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2020.11.27
法律・制度 経営

飲食店の減価償却とは?耐用年数や計算方法について徹底解説

確定申告で、減価償却の計算に毎年頭を悩ませる経営者も多いのではないでしょうか。購入した資産の金額によって減価償却の計算方法は変わります。減価償却とは何なのか、なぜ減価償却を行う必要があるのかを解説します。

減価償却とは

減価償却とは、事業で使用する資産を取得したときに、取得するために要した費用を耐用年数に応じて費用計上する会計処理のことをいいます。

  • 使用可能期間(耐用年数)が1年以上
  • 取得価額が10万円以上

対象となるのは、使用可能期間が1年以上かつ取得金額が10万円以上の機械や器具備品、建物、設備等です。10万円未満のものや耐用年数が1年未満のものは消耗品として会計処理をします。

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減価償却の目的

固定資産を利用して利益を得ている期間が10年あったとして、購入した年にしか資産の購入費用を経費計上できなかったとしたらどうでしょうか。購入した年は経費が膨らみすぎて赤字になり、翌年以降は経費が少なすぎて黒字になりすぎてしまうなど、実態に見合わない会計処理につながってしまいます。

「費用収益対応の原則」の考えのもと購入した資産を事業に利用した期間に応じて、購入費を毎年少しずつ経費とすることで、毎年の利益を正しく計上できるようになるのです。

飲食店が減価償却を利用すべき理由

飲食店が行う減価償却には次のようなメリットがあります。

  • 節税効果が得られる
  • 資産評価に活用できる

減価償却を行うことで、購入した年以降の数年は、その資産の購入費を資産として計上できるようになります。

また、資産の現在の価値を計る際にも、減価償却の計算が役立ちます。耐用年数に応じて目減りする資産の現時点での具体的な価値は、購入したときの価格からこれまでに計上した減価償却費を差し引くことで、簡単に計上できます。

飲食店における減価償却の対象

飲食店における減価償却の対象

飲食店で減価償却できる資産には次のようなものがあります。

  • 内装工事
  • 厨房機器

店舗の内装工事の減価償却では、内装工事にかかった費用を一括で減価償却するのではなく、工事の請求明細ごとに法定耐用年数を割り出して減価償却を行います。木造・合成樹脂造は20年、給排管やガス設備は15年など、細かく法定耐用年数が定められているので、国税庁の耐用年数表を参考に、モノに応じて減価償却を行いましょう。

10万円以上の厨房機器も減価償却が可能です。業務用のフライヤーや冷蔵庫、会計処理に使うパソコン、客席に設置するデジタルデバイスやテレビなども、10万円以上の場合は減価償却できます。

厨房機器も同様に、法定耐用年数が定められています。こちらも国税庁のページから確認しましょう。

国税庁の耐用年数表はこちらをご覧ください。

減価償却の計算方法

減価償却の計算方法には、定額法と定率法の2種類があります。

  • 定額法
  • 定率法

定額法は、減価償却をする固定資産の購入代金を、一定額で法定耐用年数の期間償却する方法のことをいいます。定率法は、毎年末の償却金額から一定の割合で資産を償却していく方法です。

減価償却を行うときは、この2つのどちらかを選択して経費計上を行います。ただし、減価償却を行う資産の種類によっては定額法しか選べないものもある点に注意しましょう。

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定額法

たとえば80万円のガスレンジを購入したとき、定額法で減価償却を行うと、法定耐用年数の8年で80万円を償却していくので、1年あたりの償却額は10万円となります。定額法による償却費は、「取得価額×定額法の償却率」で算出できます。

定額法の償却率についてはこちらをご覧ください。

定率法

定率法で減価償却を行うと、購入した年の償却額がもっとも大きく、翌年以降次第に小さくなっていきます。ただし、定率法では定率法の償却率を用いて計算した償却額が、「償却保証額」に満たなくなった年以降は毎年同額で償却します。

定率法の減価償却は、「未償却残高(購入年は取得価額)×定率法の償却率」の計算式で導き出します。償却額が償却保証額に満たなくなったら、以降は「改定取得価額×改定償却率」で計算します。

償却保証額は、「取得価額×耐用年数に応じた保証率」で算出できます。

償却率、改定償却率、耐用年数に応じた保証率はこちらで確認してください。

なお、定率法で減価償却をする旨を税務署に届け出ていたものの、会社が赤字決算になりそうで今年度に計上する経費を抑えたいときは定額法に変更することができます。反対に、黒字が大きく今年度はなるべく経費を計上したいときは定額法から定率法に変更できます。

ただし、変更するためには税務署にて変更手続きを行う必要があります。

まとめ

固定資産を減価償却することで、事業の利益と費用を正しく計上できるようになります。減価償却によって節税効果も期待でき、設備等の資産評価も容易になるでしょう。正しい計算方法を覚えて、減価償却費の処理を間違いなく行えるようにしておくと、決算時に慌てずに会計処理ができます。

●内部リンク

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