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2020.11.27
法律・制度

源泉徴収されたら確定申告が必要な理由~個人事業主が還付金を受け取れる仕組み

確定申告を行うことで源泉徴収税の戻りとして還付金を受け取れるケースがあります。本記事では、源泉徴収とはなにか、また、源泉徴収による還付金を受け取るための仕組みについて説明します。

源泉徴収とは

源泉徴収とは、給与や報酬、利子・配当などを支払う側が、支払いの際に所得税額を計算して、税金額を支払金額から差し引くことをいます。支払い側は、このとき差し引いた所得税を国に納付します。

毎月給与を受け取る企業の社員だけでなく、法人成りした個人事業主が自分に給与を支払う際や、企業が個人事業主に仕事を発注した際にも源泉徴収が行われています。

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個人事業主の報酬が源泉徴収される場合

個人事業主の報酬が源泉徴収されるケースは次の通りです。

  • 原稿料や講演料など
  • 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
  • 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
  • ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
  • プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  • 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

参照元:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」

このように、源泉徴収はさまざまな業種の個人事業主に対して行われています。

源泉徴収票を持っている場合の確定申告

源泉徴収票は、企業が各従業員に対してどれだけの給与や賞与を支払ったのかなどを記載した法定調書の一つです。源泉徴収票は、企業が1年の間に給与等を支払った従業員全員に交付します。

個人事業主が途中で法人化した場合、年の途中より自分の会社から給与を受け取るようになります。自分の会社から自分に支払う給与であっても、源泉徴収票の発行が必要です。この場合、個人事業主のときの所得は事業所得に、法人成りした後に受け取る給与は給与所得として区分します。

また、年の途中で勤めていた会社を退職して起業した場合も、自分の会社から自分に対して支払った給与に関する源泉徴収票を発行します。

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源泉徴収票を用いた確定申告の書き方

源泉徴収票を用いた確定申告の書き方

個人事業主が年の途中で法人成りをしたとき、個人事業主として所得があった期間は個人事業主として確定申告を行い、法人設立から法人の事業年度終了までの期間は法人として事業年度終了から2か月以内に決算・申告を行います。

確定申告は1年分の収入等を税務署に申告するものなので、法人成りまでの期間は事業所得、法人成りした後は給与所得として申告書に記入します。

収入金額・所得金額に給与収入・所得を記入

個人事業主用の申告書である「申告書B」の「収入金額等」の「カ 給与」の欄に、源泉徴収票の「支払金額」を写します。「所得金額」の「⑥ 給与」の欄には、源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」を記入します。

控除欄に社会保険料控除を記入

法人化すると、国民健康保険・国民年金ではなく社会保険に加入します。給与から差し引いて支払った社会保険料の額を記入しましょう。「所得から差し引かれる金額」の⑩の欄に、社会保険料控除の額を記入します。

税金の計算欄に源泉徴収税額を記入

「税金の計算」の「㊹ 源泉徴収税額」の欄に、源泉徴収された税額を記入します。給与以外にも源泉徴収された報酬等があったときは、報酬を支払った側から送られてくる支払調書で源泉徴収税を確認し、それらの額の和を記入しましょう。

この手順で確定申告書に源泉徴収票を書き写し、確定申告を行うことで所得税が還付される可能性があります。

確定申告後に戻ってくる還付金の計算方法

給与から天引きして支払っていた所得税や、源泉徴収の対象となる報酬を受け取る際に差し引いていた源泉徴収税がある個人事業主は、確定申告後に還付金を受け取れる可能性があります。

この還付金は、事前に支払っていた税の総額が、実際の所得から算出される所得税の額を上回っていたときに発生するもので、事前に支払っていた税の総額が実際の所得から算出される所得税の額を下回る場合には不足分を所得税として支払わなければなりません。

還付金は、「源泉徴収税額-所得税額」で算出できます。

たとえば、個人事業の報酬から差し引かれていた源泉徴収税が年間で60万円、給与所得から所得税として差し引かれていた額が2万円あったとします。確定申告の際、収入から各種控除を行った結果、支払う所得税は20万になりました。

この場合、「源泉所得税額(60万円+2万円)-所得税20万円=還付金額42万円」となります。

まとめ

源泉徴収の対象となっている個人事業主や、個人事業を途中で法人にした方は、還付金を受け取れる可能性があります。通年個人事業主として事業を営んでいる方も、年の途中に個人事業主から法人成りした場合も、個人事業の部分に対する確定申告が必要です。

事業の内容等によっては、多額の還付金を受け取れることもあります。確定申告時には、源泉徴収税額の欄に忘れず記入しましょう。

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