5年かけてキャッシュレス対応窓口を大幅拡大
本日は、DX推進だけでなく、機器選定から各施設の窓口調整・調定業務など幅広く業務をされている
さいたま市出納課の阿部様・笠崎様と、大宮盆栽美術館ご担当の山川様にお話を伺いしました。
――ポスタス導入のきっかけや導入の決め手をお聞かせください。
さいたま市は政令指定都市なので、区役所が10拠点、その他支所や市民の窓口も複数構えております。キャッシュレス化についても、比較的早い段階から着手しており、「stera」×「POS+」を導入する前の令和元年度から、大宮盆栽美術館をはじめ4つの博物館・美術館で入館料等のキャッシュレス決済を行っておりました。しかし前のレジは、QRコード決済未対応、POS機能がなかったので集計に苦労していて、レジの入れ替えを検討しました。複数のPOSレジメーカ―にお声がけしましたが、窓口のスペースが限られていることから、一体型の端末である「stera」×「POS+」を選定しました。あとは、どれだけ細かな集計が出来るかも重要視しました。
――ポスタス導入時期と導入拠点を教えてください。
令和3年6月に大宮区役所の区民課と北部市税事務所市税の総合窓口で試行導入。使い勝手と集計作業の効率化が図れたので、令和4年12月に区役所や支所、市民の窓口等の証明発行窓口や、大宮盆栽美術館など49窓口で本格導入しました。令和5年10月には、さらに窓口を拡大し、コミュニティセンター20拠点、10区の区役所のくらし応援室、情報公開コーナー、保険年金課、文化施設、保育園、環境センター余熱体験施設(温浴施設)など、POS+導入前の取り組みを含め5年間で111窓口まで導入拡大しました。
――キャッシュレス化について、職員や市民の方からの反応はいかがでしょうか。
まだ現金支払いが多い状況ではありますが、選択肢が広がったという観点で非常に好評です。特に、一時保育事業を実施している公立保育園が8つありますが、場所によっては、キャッシュレスの利用率が100%近くとなっています。キャッシュレス決済に親和性のある子育て世帯の方には非常に役立っている印象があります。
集計は「販売実績管理」をフル活用
――ポスタスを導入してよかった点を教えてください。
山川様:美術館ですので、売上だけでなく、観覧券の利用についての細かい内訳やグッズ販売での売上数、決済種別がリアルタイムに出力できるようになったことです。また、以前は手書きで対応していた領収書も出力できるため、ミスも減り、手間が省けました。
阿部様:通常のレジだとシステム改修がある際は、レジごと入替になり、メーカーとのやり取りや入替時の立ち合いが出てくるかと思います。それがPOS+のようなアプリであれば、アプリのバージョンアップだけで対応でき、基本のバージョンアップであれば費用もかからないので、小さなことですが、工数削減が出来ました。また、導入前の集合研修も人数に合わせて対応して頂けます。30名規模だと、プロジェクターを利用してやって頂きました。操作マニュアルも見やすく、導入後も活用できるものでとてもよかったです。
――商品の追加や管理画面上での設定等は出納課にて担当されているのでしょうか。
概ね出納課にて対応していますが、商品追加等の機会が多い施設については各窓口に対応を任せています。コールセンターもうまく活用しながら、対応してもらっています。
――POS(レジ機能)の使い勝手はいかがでしょうか。
これまでは、各窓口の担当課で何件の証明書発行件数があったか全て手作業で取りまとめ、それをメールで窓口を所管する担当課に報告する必要がありました。手作業なので入力ミスも多く苦労していましたが、ポスタスを導入することで、リアルタイムに集計が出来ますし、窓口を所管する担当課も管理画面から確認が出来るので、わざわざ各窓口から報告する作業もなくなりました。
――本部機能(管理画面)の使い勝手はいかがでしょうか。
管理画面では、「販売実績抽出」をフル活用しており、非常に有効活用が出来ています。詳細は、売上金を金融機関等へ払い込む際の納付書作成、各窓口のキャッシュレス決済比率やブランド別の利用状況の実績データ作成、カード会社から入金があった際に各担当課で収入手続(調定作業)を行いますが、その各課の収入額の算出などに活用しています。
――導入にあたって、ポスタスの対応はいかがでしたでしょうか。
複数ある拠点の現地調査や設置日の日程調整をする上で、営業をはじめ社内調整や連携がしっかり取れている印象を受けました。
コールセンターも真摯で丁寧な対応をしてくださいます。
――今後ポスタスに期待していただけることがありましたら、お聞かせください。
stera mobileをいくつかの拠点に導入予定です。今後キャッシュレス決済の対応を予定している施設では、施設の窓口だけではなく、施設外部での支払いを受け付ける場合があるため、持ち運べるキャッシュレス端末はとても魅力的です。今後も最新のキャッシュレス環境に応じた商品・サービス展開を期待したいです。
――貴重なお話ありがとうございました。
【自治体概要】
埼玉県の南東部に位置する県庁所在地。古くは中山道の宿場町として発達してきた歴史を持ち、現在は東北・上越など新幹線6路線を始め、JR各線や私鉄線が結節する東日本の交通の要衝となっている。平成13年5月に旧浦和・大宮・与野の3市合併により誕生し、平成15年4月1日には全国で13番目の政令指定都市へと移行。平成17年4月1日の旧岩槻市との合併を経て、関東圏域を牽引する中核都市として、さらなる発展を目指して行きます。
平成30年9月には人口が130万人を突破し、令和6年4月1日現在1,346,312人。人口増加数、転入超過数ともに全国上位であり、特に、0~14歳の転入超過数では、9年連続(2015~2023年)で全国第1位となっており、さいたま市は子育て世代に選ばれています。窓口手数料等のキャッシュレス決済への対応のほか、多方面でDXの推進に取り組んでおり、時事総合研究所の「全国自治体DX推進度ランキング2023」において、さいたま市が全国第1位に選ばれました。