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「住める国立公園」志摩市の行政&観光DX  海ほおずきがPOS+で実現したキャッシュレスと業務効率化

[alt] 運営法人:三重県志摩市
〒517-0404 三重県志摩市浜島町浜島465-14

https://www.umihozuki.org/

三重県東南部の志摩半島に位置する志摩市は、人口約4.3万人(2026年1月現在)のまち。

志摩市浜島磯体験施設「海ほおずき」では、夏は磯体験、冬は伊勢えび釣り体験などができる。
業態・業種 自治体・公共/役所
店舗数 1窓口
導入商品 retailセルフレジ、キャッシュレス端末

今回は、志摩市が運営する磯体験施設「海ほおずき」で所長を務める鈴木 康平様、志摩市役所総合政策課デジタル基盤整備運用係長の池田 佑様に、POS+導入の背景や効果についてお話を伺いました。



海と漁村文化を「遊びながら学べる」磯体験施設・海ほおずきとは

ー海ほおずきについて教えてください。

鈴木様:海ほおずきは、志摩市の漁村文化や海の恵みを「遊びながら学べる」磯体験の施設です。2004年4月に市合併前の旧浜島町の施設としてオープンしました。当施設のコンセプトは、「地元の漁村文化を知ってもらう」「海や海産物について学べる」「子どもから大人まで、安全に磯あそびを体験できる」という部分です。施設内には、潮の満ち引きを再現した「浅磯」と「深磯」のほか、釣りエリアなどもあり、小さなお子さまから大人まで、魚や海の生き物とふれあえるようになっています。

ー年間の来館者数とーー者の多いエリアや客層はいかがですか?

鈴木様:昨年度は約2万7000人のお客様にお越しいただきました。夏休みやゴールデンウィークなどの大型連休は繁忙期で、とてもにぎわっています。近畿2府4県、東海3県から来られるお客様が中心で、インバウンド客は、まだ月に数組程度ですが、中国圏から来られる方が比較的多いかなという印象です。客層は、小さなお子さまがおられるファミリー層がメインですね。

ー本日インタビューにご協力いただいている皆様の役割について教えてください。

鈴木様:私は海ほおずきの所長として、施設全体の管理と運営を担当しており、イベントの企画から売上・来館者管理など多岐にわたる業務に携わっています。限られた人数で運営しているため、皆で協力しながら、お客様に楽しんでいただける環境づくりに努めています。

池田様:志摩市役所のデジタル基盤整備運用係長として、現在は「情報システム担当」の立場で業務をしています。2024年度は、デジタル戦略係で、キャッシュレス導入などのDX(デジタルトランスフォーメーション)施策を担当しており、POS+の導入に関わらせていただきました。

現金精算と旧券売機の限界――少人数運営を悩ませた課題とは

ーPOS+を知った経緯、導入の背景や課題をお聞かせください。

池田様:当市として、窓口のキャッシュレス決済が非対応であることが課題になっていて、導入検討の一環として情報収集を進める中で、「POS+」について詳しく話を伺う機会がありました。

池田様:導入の背景には、キャッシュレス決済が広く普及している昨今において、市民サービスとして対応していく必要があるという認識でした。すでに多くの自治体でキャッシュレスの導入が進んでおり、「市民サービスの向上」を目的として、他の自治体の導入事例を参考にしながら、まずは、窓口における支払件数が多い、証明書交付手数料を対象に導入を検討していました。

鈴木様:海ほおずきでの課題としましては、現金か一部QRコード決済のみで、釣銭管理やレジ締めはすべて手作業で行っておりました。そのため、お金の数え間違いなどのミスがどうしても発生してしまい、間違いの修正に時間をとられることが度々ありました。また、夏の繁忙期は、現金精算の速度に限界があり、券売機前に長い列ができることも課題でした。旧券売機は設定変更も簡単ではなく、料金改定やメニュー変更のハードルが高かったですね。こうした課題が特に負担になっていました。

ーPOS+を選定した決め手を教えて下さい。

池田様:プロポーザルを通じて「POS+」の採用を決定しました。当市の市民課は、各窓口で直接お支払いいただく運用となっているため、無線(モバイル型)で持ち運べる決済端末は必須条件でした。海ほおずき(観光施設)については、当初のプロポーザルの範囲には含まれていませんでしたが、その後の検討を経て追加導入を決めました。海ほおずきでは、券売機と自動釣銭機を組み合わせたセルフレジのニーズがあり、POS+側から観光施設向けのセルフ券売機を含めたプランを提案いただき、結果として、包括的なシステム構成を実現することができました。

自治体ならではの要件に応える、POS+選定の決め手

ーPOS+導入にあたりどのようなプロセスがありましたか?

池田様:まず、情報収集と検討から始め、他自治体へのヒアリングを行いました。費用の予算要求では、2024年度の当初予算で、「デジタル田園都市国家構想交付金」の活用を前提として導入予算を計上しました。補助制度を活用することで、財政部局・議会ともスムーズに理解を得られました。

ー導入拠点について教えて下さい。

池田様:当初は市民課などの市役所本庁と市内にある4カ所の支所のみの想定でしたが、観光施設(海ほおずき、ともやま公園、志摩パークゴルフ場、志摩市観光農園の4施設)も追加導入しました。本格運用は、市役所窓口が2025年3月3日から、海ほおずきを含む観光施設が同年4月1日からスタートしています。観光施設への追加導入が決まったことで、かなりタイトなスケジュールになりましたが、大きなトラブルもなく無事に運用を開始することができました。

ー現在ご利用中のPOS+のサービス構成を教えてください。

池田様:市役所窓口では、モバイル型のキャッシュレス決済端末+自動釣銭機の構成です。観光施設では、施設ごとの特性に合わせて、海ほおずきではセルフレジを導入し、入場券や食券などを来館者ご自身で購入いただけるようにしているほか、ともやま公園では、市役所と同じ構成、パークゴルフ場及び観光農園では、モバイル型のキャッシュレス決済端末+キャッシュドロアの構成になっています。

セルフレジとクラウド管理で変わった現場と市役所の業務

ー導入後、海ほおずき様・市役所様それぞれの現場の反応はいかがでしょうか?

鈴木様:海ほおずきのスタッフからは、「レジ業務が楽になった」という声が一番多いです。セルフレジで全て完結するため、現金に直接触れる機会が減り、釣銭の渡し間違いがなくなりました。またレジ締めの際も、POS+から出てくる集計と現金を合わせればよいので、以前のような精算ミスの不安が減ったことが大きいです。そして繁忙期もキャッシュレスで券売機周りの導線がスムーズになって好評です。

池田様:市役所側でも、市民の方から「市役所でもキャッシュレスが使えるようになり良かったです」といったお話をいただきます。また、本庁の担当者としては、クラウドで各拠点の状況をリアルタイムに確認できるようになったことで、観光施設も含めた全体の動きが把握しやすくなりました。

しかし、職員の意識改革という点では、まだ「これから」の部分もあります。一方で、2024年度からDX研修を継続して実施しており、デジタルリテラシーの向上を図るとともに、変革を自分事として捉え、前向きにチャレンジできる人材の育成に注力しています。POS+には、集計やデータ分析など、使いこなせていない便利な機能が多くあります。今後は単なる「キャッシュレス決済の導入」にとどまらず、収集データの活用など、一歩踏み込んだ取り組みにつなげていければと考えています。

ーセルフレジ(券売機)に対する来館者の反応はいかがでしょうか ?

鈴木様:来館者の方からの反応は総じて良好です。特に最近は「現金をあまり持ち歩かない」という方も増えており、クレジットカードや電子マネーが使える点について「助かった」「便利だった」という声を多くいただきます。海ほおずきではキャッシュレス比率が5割を超え、多い時期には6割近くになることもありますね。観光客が多いこともあり、市が管理する施設の中でも、キャッシュレス比率はかなり高い方だと聞いています。

ーPOS+を導入して良かった点を教えてください。

鈴木様:海ほおずきとしては、レジ業務の負担が軽くなり、釣銭間違いや精算ミスがほぼなくなったこと、繁忙期の行列が以前よりも捌きやすくなったこと、日々の売上や決済手段の内訳が、すぐに確認できるようになったこと。この3点は特に大きなメリットだと感じています。

池田様:当市としては、市役所窓口及び観光施設がキャッシュレス決済に対応できたほか、本庁にいながら、各拠点の状況をリアルタイムで把握できるようになったことです。

ーPOS+の営業・開発・設置・コールセンターなどの対応はいかがでしたか?

池田様:海ほおずきのセルフレジは、POS+としても、開発・サポート側も手探りの部分があったと思います。それでも、年度末ぎりぎりのスケジュールの中で、観光施設の追加や仕様変更にも柔軟に対応してくださり、なんとか4月の運用開始に間に合わせていただきました。全体として、営業・設置・サポートの連携は良かったと感じています。

データ活用とさらなるキャッシュレス化に向けた志摩市の展望

ー今後の導入予定や、キャッシュレス化の展望について教えてください 。

池田様:具体的な計画があるわけではありませんが、市内には支払いが現金のみの公共施設がまだ多くありますので、今後ぜひ導入拡大を検討していきたいです。

ー最後に、志摩市様・海ほおずき様それぞれからPRをお願いいたします。

池田様:志摩市は、伊勢志摩国立公園の豊かな自然の中にあり、古くには「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、現代においても豊かな里と海から恵みを受けながら、人と自然が共生しています。また、2026年は伊勢志摩国立公園指定80周年の節目の年を迎えます。

今後も、キャッシュレス決済の導入拡大やDXの取り組みを通じて、市民の皆さま・観光で訪れる皆さま双方にとって、より便利で快適な志摩市を目指していきますので、ぜひ一度、足を運んでいただければ嬉しいです。

鈴木様:海ほおずきは、志摩の海や漁村文化を「見て・触れて・味わって」体験できる施設です。 夏は磯あそびや海の生き物とのふれあい体験、冬は伊勢えび釣り体験など、季節ごとのプログラムをご用意し、元水族館スタッフも在籍しているので、魚や生き物について楽しく学んでいただけます。三重・志摩方面にお越しの際は、ぜひ海ほおずきにもお立ち寄りください。

ー貴重なお話をありがとうございました。