アルバイトの募集を行う際、不採用になった応募者をどのようにお断りすべきなのでしょうか? 不採用というネガティブな告知をすることで、応募者を怒らせてしまったり、お店のイメージダウンにつながってしまったりというマイナス面も考えられます。
本記事では、アルバイトの不採用を上手に告知する方法と、不採用通知を送る際のポイントなどをまとめてご紹介します。
不採用通知を送るタイミング
一般的なアルバイトの選考方法は、まず面接を行い、採用・不採用が決定したら結果を通知するという流れです。採用・不採用に関わらず、面接から1週間以内には通知を送りましょう。あまり長く待たせると、応募者がほかのアルバイトを探す時間を奪ってしまうことになりますので、できるだけ速やかに通知するのが望ましいです。
応募人数が多い、募集期間が長いなどの事情で1週間以内に送れない場合は、目安の期間を面接時に伝えておくと応募者も安心できるでしょう。
アルバイト応募者の断り方
アルバイト応募者に対し、採用を断る場合の通知方法は、「メール」「電話」「郵送」の3つがあります。それぞれの方法や注意点について知っておきましょう。
メールの場合
不採用通知をメールで通知する場合は、次の項目を記載し、店舗の公式メールアドレスから送付します。公式アドレスがない場合は、できるだけ従業員ではなく、店長やオーナーの個人アドレスから送りましょう。
- タイトル
- 送付した日付
- 会社名・店名
- 応募者のフルネーム
- 冒頭のあいさつ文
- 不採用の旨
メールタイトルは、「不採用通知」ではなく「選考結果のご連絡」とします。メールタイトルで不採用を知らせるのはマナー違反です。冒頭のあいさつ文では、数あるアルバイト募集の中から自店を選んで応募してくれたこと、わざわざ時間を割いて面接に参加してくれたことへのお礼を述べます。この一言があるかないかで、応募者に与える印象がだいぶ変わります。
また、不採用を告げる部分はストレートに書くのではなく、「残念ながら今回の採用は見送らせていただくことになりました」「貴意に添いかねることとなりました」など、遠回しな表現にします。メールでの通知はスマホで読む人も多いと思われますので、長文にせず、適宜改行を入れながら読みやすくしましょう。
電話の場合
不採用通知を電話で行う場合は、まずは店名や代表者の名前を名乗り、いま相手が話せる状況かどうかを確認します。そして、メールと同様に応募してくれたことへの感謝を伝えた上で、不採用の旨を述べます。
電話では、メールほどかしこまった言い回しにする必要はありませんが、「残念ながら、今回はご希望に添えない結果となりました」と丁寧に伝えましょう。口頭の方が感情を込めやすいため、不採用を心から残念に思っているという気持ちを伝えることができるのが、電話のメリットです。
ただしここで「面接で●●と言ったのが気になった」など、本当の不採用の理由を告げるのはよくありません。話の流れでついしゃべり過ぎてしまうことがあるため、用件を伝えたら速やかに電話を切るようにしましょう。
郵送の場合
不採用通知を郵送で送る場合は、記載する内容はメールの場合と一緒です。差出人は会社名&代表者名か、店名のいずれかにしましょう。便箋のサイズは何でもかまいませんが、必ず一枚に収まるように記載してください。
また、「不採用の場合は履歴書を返却する」と取り決めている場合は、不採用通知の封書に履歴書を同封することができるので二度手間を防げ、便利です。
不採用通知を送る際のポイント
不採用通知を送る際に失礼にならないためのポイントとして、下記の3つを押さえる必要があります。
- 応募者の立場を思いやる
- 店舗側も試されている意識を忘れない
- 応募者が今後もお客様として利用することを想定する
応募者の立場を思いやる
自分が選考で落とされたという事実は、応募者を落ち込ませるものです。そこで「応募者多数のため、大変厳しい選考になってしまいました」など、やむなく不採用にしたことを伝えておくと、応募者を必要以上に傷つけずにすみます。不採用通知を送る際はぜひ応募者の立場を思いやるようにしてください。
また、あてにしていたアルバイトが決まらなかったということで、困っている応募者を救済するために、別の仕事を紹介するのも手です。「自店では採用に至らなかったが、系列の別店舗で受け入れてもらえる可能性がある」という場合などは、積極的に情報を伝えしましょう。
不採用者にもきめ細やかな応対をすることは、お店のイメージアップにもつながり、円満に採用活動を終えることができます。
店舗側も試されている意識を忘れない
アルバイトに応募するということは、普段からその店を知っていて、しかも好感を持っている可能性が高いもの。お店のファンにとって、店の内情を知れるというシチュエーションは興味がわくはずで、細かくチェックされることが想定されます。
「店内はキレイに見えていたけど、バックヤードに入ったら乱雑で驚いた」「普段は愛想よく接客してくれたスタッフが、採用時には横柄な態度だった」などといった悪印象を持たれないよう、応募者の視点からお店はどう見えているのかを常に意識するようにしましょう。
応募者が今後もお客様として利用することを想定する
前述したように、アルバイトの応募者はもともとお店のお客様であるケースが多く、採用時の対応が悪ければ、その後客として訪れることもなくなってしまうおそれがあります。万が一不採用になった後も良い関係を続けられるよう、誠意を持って採用活動に当たりましょう。
不採用になった応募者自身が気まずくなってお店に来なくなる、ということももちろん考えられます。不採用通知の際には「これからもお客様としてお待ちしています」「また食べに来てくださいね」といったメッセージを添えてみてもいいでしょう。
不採用者の履歴書は速やかに破棄する
アルバイト応募の際に提出してもらう履歴書は、住所・氏名・本籍地・学歴・犯罪歴など、個人情報が満載された書面です。採用されればそのまま店側で保管することになりますが、不採用時の取り扱いについては、面接の時点ではっきり決めておく必要があります。
多くの店舗では「不採用時は応募者に返送」もしくは「店側で責任を持って破棄」としています。破棄する場合はそのまま捨てるのではなく、必ずシュレッダーにかけて個人情報を守るようにしてください。万が一、個人情報が流出するような事態になれば、お店の信頼にかかわりますので、取り扱いには細心の注意を払いましょう。
また返送すると決めた場合は、先に述べた通り、不採用通知と同封して送る方法が一番確実でスムーズです。
まとめ
店舗経営にアルバイトスタッフの存在は欠かせませんが、やむなく不採用にした場合は、通知の仕方にくれぐれも気をつけてください。非礼な対応をしてしまうと、応募者はお店に不信感を抱き、SNSなどでネガティブなコメントが拡散されるおそれもあります。「アルバイト応募者はお店のファン」という意識を忘れずに、適切な対応を取るようにしてください。
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よくある質問
採用・不採用に関わらず、面接から1週間以内には通知を送りましょう。あまり長く待たせると、応募者がほかのアルバイトを探す時間を奪ってしまうことになりますので、できるだけ速やかに通知しましょう。
非礼な対応をしてしまうと、応募者はお店に不信感を抱き、SNSなどでネガティブなコメントが拡散されるおそれもあります。「アルバイト応募者はお店のファン」という意識を忘れずに、適切な対応を取るようにしましょう。