日本生産者食堂KABEAT
日本橋兜町のランドマーク「KABUTO ONE(カブトワン)」の1Fに、2021年12月にオープンした日本の生産者を応援する食堂「KABEAT(カビート)」は、こだわりの生産者と独創的な料理人が、ジャンルを超えた旬のメニューをお届けするフードダイニングです。
店舗名の「KABEAT」は”KABUTO × EAT”の造語で、カビートと読み、「兜町」「食」「株」の3つの意味を持たせています。
店舗は大空間で臨場感ある食堂スタイルで、先鋭的でありながらも大衆の雰囲気も漂う街の拠点になるようなレストラン。
兜町で働くビジネスパーソンを中心に、ご年配の方やご家族連れから若者まで、常に賑わい、人とのコミュニケーションがある場所になっています。
今回は、日本橋兜町の街の活性化の拠点を担うレストランKABEATの立ち上げから運営に携わられている株式会社GREENING 企画運営本部 企画部 開業開発グループ 長江勇登様にお話を伺いました。
コンセプトは、賑わいと人とのコミュニケーションがあるレストラン。 食を通じた街づくりから、日本橋兜町茅場町を再活性化へ。
――日本生産者食堂KABEATの概要を教えてください。
長江:街の再開発を目的とした「日本橋兜町茅場町再活性化プロジェクト」のリーディングプロジェクトの一環として、兜町に「食を通じた再活性化」を担うために立ち上げました。
長江:兜町周辺は元々、金融街として日本の経済の中心を担う賑やかなエリアでした。
しかし、株式取引の電子化など時代の変化と共に、労働人口が減少。スマートで最先端な技術を用いた街に変化した反面、活気や賑やかさが減った街になってしまいました。
そこで今回、平和不動産株式会社様と共に、弊社が掲げる食や文化を通じた街づくりに取り組み、食を通じた再活性化のプロジェクトを実現させました。
――レストランのコンセプトはなんですか?
長江:「食を通じた街づくり」をコンセプトに賑やかさをプラスする役割を担います。
――街の開発段階から参加されたそうですね。
長江:日本橋兜町茅場町の「街」の再開発のコンセプトを考える段階から参加させていただきました。その中で歴史や文化と今後の展望を踏まえてレストランの方向性を定めました。
長江:この再開発の大規模プロジェクトには、3つのフェーズがあります。
初めのフェーズでは、K5(ケーファイブ)という日本橋兜町のシンボルとなる複合施設が立ち上がり注目を集めるようになりました。そこに5つの著名な店舗を誘致し、認知拡大につながりました。最後の3つ目のフェーズでは、KABUTO ONE(カブトワン)という、兜町に新たなランドマークとなる複合ビルができました。
その1階にある200坪220席のオールディダイニングを、弊社が一気通貫で開発、運営を行っております。
――レストランの目指す姿は、どのようなものでしょうか?
長江:街のインフラになるようなレストラン。賑わい、人とのコミュニケーションある場所です。店舗は、ご年配や家族連れが利用できる大衆的な雰囲気もあり、若者がおしゃれなランチを楽しめる場所としても活用できる、色々な層に楽しんでいただけるデザインになっています。
平日はビジネスランチでご利用される方で賑わいますが、最近では街の再開発から、週末にこの街へ遊びに来られる方も増えています。ベビーカーをご利用されているご家族連れの方もいらっしゃり、ターゲットは広がっています。
飲食業界におけるDXの「ファーストペンギン」になるために、 POS+(ポスタス)のサービスを導入し成功事例を作っていきたい。
――KABEATはコロナ禍のオープンということで、何か影響はありましたか?
長江:今回のプロジェクトは、私たちがやってきたプロジェクトの中では一番大きく、かつコロナ禍ということも相まってチャレンジばかりでした。
お店のコンセプトや料理、人のマネージメントはもちろんですが、デジタルとの融合で無駄のない人員配置と温かみのあるサービスをご提供することに注力しました。
――現在、導入しているサービスはなんですか?
長江:レジシステムはPOS+ food。オプション機能で、POS+ OES、
POS+ self order、POS+ selfregi、ステラを利用しています。
基本はお客様にモバイルでオーダーをいただく、POS+ self orderと、お会計もお客様ご自身で行っていただくPOS+ selfregiを導入しています。
スタッフがオーダーをとるハンディーも導入しているので、状況を見て臨機応変に対応できるようにしています。
また、セルフレジが混雑している際はキャッシュレスに対応できるStera※も導入しています。
※Stera:次世代決済プラットフォーム「stera」のオールインワン端末に、クラウド型POSレジ「POS+」が対応
――サービスを導入されて良かった点、また改善点などお聞かせください。
長江:まずPOS+(ポスタス)を導入してサービスやオペレーションを良くしたいというのが前提で、飲食業界DXという大海のファーストペンギンになる。という想いがあります。
ファーストペンギンとは、ペンギンの群れの中で未知の海に最初に飛び込む1匹目の姿から、先駆者・冒険者を意図していますが、飲食業界、外食産業はテクノロジーが参入しにくいと言われている中で「DXの海は怖くないよ。飲食業でもテクノロジーを活用できるよ」。ということをPOS+(ポスタス)と一緒に成功事例を作り、私たちの業界に発信していきたい。
そして、飲食業界を盛り上げ、外食産業の価値向上をしていきたいという想いがあります。その最初の一つに、ポスレジやセルフオーダーの活用がありました。
長江:POS+を導入して良かった点は、セルフレジに特化したPOS+のサービスだからこそ、様々な場面に柔軟に対応できる事です。
例えば、食券機のディスプレイの管理画面はもっと直感的に操作できることが必要なんじゃないか?呼び出しが店内に1箇所にしか使えない。など、大型店になった場合はどうする?という改善したい事例に耳を傾け対応していただいております。
――現在、オープンから1年ほど経ち(※取材当時)徐々にオペレーションが落ち着いてきているかと思いますが、お店の規模が大きくなったことなどで見えた課題はありましたか?
長江:これまでは規模のランチ前にQRコードを配置しておく際、出てくるプリンターが1箇所だけしかない。など幾つかありました。その様な課題をシステムの方とお話しして解決しようとしています。
「人員削減のためのDX」ではなく、これまでのオペレーションをスムーズにデジタル化することスタッフはサービス向上に専念できる環境・時間をつくるというように考えて改善をご一緒させていただいています。
※株式会社GREENING様は、他ブランドレストランにおいても
POS+ プロダクトをご活用いただいております。
GARDEN HOUSE様の導入事例
――サービスを導入してみて、人件費や人事売上高など経営指標にプラスになった部分はありますか?
長江:私たちは開業の段階でPOS+(ポスタス)のサービスを導入することが多く、過去との比較ができず数値化が難しいのですが、サービスを導入していなかったら、お会計に人員を数名割かなければならなかったので、その分サービスが疎かになったり、コンセプトが伝わりづらかったのかな。などがあることがわかりました。
それが、サービスを導入することで、1回の初期投資だけで半永久的にサービスが向上でき、かつ人件費が削減できると考えると導入することは必然かと思います。
例えば、機材100万円の投資を人件費と対比させた場合、時給1200円のスタッフがランチタイムに6ヶ月働いた場合のコストとほぼ同じと計算できます。
レジ人員を配置が不要となるセルフレジを活用するとすれば半年で元をとることができるという計算です。
無駄が省けて人件費を削減できるので、100万円でも投資をするべきだと思います。
――POS+(ポスタス)を導入されて、他社と違う点はございますか?
長江:具体的なサービスもそうですが、一番は人の力が大きいです。企業全体で寄り添ったサービスを提供してくれる。営業の方が、私たちの無理難題に耳を傾けてくれることと、コミュニケーションのスピードと熱意が凄いです。
単に製品を使いたいというよりは、POS+(ポスタス)と共に製品を作り上げていきたいと感じます。そために、今後もコミュニケーションをしっかりとって、人の力を適切な所に注力させることや、管理報告、様々な所にデジタルやIoTを活用していければと思います。
――POS+ order & payとPOS+ noticeを導入予定とお伺いしました。
長江:お客様に事前予約をモバイルでしていただき店頭で受け取るというようなテイクアウトのオペレーションを実施するために最適のソリューションだと考えています。
POS+ foodをコアに拡張させていくことができるため管理面でも工数抑制につながります。これからもPOS+のサービスを導入していき、もっとデジタルの要素を取り入れ飲食業界でのファーストペンギンを体現していければと思っております。
――今後の出店のご予定は?
長江:2022年春に神奈川県由比ヶ浜に、泊まる・食べる・結婚(Stay,Wedding,Restaurant)の3つをコンセプトとしたGARDENHAUSEブランドの集大成である施設を開業いたしました。そのレストラン部門で導入するPOS+(ポスタス)のプロジェクトが進んでいます。
2023年6月に、静岡県沼津市にスマートラグジュアリーホテル【沼津倶楽部】を開業予定です。
3000坪の広大な敷地の中、有形文化財に登録されている庭園と建築、料理、宿泊を楽しめる施設となっており、古き良き趣きと、見えない部分に最新のテクノロジーを融合させ、価値のある開業開発をおこなっていければと考えております。
また、2023年冬のラグジュアリーホテル内のダイニング開業や、それ以降にも2,3年先のプロジェクトも進んでいますので、そちらも一緒に協業していきたいと思います。
――貴重なお話、ありがとうございました。