SPECIAL 02

プロジェクト座談会

信頼
チームワーク

公的団体100ヶ所以上の
キャッシュレス化が、
公共案件拡大の
契機となる。

  • 渡部 拓馬

    サービス開発3部
    工学部卒
    2000年入社

  • 平松 謙一

    パートナー営業部
    経済学部卒
    2021年入社

  • 鈴木 康貴

    カスタマーサクセス部
    経営学部卒
    2010年キャリア入社

  • 今坂 美貴

    カスタマーサクセス部
    国際系学科卒
    2021年入社

THEME01

ニーズの高まりを受け
公共案件が年々広がる。

  • 近年、ポスタスでは全国の自治体や公共機関をターゲットに、キャッシュレス化やDX化の提案を積極的に展開しています。特にニーズが集中しているのは、市役所の市民窓口課での住民票や戸籍等を発行する業務。現金で徴収していた発行手数料に関して、キャッシュレス対応していく案件が拡大しています。
  • 自治体案件が拡大した背景には、アライアンスパートナーである大手カード会社との連携があります。公共案件に強いカード会社では、独自のキャッシュレス決済端末を持っていて、システムまわりの開発を当社に繋げてくださるようになりましたね。
  • 国がキャッシュレス対応の方針を打ち出している一方、なかなか難しい内容になるので知見のある我々やカード会社にご相談をいただく機会が増えています。
  • 自治体では限られたスペースでの業務が多いので、巨大な端末を設置できないのですが、当社はPOS+シリーズで決済端末一体型のコンパクトなソリューションを提供しているので、おのずと自治体のニーズにはマッチしていますよね。
  • 紙で管理していた情報をPOSシステムでデータ管理できるのも自治体にとっては大きなメリット。キャッシュレス化のみならず、ペーパレス化を同時に進められるという点も好評を博しています。
  • 余談ですが、提携するカード会社との縁で以前は影響力の大きなイベントの、POSシステムを導入するプロジェクトも動いていました。コロナ禍の影響もあり頓挫してしまいましたが。
THEME02

経験のないスケールでの開発を
手探りの中で進めていく。

  • 今回の公的機関の案件に関しては、2020年の夏ごろにカード会社経由で話が持ち上がりました。他の自治体案件も共通していますが、カード会社独自の決済端末とPOS+を組み合わせて利用していただくという提案を展開。私は導入や運用面を支えるカスタマーサクセスを担当しているものの、話のスケールが大きくなりそうでしたから、初期段階から営業とともにお客様先に訪れて対策を練っていました。実際、そのときから複数の拠点で利用したいとの要望が持ち上がっていました。
  • 結果として100ヶ所以上に入れるという大掛かりな話に発展しましたね。この規模をコントロールするために心がけてきたのは、仕様が固まり切る前にお客様の本部と各現場の要望を綿密にヒアリングすること。先回りして必要な仕様が予想できるように、社内での綿密な情報共有も怠りませんでした。
  • 私は開発部門の部長(GM)という立場で組織のマネジメントにあたりました。ヒアリングを進めていった中で浮き彫りになった課題は、お客様のシステムやインフラ環境への対応が難しいという点です。ここをクリアしないとお客様窓口で帳票が印刷できなくなるので、独自機能として新たにシステムを構築しなくてはなりませんでした。公的機関独特の帳票の意味、用途を理解するのも一苦労で、間違えて理解しないように慎重に話し合いを重ねていきました。
  • 実は私にとっては異動後2か月で始まったプロジェクトでした。しかもポスタス内部でもカード会社とのアライアンスや公共案件に関する知見が貯まり切っておらず、手探りでの作業の連続でした。利害関係にあるのがポスタス、カード会社、リース会社、そしてお客様である公的団体の4者があったのですが、契約内容に認識の齟齬が発生しており、その調整には苦心させられました。
  • 関係者が多いことに加え、公共案件ならではの独特な方式にも苦心させられました。
  • 今回は提案書の得点で受注が決まる“プロポーザル案件”だったのですが、公共案件独特の用語が羅列されている仕様書を読み込んで提案するのが難しかったですね。ただ、おかげでポスタスにプロポーザル案件に関するノウハウが蓄積され、公共グループの土台となるものができたのが大きな収穫でした。
THEME03

100回以上の研修を開催し
スムーズな導入を支援していく。

  • 導入フェーズでは約3か月の時間をかけて100ヶ所以上に端末を入れていくことになりました。ここからはカスタマーサクセス部の活躍が目立っていきましたね。
  • 一般的にPOS+を導入するときは、端末を店舗に送ってその場で組み立てるという流れで進めます。今回は短期間で複数拠点に導入することになった上に、公共団体ですから現地での作業時間にも制限がありましたので、あらかじめ端末のキッティング(設定等)をある程度終わらせておくことを意識しました。簡単にアクセスできない離島での作業も含まれていましたので、間違いのないように調整を進め、離島にいる職員への落とし込みまで入念に行っていきました。
  • 私は主に導入後のトレーニングを担当しました。当時としてはPOS+始まって以来、最大規模の全拠点一斉導入でしたので、合計100回以上の研修を開催。お客様のエリアの中核となる事業所の会議室を借り切って、1日3回にわたりトレーニングをするといった日々も続きました。
  • 大勢の人の前で研修をしていましたよね。
  • 60名くらいの職員の前で話をするということは何回かありましたね。実は当時、別業界から転職したばかりで、不慣れなところもあったのですが、別案件を担当しながらサービスについて必死になって勉強を重ねていきました。周囲の先輩の温かなアドバイスもありがたかったですね。
  • 導入後の対応といえば、公的機関の職員の場合、今までPOSレジを使ったことにない人が大多数を占めていたため、レジのオープンからクローズまでの1日の流れをマニュアル化して、スムーズに作業ができるように支援しました。POS+が土台となったプロダクトですので、既存のマニュアルでは「商品」という表現をしているのですが、これでは職員がイメージできないという声を受けて、こまごまとしたところの改善も進めました。
THEME04

綿密に
準備を重ねたのが功を奏し
スムーズな導入が実現。

  • チームが一体となって入念に準備したこともあり、システム的には大きなトラブルもなく稼働開始にこぎつけることができました。
  • 運用開始後はコールセンターへの電話件数が極端に少なかった、とのデータも出ています。
    事前トレーニングができていたのと、お客様の本部からのアナウンスが効果的だったのかもしれません。
  • 実は導入前、各拠点のオペレーションを見ていると、運用開始前にログインしていないところが多いことが判明しました。一度でも触っていればトラブルは防ぎやすくなりますから、本部から全拠点に「一度、ログインをして」というアナウンスをしてもらったのもスムーズな導入につながりました。
  • 運用開始当日は、営業、開発、カスタマーサクセスなど、部署を問わずに手が空いている人間が、各拠点をまわって状況を確認するといったことも行いましたよね。
  • それもポスタス史上初の試みでしたね。営業としては調整することが多すぎて、プロジェクトが一段落したときには燃え尽きて灰になるかと思ったほどでした(笑)
    ただ、お客様から「導入してよかった」という声が聞こえてくるのが非常に励みになりました。会計時の手間が軽減されるのはもとより、紙で管理していた売り上げ等の記録をデータ管理できるようになったことで、作業が本当に楽になったと実感していただけました。
  • 特定の免許を持っている人は数年に1度、この公的機関の施設を使うのですが、たまたま友人が稼働直後にその時期を迎えていました。「交通系ICカードで決済ができた」といった話をしてくれたときは嬉しかったですね。
THEME05

公共分野での飛躍の土台が
この案件で築かれる。

  • 振り返ってみると、この案件はポスタスの公共案件受注のノウハウを固めるきっかけとなりました。実際、その後、行政の案件が急拡大し、公共グループも新たに立ち上げられました。さらには外部企業とのアライアンス面の価値の再発見にもつながったとの手応えを得ています。
  • 以前は開発や営業、カスタマーサクセスなどの各部門の横のつながりが弱かったように感じていましたが、今回の案件を通して初期段階からの連携がしやすくなり、会社全体を横断したプロジェクトが形成されやすくなったとも感じています。
  • 確かに今回、部をまたがって対応したことで、会社組織自体が大きく成長するきっかけになったかもしれません。事実、この案件以後は、部署を横断してタスク共有した上で、企画から納品までを進めていくプロジェクトが増加しており、従来の型を超えたポスタスに進化できたように思います。
  • 今回の案件を通して得た経験を土台に、導入だけに終わらず、お客様の“サクセス”につながるような取り組みを今後も進めていければと思っています。
  • 公共のPOSシステムでは全国マーケットシェアNo.1を目指し、次なるプロダクト開発も積極的に行っていきたいですね。