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2021.04.07
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チェーンストアとは?定義や種類、今後の展開について解説

チェーンストアは、日本でも多く見られる経営手法です。日常的に馴染み深い方も多いと思いますが、細かい定義や種類などは意外と知られていないものです。

ここでは、チェーンストアの基本について解説するとともに、メリットやデメリットをご紹介。今後のチェーンストア予測についても触れているため、多店舗展開を考えている方はぜひチェックしてください。

チェーンストアとは

チェーンストアとは、チェーンストア理論に基づいて展開された多店舗経営のことです。単一資本で11店以上、直接経営および管理している小売業や飲食業のことを、チェーンストアと呼びます。

チェーンストアはあらゆる企業活動を中央集権的に本社(本部)へ集中させ、店舗などの現場ではオペレーションに専念することにより、経営効率を上げる手法です。

チェーンストアを考える上で欠かせないチェーンストア理論

チェーンストア理論はアメリカで生まれた経営手法で、日本に伝わったのは1960年代のことです。

戦後の生活水準向上に伴い、当時の日本では大型スーパーが普及し始めていました。しかし、商品価格はメーカーや卸業者が一方的に決めており、市場は硬直状態だったのです。

小売市場の硬直化に危機を感じた経営コンサルタントの渥美俊一氏は、1962年にチェーンストア理論を学ぶための教育機構であるペガサスクラブを設立。そこでは、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊氏やジャスコの岡田卓也氏などが指導を受け、戦後日本を代表するチェーンストア企業に成長させました。

チェーンストアの特徴

チェーンストアは、マスマーチャンダイジングというビジネスモデルを採用しています。これは、不特定多数の消費者を対象として、効率的かつ効果的に大量の商品を販売するモデルです。

店舗に合わせた経営をするのではなく、多くの店舗に同じ商品計画や規模拡大を実施している点が大きな特徴といえます。

チェーンストアの種類

チェーンストアの種類

日本でチェーンストアというと、コーポレートチェーンもフランチャイズチェーンも同様のものとして語られがちです。しかし、実際にはチェーンストアには以下の3種類があります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

  • コーポレートチェーン
  • フランチャイズチェーン
  • ボランタリーチェーン

コーポレートチェーン

コーポレートチェーン(CC)は、チェーンストアを運営する企業が自ら資金を投下し、従業員を雇用して経営する店舗またはそのチェーン店網です。レギュラーチェーン(RC)や直営店とも呼ばれ、運営企業がブランドの構築やマニュアル化、売上管理などをすべて行います。

運営する企業と展開する各店舗は同一資本なので、各店舗の売上はすべて運営企業の収益となるのが特徴です。経営に問題があれば速やかに改善できる一方、資金繰りが難しくなると複数の店舗を展開するのが難しくなってしまうという問題があります。

フランチャイズチェーン

フランチャイズチェーン(FC)とは、フランチャイズ契約を結んだチェーン店網です。フランチャイズ契約とは、フランチャイズ本部が加盟店に商標・商号の使用権や商品・サービスの販売権、経営指導やサポートなどを提供し、対価として加盟店から金銭を得る契約です。

フランチャイズチェーンの場合、加盟店は商品・サービスの開発やプロモーションには携わりません。それらを決めるのは、本部の仕事です。加盟店は店舗経営や多店舗展開に専念できるというメリットがありますが、店舗で利益を出せない場合は本部に支払う対価が大きな負担となるというデメリットもあります。

ボランタリーチェーン

ボランタリーチェーン(VC)とは、独立している小売店が同じ目的を持つ小売店と組織を作り、本部を結成して構成されるチェーン店網です。経営の独自性を保ちながら仕入れや販売促進活動を共同化することで、一店舗では立場の弱い小売店でも効率的に利益を拡大できます。

自発的にひとつの組織を展開することになるため、加盟店同士のつながりはフランチャイズチェーンよりも強いことが特徴です。それぞれの店舗が自力で経営する必要があり、経営者の腕によってビジネスが成長するかどうかが決まります。

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チェーンストアのメリット

チェーンストアのメリット

チェーンストアのメリットには、主に以下の4つが挙げられます。

  • 店舗オペレーションの最適化
  • 仕入コスト・運営コストの削減
  • 接客品質の向上
  • POSデータを活用した施策展開

店舗オペレーションの最適化

チェーンストアのメリットの代表的なものが、店舗オペレーションの最適化です。本部企業が経営ノウハウをマニュアル化して各店舗に共有することで、速やかにオペレーションが最適化されます。

マニュアルに沿って経営を進めていくため、どの店舗でも同じクオリティの商品やサービスを用意でき、店舗の差を埋めて顧客に同じ満足感を提供できます。

仕入コスト・運営コストの削減

仕入コストや運営コストを削減できる点も、チェーンストアの大きなメリットです。

チェーンストアとして多店舗展開することにより、複数店舗分の仕入れを本部企業がまとめて行えます。その結果、仕入れる商品の絶対数を増やし、価格交渉を有利に行えるのです。商品の仕入コストを下げられれば販売価格も下げることができ、結果的に販売利益が向上します。

また、チェーンストアである多店舗に同じ経営手法をあてはめるため、店舗が標準化され運営コストを低下させることも可能です。

接客品質の向上

チェーンストアでは、人材教育も本部企業でマニュアル化します。そのため、店舗責任者や従業員、パートやアルバイトを効率よく教育できるというメリットがあります。

教育マニュアル自体も本部企業によって簡素化されているので、接客品質を速やかに向上させ、安定したサービスを提供できるのです。

POSデータを活用した施策展開

チェーンストアには、POSデータを活用した施策を展開できるというメリットもあります。

多店舗展開をする場合は、店舗ごとに売上や顧客に関するデータが異なり、本部企業はそのすべてを集約しなければ適切な経営判断ができません。そのため、店舗ごとに集計したPOSデータは、本部企業で一元管理して分析し、施策を立案することになります。

本部企業が決めたデータ収集方法が各店舗にそのまま適用
されるので、速やかにPOSデータが集まり、正しい施策を展開できるのです。

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チェーンストアのデメリット

チェーンストアにはたくさんのメリットがある一方で、懸念される課題も存在します。

  • 本部統制が難しい
  • 新規出店にかかる高額な設備投資
  • 商圏内で顧客を奪い合う可能性がある
  • 人材採用・育成コストがかかる

本部統制が難しい

チェーン店は基本的に、本部統制が強く働くことでブランド価値の統一化を図ります。しかし、フランチャイズチェーンの場合、コーポレートチェーンのような強い本部統制は難しくなる傾向があり、本部統制が上手く作用しないと、経営リスクが高まることにもなりかねません。

チェーンストアを展開する場合は、どの程度本部統制ができるかどうかを事前に考えておく必要があるといえるでしょう。

新規出店にかかる高額な設備投資

チェーンストアの展開では、新規出店をする機会が多くなります。しかし、新規出店には高額な設備投資がかかってしまい、それは大きな負担となります。

ひとつの店舗が順調な経営によって設備投資を回収できたとしても、どの店舗でも初期投資を速やかに回収できる保証はありません。採算が取れない店舗が多く出現すれば、利益を出している店舗があったとしても全体の利益は下がってしまいます。

さらに、利益を確保するために新規出店のスピードを早めると、設備投資が回収できなかった場合にさらに利益が下がるという悪循環に陥るケースもあるのです。

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商圏内で顧客を奪い合う可能性がある

商圏内で顧客を奪い合ってしまう可能性があることも、チェーンストアならではの課題です。

商圏とは、ひとつの店舗の影響が及ぶ範囲のことです。チェーンストアはひとつの店舗の商圏を狭くして、少ない人口でも客層を広く設定することにより、地域占拠率を高くする戦略を取ることが多くあります。

出店する場所の判断を誤り、狭い商圏に複数の店舗を出店すると、母店の売上に悪影響を与えてしまいます。顧客を奪い合って売り上げを低下させてしまったとしても、経費は単純計算で倍かかってしまうので、全体の利益が低下してしまう可能性が高まるのです。

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人材採用・育成コストがかかる

チェーンストアはあらゆることがマニュアル化されているので、一般的に人材育成コストは抑えられます。しかし、チェーンストアを拡大させることによって多くの従業員が必要になると、人材採用コストは上がります。

また、きちんとマニュアル通りに動いてくれる有能な人材を採用できなければ、せっかくマニュアルがあっても機能しません。人材採用を誤ると、マニュアル外の人材育成をしなければならず、人材育成コストも上昇してしまうのです。

これからのチェーンストア

これからのチェーンストア

チェーンストアは日本でも絶大な信頼を誇り、いまなお続く企業も多数存在します。しかし、1990年代からチェーンストアは徐々に衰退しているのが現実です。貯蓄志向が高まった国民に好評のディスカウントストアや、ECストアの発展などにより、チェーン店の魅力は薄れてきています。

しかし、チェーンストア自体は日本市場に根付いており、ハイブリッドモデルと呼ばれる新しい形に変わり始めています。このハイブリッドモデルは、チェーンストアの土台であるマニュアル化の部分はそのままに、店舗独自の権限や裁量が与えられる経営手法です。さらに、基本としてオフラインの店舗がありつつ、ECサイトと連携させたりOMO戦略を取り入れたりすることで進化する可能性も秘めています。

多店舗展開を考えている方は、今後のチェーンストアの変化にもぜひ注目してください。

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まとめ

チェーンストアは、戦後から日本の小売業を支えてきた経営手法です。そのメリットは大きく、今後は時代に合わせて変化していくことが予想されます。これからのチェーンストアについて理解を深め、多店舗展開を考える経営判断にご活用ください。

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