顧客のニーズを“見える化”して、
今まで以上に、地域に愛される薬局をめざして。
葛飾区を中心に、現在12 店舗をチェーン展開する水戸薬局。「愛される薬局」をスローガンに掲げ、地域に根ざした薬局として、地域住民の健康維持に貢献しています。2019 年10 月、消費増税を機に、全店でPOS+ を導入。その経緯と効果について、導入に関わった店舗運営部店舗運営課係長 服部和俊様にお話を伺いました。
手作業からPOS+ へ。商品の流れが見えてきた。
――POS+ 導入前、どのような課題を抱えていらしたのでしょうか?
今までのレジが単純に電卓機能だけでしたので、本部として、12 店舗すべてに目配りし、何がどこでいつ売れているのか、商品の動きを把握することが困難でした。これでは、商品の品揃えや販売計画が立てられません。商品の流れをしっかりと管理する、そこで自動化・効率化の仕組みを入れる狙いで、ポスレジを導入しようという計画が持ち上がったのです。
――12 店舗ありますが、売上の集計などは?
会計後の本部への報告書は、すべてエクセルベースの報告書を印刷したものでした。毎日の日計表、入金金額、すべてエクセルです。こうしたデータの作成、保管、報告などをすべて手入力で行いますので、どうしても残業になってしまいます。固定業務としての残業ですから、現場の負担が大きかったのは事実です。
――管理部門ではどうでしょう?
管理部も同様ですね。店舗がエクセル入力して印刷した紙の報告書で、会計上必要な数字を集計していました。紙のデータをひとつひとつ付き合わせて、つじつまが合わないところがあれば、店舗に電話して確認する、という作業です。棚卸も医薬品は専用の在庫管理システムを使用しているため管理は出来ていますが、健康食品や一般食品の棚卸の方は専用のシステムが無いため、エクセルの表への入力など、スタッフのマンパワーに頼らざるを得ず、(売上の集計について)管理をする上で大きな課題と感じていた部分でした。
薬局業界ならではの事情を解決できたPOS+ の機能。
――薬局業務は、通常の小売業務とは異なる部分も多いと思います。ポスレジの選定、POS+ 導入にあたっては、この業界ならではの事情も勘案する必要があったのではないでしょうか。
はい、調剤薬局は基本的に保険での扱いになるので、非課税です。ですから、レジも非課税が扱えるというのが最低条件になります。実はこの機能がないポスレジが案外多いのです。また、保険によって、同じ商品でもお客様が支払う金額はそれぞれ異なります。たとえば、一般的には3割負担ですが、高齢者の場合は1 割負担。労災であれば、本人負担はありません。また、人工肛門のストーマ装具のように行政から補助金が出るものもあります。この場合は、売掛の処理が必要になります。その他、社員購入時の処理など、さまざまな機能が必要になるのですが、そのすべてをクリアしていたのがPOS+ でした。
――実際に導入してみて、使い勝手はいかがでしょう。また、見えてきた課題はありますか?
操作については、今はまだ慣れていく段階です。POS+ の営業担当者のフォロー、レスポンスが早いので、そのあたりは助かっています。今までのレジは、“電卓”と同じなので、金額を入れ、部門を入れ、小計を押すだけ。当たり前ですが、手数は少なくてすみました。POS+ は、それに比べたら手数が多いですから、導入当初は「少し面倒」と感じたスタッフもいたようです。調剤の会計は、JAN コードの発行が出来ないためバーコードリーダーが使えないということもあります。ただ、次第に操作に慣れてくるでしょうし、商品、スタッフの動きの流れも見えてきて、棚卸し作業の省力化もされるので、効率の実感を持てるようになると、現場でのモチベーションも上がってくるのではないでしょうか。
“見える化”した情報をどう活かすかが、 次のステップ。
――POS+ 営業からのフォローはいかがですか?
実は、POS+ に決めた理由のひとつは、そこにあります。正直、ポスレジを導入しようと検討にはいるまで、POS+ を含めほとんどの製品は、名前も知りませんでした。まず、Web で数社を検索して、製品を実際に見比べてみて、POS+の機能が私たちの望んでいるものに近いことがわかりました。そこから、いくつかのメーカーから話を聞く中で、最もレスポンスがよく、コミュニケーションがとれたのがPOS+ でした。導入後も、担当営業の方にはお電話やメールで頻繁にやり取りさせていただいています。昨日も、こちらに来ていただいて、今後の課題についていろいろ話し合いました。たいへん助かっています。
――では、最後にその「課題」について、少しお聞かせいただけますか?
商品の流れ、お金の流れが見えてきたところで、今後は、その情報をどう活かすか。スタッフにどのように還元していくか、が課題だと思っています。そこをきちんとやりながら、品揃えの精度を上げていきたい、坪効率を上げていきたいと考えています。
今日はお忙しいところ、ありがとうございました。