
公共施設にキャッシュレス決済を導入するメリットは、下記のとおりです。
- 会計・収納業務の負担を軽減できる
- 会計トラブルやリスクを抑えられる
- 利用者の利便性と満足度が向上する
詳しく見ていきましょう。
以下の記事では、キャッシュレス決済を導入する方法やメリットを詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
会計・収納業務の負担を軽減できる
キャッシュレス決済を導入すると、現金の受け渡しや釣銭の準備が不要になるため、会計対応にかかる手間を減らせます。集金や計数、銀行への預け入れといった作業も削減可能です。これによって、収納業務全体の効率化につながります。
さらに、会計処理や記帳をデータで管理しやすくなり、締め作業もスムーズになるでしょう。現金を扱うことによる職員の心理的負担が軽くなる点もメリットです。
結果として、セキュリティ対策や現金管理にかかるコストの抑制も期待できます。
会計トラブルやリスクを抑えられる
現金決済では、釣銭の渡し間違いや金額の誤りがトラブルにつながることがあります。キャッシュレス決済を導入すれば、こうした会計ミスを防ぎやすくなり、現場の負担軽減にもつながります。
また、現金の紛失や盗難といったリスクを抑えられる点も重要です。決済履歴が記録として残るため、支払い状況の確認や金額の照合がしやすく、「支払った・支払っていない」といった認識違いも起こりにくくなります。会計ミスに起因するクレームの抑制も期待できるでしょう。
利用者の利便性と満足度が向上する
キャッシュレス決済に対応することで、利用者は現金や小銭を用意する必要がなくなるため、支払い手続きがスムーズになります。会計時間が短縮されれば窓口の回転も上がり、待ち時間の軽減にもつながります。
日常的にキャッシュレス決済を利用している住民にとって、公共施設でも同じように支払えることは大きな利便性です。さらにオンライン決済と組み合わせれば、来館前に支払いを済ませられるなど、手続きそのものを簡略化できます。
利用者にとって「使いやすい施設」という印象が高まり、満足度向上が期待できます。
導入前に押さえておきたいキャッシュレス決済の注意点
キャッシュレス決済は公共施設の業務効率化に役立つ一方で、導入方法を誤ると運用負担が残ったり、想定外のトラブルが発生したりする可能性があります。
具体的な注意点は下記のとおりです。
- 決済手数料や運用コストを事前に把握しておく
- 通信障害や停電時の対応を想定しておく
- 現金派の利用者にも配慮した運用を行う
詳しく解説します。
決済手数料や運用コストを事前に把握しておく
キャッシュレス決済は利便性が高い一方で、導入・運用に一定のコストがかかる点に注意が必要です。決済手数料や月額利用料が発生するケースもあり、現金運用と比べて費用構造が変わります。
また、複数の決済事業者と契約すると、入金管理や締め作業の負担が増えやすくなるでしょう。セキュリティ対策やシステム保守などの運用コストも見落とせません。
導入前に費用対効果や業務削減効果を整理し、施設の運用に見合うか検討しておくことが重要です。以下の記事では、キャッシュレス決済の手数料について詳しく解説していますので、理解を深めたい方は、あわせて参考にしてください。
関連記事:キャッシュレス決済の手数料比較|おすすめポイントも解説
通信障害や停電時の対応を想定しておく
キャッシュレス決済は、電力や通信環境が確保されていることが前提です。そのため、停電やネットワーク障害が起きた場合は決済を受け付けられず、窓口業務が止まる可能性があります。
とくに災害時や緊急時には利用者の混乱につながるため、事前にリスクを想定しておくことが欠かせません。現金での対応に切り替えるのか、別の決済手段を用意するのかなど、代替手段と運用ルールを整備しておけば、トラブル発生時も落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
現金派の利用者にも配慮した運用を行う
公共施設では、キャッシュレス決済を使わない(使えない)利用者が一定数いることを前提に運用を考える必要があります。高齢者やスマートフォンに不慣れな方など、デジタル機器の操作が難しい層も想定されるため、キャッシュレス限定にしてしまうと利用機会を妨げる可能性があります。
そのため、現金とキャッシュレスを併用できる体制を整えるのが一般的です。あわせて、支払い方法をわかりやすく案内する掲示や窓口でのサポートなど、利用者への配慮も求められるでしょう。
公共施設向けキャッシュレス決済サービスの選び方
公共施設でキャッシュレス決済を導入する際は、下記のポイントを押さえて選びましょう。
- 複数の決済手段に対応できるか
- 会計処理・締め作業を想定した仕組みか
- サポート体制・公共分野の導入実績があるか
詳しく解説します。
関連記事:キャッシュレス決済端末比較|POS連携5社のおすすめポイント解説
複数の決済手段に対応できるか
公共施設では、利用者の年代や生活スタイルが幅広く、使い慣れている決済手段も人によって異なります。そのため、下記のように幅広く決済手段をカバーできるサービスを選ぶことが重要です。
- クレジットカード
- 電子マネー
- QRコード決済
対応手段が限られていると「使いたい決済方法がない」という理由で利用を控えるケースも起こりえます。地域の特性によって利用傾向が異なる点も踏まえ、選択肢を確保しておきましょう。
あわせて、1社で複数の決済手段をまとめて導入できる仕組みなら、契約や管理の負担を抑えられます。
会計処理・締め作業を想定した仕組みか
キャッシュレス決済サービスを選ぶ際は、導入後の会計処理や締め作業がスムーズに回る仕組みかどうかを確認しましょう。キャッシュレス決済は決済日と入金日が一致しないうえ、決済手数料が差し引かれます。そのため、現金と同じ運用では「数字が合わない」「確認に時間がかかる」といった混乱が起こりやすいからです。
サービスを選ぶ際は、現金とキャッシュレスを分けて集計できるか、入金内容を簡単に確認・照合できるかといった観点がポイントになります。あわせて、締め作業に必要な帳票やデータを出力しやすいか、会計システムや管理帳票と連携しやすいかも確認しておくと、導入後の運用負担を抑えられます。
サポート体制・公共分野の導入実績があるか
公共施設では、決済業務が止まると利用者対応に直結するため、導入後のサポート体制が重要です。導入時に下記のようなサポートが用意されているかを確認しましょう。
- 初期設定・操作説明
- トラブル時の駆けつけ対応
- 365日電話サポート
システム更新や保守について、継続的なサポートが受けられると安心です。自治体や公共施設での導入実績がある事業者であれば、公共分野特有の運用や要件への理解が進んでいるため、導入もスムーズになりやすいでしょう。
「POS+(ポスタス)」では、奄美市役所の市民課で「POS+ retail(ポスタス リテール)」を導入した事例があります。導入前後の変化を、以下にまとめました。
| 導入前の課題 | 導入後の効果 |
|---|---|
| ・釣銭準備・残高確認・集計など、現金管理の作業負担が大きかった ・レジ締めで誤差が出やすく、確認・修正に時間がかかった ・売上集計や帳票作成が手作業中心となっていた ・人手不足のなかで現金管理を回す必要があった | ・現金・キャッシュレスの売上データを一元管理できるようになった ・レジ締めの誤差が解消し、締め処理がスムーズになった ・日計処理(集計・確認)にかかる時間が短縮された ・帳票出力(CSV含む)により、会計課への納付業務まで効率化された |
参考:POS+|奄美市役所市民課が挑むDX推進 POS+ retail導入で窓口業務をスマート化
このように、公共分野での導入実績があるサービスを選べば、運用イメージが具体化しやすく、導入後のトラブルや負担も抑えやすくなります。
公共施設のキャッシュレス決済を一体で管理するなら「POS+(ポスタス)」
公共施設でキャッシュレス決済を導入する際は、決済手段を増やすだけでなく、会計処理や管理業務まで含めて運用を設計しましょう。POSと決済が分断されると、金額入力や締め処理の手間が残り、業務効率化につながりにくくなります。
キャッシュレス決済を一体で管理したい方には「POS+(ポスタス)」がおすすめです。会計時に金額を手入力する必要がなくなり、会計から決済までをスムーズに進められるのが大きなメリットです。決済サービスだけを個別に導入するのではなく、POS+(ポスタス)を中心に会計・管理まで一体で整理できるため、導入後の運用負担を抑えやすいでしょう。
まとめ
公共施設でキャッシュレス決済を導入すれば、現金管理や集計作業の負担を減らせるほか、釣銭ミスなどの会計トラブルも抑えやすくなります。利用者にとっても支払いがスムーズになり、窓口混雑の緩和や満足度向上につながる点がメリットです。
一方で、決済手数料や運用コスト、通信障害時の対応など、導入前に整理すべき注意点もあります。サービスを選ぶ際は、複数の決済手段に対応できるかだけでなく、会計処理や締め作業まで見据えて運用しやすい仕組みを選びましょう。
よくある質問
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Q
公共施設で多く使われているキャッシュレス決済は何ですか?
A
公共施設では、幅広い年代に利用されやすいクレジットカード決済が中心となるケースが多く見られます。あわせて、スマートフォンでの支払いが浸透している地域では、QRコード決済の利用も進んでいます。
特定の決済手段に偏ると「使えない」という理由で利用をためらう方もいるでしょう。クレジットカードやQRコード決済などを含めて、複数の支払い方法に対応するのが一般的です。
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Q
公共施設ではどの決済手段を優先して導入すべきですか?
A
優先すべき決済手段は、利用者層や施設の利用シーンによって変わります。そのため、どれかひとつに絞るのではなく、クレジットカードやQRコード決済などをまとめて扱える仕組みを選ぶのがおすすめです。
また、導入後に運用負担が増えないよう、会計処理や管理業務まで含めてスムーズに運用できるかどうかも、サービス選定の重要なポイントになります。