2021.04.07
POS 店舗管理

小売サプライチェーンの課題とSCMの効果について徹底解説

小売業界において、サプライチェーンの各プロセスは、ビジネスの根幹を成す最重要事項です。

こちらでは、小売業界が抱えるサプライチェーンの課題を掘り下げ、SCM(サプライチェーン・マネジメント)による課題解決方法や、SCM実現のために構築すべきシステムなどについて解説していきます。

サプライチェーンとは

サプライチェーンとは、原材料の調達から製造、輸送、消費者への販売に至るまでの、全体の流通プロセスのことです。商品の供給に関わる一連の流れは、下記のような工程が鎖のように連携しているため、「サプライチェーン(供給の連鎖)」と呼ばれています。

  1. 調達
  2. 製造
  3. 在庫管理
  4. 配送
  5. 販売

これらサプライチェーンの各プロセスは、ひとつの組織だけで担うことは少なく、プロセスごとに運用する企業が異なることが一般的です。

一方、企業がマーケティング戦略を練る際には、消費者から届く情報が欠かせません。商品を購入してくれた消費者の口コミや、POSシステムによって吸い上げられる購買データなどの情報は、サプライチェーンとは逆方向に流れます。つまり、販売の時点から遡って製品の生産者へと流れていくことになり、お金の流れも同様に、消費者→販売者→生産者へと移っていきます。

サプライチェーンを理解するには、「製品・商品の流れ」と「情報・お金の流れ」は真逆になる、という点に留意することが重要です。

小売業界におけるサプライチェーンの課題

小売業界におけるサプライチェーンの課題

現在の小売業界におけるサプライチェーンには、さまざまな課題が存在しています。

  • 過剰在庫と欠品の発生
  • 在庫のリアルタイムの把握が難しい
  • リードタイムが長い

過剰在庫と欠品の発生

まず一番の懸念となるのは、商品を仕入れたものの、販売に結びつかず在庫として積み上がってしまう「過剰在庫」の発生です。過剰在庫が発生すると、値引きをして在庫を減らさざるを得ず、値引き分だけ利益を損失することになってしまいます。

これとは逆に、消費者の求めている商品が、必要なときに在庫として存在しない「欠品」も起こりがちな問題です。欠品はせっかくの販売機会を失うことであり、同時に顧客からの信頼をも失墜しかねません。

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在庫のリアルタイムの把握が難しい

過剰在庫や欠品といった問題が発生してしまうのは、在庫状況をリアルタイムで把握できていないからです。まずはここを改善するのが先決となります。さらにインターネット通販も行っている場合、Web画面上と実際の現場の在庫状況確認の連携も必須となるでしょう。

リードタイムが長い

サプライチェーンの各プロセス間での連携の不備も課題となっています。

販売プロセスでは、店頭での欠品を避けるため、商品を供給する製造・配送のプロセスに納品期限を厳しく定めがちです。そのため製造・配送のプロセスでは、いつでも納品ができるよう、バッファを持たせて在庫を保有するようになります。

売り手市場の時代では、このようなやり方が正しいとされてきましたが、現代は消費者のニーズが多様化しており、在庫がはけるまでのリードタイムは年々長くなっています。バッファ分の在庫がそのまま“死蔵在庫”となるリスクも懸念されるため、サプライチェーンの早急な見直しが必要になってくるのです。

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サプライチェーンの課題を解決する「SCM」

サプライチェーンの課題を解決する「SCM」

このようなサプライチェーンの課題を解決するため、SCM(サプライチェーン・マネジメント)という管理手法が注目を集めています。SCMは「組織や企業を超えて、サプライチェーン全体を管理する」という考え方から生まれたもので、製造から販売までの一連の流れを管理・把握することで、生産量や在庫量を総合的に判断できるようになるのです。

原材料の調達から販売まで連なるサプライチェーンの各プロセスは、それぞれ個別の組織や企業であるため、管理がばらばらで統一されていないという欠点がありました。そこでSCMの概念を用いることで、全体を俯瞰してサプライチェーンを最適化。結果としてコストや手間を削減できるというわけです。

SCMがもたらす効果

SCMがもたらす効果やメリットには、大きく次の3つが挙げられます。

  • 過剰在庫・欠品の削減
  • リードタイムの短縮
  • 経営判断への情報活用

過剰在庫・欠品の削減

SCMの実行による代表的なメリットは、過剰在庫や欠品を減らせることです。

SCMでサプライチェーン全体を捉えられるようになれば、前後のプロセスの進捗を把握でき、無駄を省ける工程がないか、容易に検討できるようになります。バッファを持って過剰な在庫を抱える必要もなくなり、同時に欠品も起こさずに済むでしょう。

過剰在庫がなくなれば、倉庫管理費も抑えられ、ゆくゆくは倉庫自体を持たなくてもよくなるかもしれません。

リードタイムの短縮

特定のプロセスの開始から終了までの時間を指すリードタイムは、製造の開始から終了までが「製造リードタイム」、販売の開始から終了までが「販売リードタイム」と呼ばれます。SCMにより各プロセスが効率化することは、リードタイムの短縮につながります。

また、リードタイムが短くなることで、各プロセスの意思決定が迅速になり、消費者のニーズに即応した在庫管理が可能になります。

経営判断への情報活用

SCMの実行で意思決定のスピードがアップすることで、経営判断にも好影響を与えてくれます。小売業の根幹を担うサプライチェーンを最適化できれば、機会損失が削減され収益化の効率も上がるため、売上向上に貢献してくれることは明らかです。

各部門が連携するシステムの構築がポイント

各部門が連携するシステムの構築がポイント

SCMの実現には、各部門間が連携できるシステムの構築が重要になってきます。一般的な小売業におけるそれぞれの部門で、構築すべきシステムは以下の例の通りです。

  • 企画本部:MD計画システム(一部需要予測や発注数を決定)
  • 生産部門:生産管理システム(製造に関わる仕様書や画像データを保管、製造工程を管理)
  • 物流部門:動態管理システム(車両や現場担当者の状態をリアルタイムで記録・管理)
  • 販売部門:POSシステム(販売情報をリアルタイムで記録・管理)

MD計画システム

MD(マーチャンダイジング)計画システムは、消費者のニーズや消費行動を分析し、需要予測を行って、発注数を決めるための機能を持ち合わせています。

そもそもMD(マーチャンダイジング)とは、消費者の欲求や要求を満たす商品を、適正価格で必要な分だけ、最適なタイミングで提供するための企業活動を指す用語です。MD計画システムは、こうした活動を支援するためのもので、商品企画段階では欠かせないシステムとなります。

生産管理システム

製造現場で起こりがちな課題解決に特化したものが、生産管理システムです。生産管理システムは、製造業における「モノの流れ」と「情報の流れ」を一元管理するシステムで、効率的かつ精度の高い生産管理を実現。業務フローを最適化します。

製造現場では、「納期」「在庫」「製造工程」「原価」の4つを重点的に管理する必要がありますが、生産管理システムでは、これらを総合的に管理することができるのです。

動態管理システム

動態管理システムとは、物流の現場において、車両や担当者の状態をリアルタイムで記録・管理できるシステムのことを指します。GPS機能などの活用で、管理者は車両の動向をリアルタイムに把握でき、必要に応じて発動や帰還などの指示を送ることが可能になります。

従来は、高価な車載端末などを搭載したシステムが一般的でしたが、現在はスマホで動態管理ができるアプリや、OBD-IIコネクタやシガーソケットに小型デバイスを接続することで車両位置を把握できるサービスも登場しており、クラウド化が進行しています。

POSシステム

POSシステムの「POS」とは、「Point of Sale(販売時点)」を略した用語です。レジで商品バーコードを読み取るだけで、「何が・いつ・どこで・いくらで売れたのか」をデータとして取り込むことができ、すべての商品の売上実績を、販売が発生した時点で個別に管理することが可能になります。

POSシステムを搭載したレジはPOSレジと呼ばれ、売上状況や顧客情報の管理をリアルタイムで行うことができます。

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販売部門におけるPOSシステム導入は必要不可欠

販売部門におけるPOSシステム導入は必要不可欠

サプライチェーンにおいて、売上や顧客に関する情報は下流から上流へと逆方向に流れることは、前述した通りです。よって、最下流に位置する「販売部門」でまず情報を吸い上げることが重要であり、そのためにもPOSレジシステムの導入はマストの施策となるでしょう。

「POS+」は、売上データから顧客情報までを1台のタブレットで一元管理が可能。豊富な分析機能も備えており、効率的な情報収集を強力にサポートいたします。使い慣れたタブレットデバイスを用いたシステムのため、初めてのPOSレジ導入であっても、簡単に操作いただけます。

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まとめ

貴社のサプライチェーンが抱えている課題を解決するには、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の考え方は必須になってきます。そして、SCMの成功にはPOSレジシステムが欠かせません。SCMならびにPOSレジの導入をぜひご検討ください。

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