株式会社プレジャーカンパニーが運営する人気店「炭焼き大」。炭火焼きに日本酒、そしてワインが楽しめる新しいスタイルのレストランです。
炭火を使って職人の手で焼き上げる焼き鳥や旬の魚を使った刺身をご提供。洋と和の良さを折衷させた自慢のメニューは、食の楽しみ方を広げてくれます。店内はモダンで落ち着いた雰囲気で、デートはもちろん、ご家族、ご宴会などさまざまなシーンでご利用いただけます。現在、東京と神奈川で合わせて3店舗展開中です。
今回は取締役経営管理部長の宍倉様に、レストラン炭焼き大におけるPOS+(ポスタス)導入に至る経緯から導入後の変化、今後の展望についてお話をお伺いしました。
和食と一緒にワインも日本酒も楽しめる炭焼き大。常連さまに愛され、地域に根付く場に。
――炭火焼き大のコンセプトや特徴を教えてください。
会社理念に掲げた「食を通じて喜びを創造する」から、炭焼き大は地域に根付いて常連さんに愛されるお店を目指したいと思っています。
焼き鳥や刺身といえば日本酒を思い浮かべる方が多いと思いますが、炭焼き大ではワインも楽しんでもらえるのが特徴です。
赤ワインを煮詰めて焼き鳥のタレに合わせると、コクが出るんですね。それでワインに合う炭焼き鳥ができる。カップルやご友人同士はもちろん、ご家族も一緒に楽しめる食事をご提供する空間です。
――和食にワインを合わせるのは斬新な印象がありますが、ワインのこだわりなどはありますか?
ワインについて良い意味で「頭でっかち」にならないことですね。
お店で出すワインの最終選定は、敢えて社長と私が担当しています。ワイン選びの職人であるソムリエには、グラスで気軽に楽しめる価格の美味しいワインをピックアップする仕事をお願いしています。
ソムリエの専門的知識と私たちの一般的な感覚を掛け合わせて選ぶ形ですね。そうすることで親しみやすいけどカジュアルすぎないワインメニューを提供することができています。
コロナ禍で進んだ原価高騰と人員不足。ミッションを守るためITと人の分業を。
――POS+(ポスタス)を使い始めた経緯と導入されたサービスをお伺いできますか。
コロナ禍で多くのアルバイトの方が辞めてしまった後、お店の営業体制を戻す段階で「人手不足でお店を回せない」という状況に陥りました。そこで、セルフオーダーシステムを含むPOS+(ポスタス)の導入しお客さまにオーダーをお任せする形にすることで、人員不足を少しでも解消しようと試みました。
現在は「POS+OES(ハンディ)」、「POS+モバイルセルフオーダー」、「POS+TTO」を活用させていただいています。
人手不足の他にも、人件費や材料費の高騰、諸経費が高いなど、解決すべき問題はいくつかありました。
導入前に使用していたレジシステムでは、十数年で保守期限が切れてしまったり、修理したいけど既に部品が生産ストップされていたりして、何年かに一度総入れ替えしなければならず、一気に莫大なコストがかかってしまうサイクルの中にいました。
また、既存のレジシステムでは連動する度に費用が発生し高かったため、データを集めてエクセルで手打ちしていました。店舗のPLや店舗傾向を分析するのに大変非効率でした。
――同じようなサービスはいくつかありますが、POS+(ポスタス)を選ばれた決め手は何でしたか?
ひとつは「連動性の高さ」でした。
導入前にいくつかのサービスを比較検討させていただいて、実は最初は他社でほぼ決まっていたんです。しかし、今後DX化を促進させていきたいということもあり、レジ、売り上げ帳票、Excel、予約台帳など、可能な限り全て紐づけておきたかった。これらを連動させると、これまで手打ちで行っていた各データの集計や分析などをシステムに任せることができるため、業務が効率化します。
POS+(ポスタス)は全て連動可能だったので、最終的にPOS+(ポスタス)を選びました。
――導入前後には運営側の葛藤や従業員からの反発があったとか?
正直、反発はありました。現場に立つスタッフも私たち運営側も、POS+(ポスタス)を導入し、注文時に直接オーダーを取らないことによる影響を危惧していました。「サービスを売りにしているのに、タッチパネルを使ってお客さまに注文していただくシステムはどうなのか」という懸念が大きかったですね。
導入後は、自動オーダーによって生まれた時間を使って、提供時にお客さまにお料理の説明をしたり、一言付け加えたりという工夫をしています。新たな「おもてなし」の形を取り入れたことで従業員も納得し、お客さまの喜びも創造できていると感じています。
20〜25%の人件費削減に成功!導入後の変化から得られた気づきとは
――POS+(ポスタス)の導入結果と改善点を教えてください。
まずは、20〜25%ほどの人件費削減に成功しました。既に客足が戻っている状況ですが、コロナ前よりも少ない人数でお店を回せるようになっています。
数値の分析も効率的になりましたね。特に商品の出数やABC分析(パレート分析)などは以前と比べると格段に速くなり、業務が捗っています。今後の店舗展開や商品開発にも活かしていきたいと考えています。
改善点と言いますか、POS+(ポスタス)を導入し、オーダーをタッチパネルに任せたことによって生まれた「時間」をお客さまにどう還元できるかを模索していました。
以前は、お子さまがいたら注文時に「辛さ抜きますか?」とお声がけしたり、オーダーを送信する際に「お子さまのメニューは早めで」などキッチンと連携したり、先手を取ったおもてなしができていました。前述しましたが、オーダーの流れが変わった今は、お料理をテーブルに持っていく際に「温かいうちにお召し上がりください」や「〇〇を使っているこだわりの〜」と一言添えるなど、新しい形のおもてなしでお客さまに喜んでいただけるような接客をしています。
抱えていた問題の「核」がPOS+(ポスタス)の導入によって解消できた今、より良いサービスのスタイルを確立させる準備ができたところに立っていると思います。
――POS+(ポスタス)を導入されてから副次的効果で客単価がアップしドリンク数も増えたとのことですが、詳細とお客さまからの評判をお聞かせください。
コロナ以前はお客さまに呼ばれる前に気付いて注文を確認する接客を徹底していたのですが、人手不足で難しくなってしまいました。
そのような状況の中でPOS+(ポスタス)導入後、結果的に客単価が13〜15%ほど向上し、ドリンクの注文数も上がったんです。
これらの変化から推測して、お客さまにとって店員に声をかけるのは一つのストレスだったんじゃないかと気づきました。お客さまのタイミングで「すみません」を挟まずオーダーできるシステムにしたことで、「注文したいけど、忙しそうなスタッフに声をかけるのためらう」というひとつのモヤモヤを副次的に解消できたんだと思います。実際に「すみませんって呼ばなくて済んだよ」との声もありました。
――今後の展望をお伺いしてもよろしいでしょうか?
提供できるサービスの幅を広げたいと考えています。企業理念として掲げている「食を通じて喜びを創造する」って、レストランだけで達成されるものではないですよね。例えば、「雨の日に自宅で炭焼き大の焼き鳥が食べたい」時はデリバリーを、インバウンドで「観光地を歩きながら和食を食べたい」のニーズにはテイクアウトですね。フードコートなどにも出店して、どのシチュエーションにおいても弊社のサービスが選択肢のひとつに挙げられるように挑戦していきたいです。
サービスを広げるにはDX推進も必要不可欠です。我々が目指すDX化の形は「人じゃなくても支障がないものは全部DX化し、人にしかできないサービスに特化する」こと。ただ効率化を極めるだけでなく、DX化によって生まれた時間をお客さまに還元できるようにしていく。分業と特化を進め、不要な手間を省いて従業員と共によりよいサービスを追求していきたいと考えています。
――貴重なお話、ありがとうございました。