2021.01.13
店舗管理 経営

商圏とは?商圏分析の方法や決め方について徹底解説

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小売業、飲食業、サービス業などを経営するうえで、「商圏」という考え方は欠かせないものです。業種を問わず、新店舗を出店する際や既存店舗の売上を伸ばすためには、商圏の把握と適切なマーケティングが非常に重要になってきます。

本記事では、商圏を分析・調査する手法や、商圏の分析結果の活用方法などを紹介します。

商圏とは

商圏とは、自らが経営する店舗に足を運んでくれる顧客が住んでいる範囲を意味します。エリアマーケティングにおいては非常に重要な概念で、商圏の把握は店舗ビジネスの基本であり、かつその成否に大きな影響をもたらすものです。

商圏の範囲はその店の業態、ターゲットとする地域の人口動態、消費者の移動手段や経済状況、競合店の存在などによって変化します。

一般的な商圏の範囲は、店舗を中心とした「半径●km」といった半径の距離で表わされることが多く、顧客の移動手段によってもその範囲は変わります。車や自転車でしか来れない場合は、移動手段を持たない顧客は来店することができないため、商圏は狭くなりがちです。

また、「10分」あるいは「30分」というように移動に要する時間で商圏を表すケースもあり、駅前の店舗であれば電車利用の顧客が大半を占めるため、商圏は大きく広がります。

都市部か地方か、交通公共機関が使えるか、駐車場の有無、エリア居住者の年齢層などの違いによって、それぞれ商圏となる距離や時間などは変動するのです。

商圏分析の目的

商圏分析の目的

商圏分析を行う主な目的には、下記の3つがあります。

  • 売上予測
  • 顧客分布の可視化
  • 販促エリアの確定

売上予測

商圏分析によって、その場所に出店することでどれくらいの売上が見込めるのか、前もって予測することが可能になります。出店エリアの立地や既存店・競合店分析を行うことで、ある程度の精度を有する売上予測が行え、フランチャイズ展開をする際の戦略立案にも役立ちます。

なお、商圏分析ソフトを利用すれば、候補物件周辺の人口や世帯数などを自動集計でき、簡単に商圏を調査できます。手間と時間をかけずに出店可否の判断材料を取得できるため、デジタルツールを上手く取り入れるとよいでしょう。

顧客分布の可視化

商圏を正しく把握し、ポイントカードやPOSデータなどの顧客情報を地図に反映することで、自店の優劣エリアを可視化できます。

商圏内のどのエリアからの集客が多く、逆にどのエリアが弱いのかが明らかになれば、戦略も立てやすくスピーディな弱点補強も可能です。商圏分析を行うことで、顧客の動向をより掴みやすくなり、効率的な販売促進や店舗開発につなげることができます。

販促エリアの確定

折込チラシ・DMなどのポスティングで注力すべきエリアが明確になることも、商圏分析を行う大きな目的のひとつです。顧客分布を可視化したデータを元に、どのエリアにチラシやDMをポスティングすべきか判断しましょう。最適な販促計画に則ったポスティングにより、チラシ・DMへの多大なレスポンスが期待できます。

商圏範囲の目安

商圏範囲の目安は、一般的に下記の通りとされています。ただしあくまでも参考値のため、ご自身が出店される地域の特性によって、それぞれ範囲が異なる可能性があることをご承知おきください。

  • コンビニエンスストア:~500m(移動手段:徒歩)
  • 飲食店(定食屋、中華料理店等):~500m(移動手段:徒歩)
  • ファミリーレストラン:2~3km(移動手段:車)
  • 大型小売店(GMS):10~20 km(移動手段:車)
  • ドラッグストア:2~5km(移動手段:車)

商圏範囲の決め方

商圏範囲を決める方法には、データ分析とフィールドワークの2種類があります。データを用いて商圏分析を行う際は、総務省統計局の国勢調査を参考にすると良いでしょう。

データ分析

データによる商圏分析のポイントは、デジタルツールを利用した効率化です。商圏分析ソフトを用いて国勢調査データを集計すれば、候補物件や候補地の商圏ボリュームがすぐにわかります。

データ分析

例えば、上の地図の商圏2kmは人口が「351,785人」で、世帯数が「161,741戸」あり、さらに詳しく調べることで住民の年齢層や性別まで把握できます。

自分の店に来てもらいたいターゲット層の属性(年齢、性別、シングルorカップルorファミリー等)に該当する方がどれくらい住んでいるのか、出店可否の判断をするための統計値を簡単に得ることが可能です。

フィールドワーク

フィールドワーク

フィールドワークとは、データ上の数値だけを見るのではなく、実際に出店予定地を歩いて実地調査を行うことを指します。

  1. 地図で街の状況を把握する
  2. 持ち物を準備する
  3. 調査項目を決める
  4. 競合店調査を行う

地図で街の状況を理解する

フィールドワークで最初にすべきは、地図で街の状況を理解することです。

  • 紙の地図で、お店を中心に半径1・2・3㎞の円をコンパスで書く
  • 円内に幹線道路、高架されていない線路、川などの、動線の「寸断要素」を探す
  • 駅や大規模商業施設など人が集まる場所をチェックする
  • ターゲット顧客が集まる場所をチェックする(例:小さい子供を持つ主婦がターゲット顧客ならば、幼稚園・児童公園等)

持ち物を準備する

実際に現地調査に出かける前に、以下の持ち物を準備するとスムーズに調査を実施できます。

  • 書き物ができるよう両手がふさがらない鞄
  • 時計・ストップウォッチ(移動時間計測用)
  • 地図をはさむバインダー
  • 筆記用具
  • スマートフォン(現在位置確認のため地図アプリを入れておく)
  • メモ用ICレコーダー

調査項目を決める

フィールドワークの調査項目は必ず事前に決めておきましょう。準備せずにいきなり現地に行っても、見落としや調査漏れを起こして再調査が必要となり、二度手間が生じます。

主な調査項目には、下記のようなものが挙げられます。

  • 地図情報が正確か
  • 曜日別にどのような変化があるのか
  • 時間帯別で人がどのように動くのか

まず、地図情報の正確さについては、工事個所や、幹線道路、川など、人の動線を断ち切る箇所を確認しましょう。例えば、「店舗導線となるメイン道路が工事中で、今後1年は集客が見込めない状態だった」「店舗予定地近くの川は寸断要素だと思っていたが、新しい橋が架かる予定の工事計画標識を発見した」など、地図上では知りえない情報を把握できます。

次に、曜日ごとに人の流れに変化があるかについても、必ず確認するようにしましょう。平日・土曜日・日曜祝日にそれぞれ同じ場所を調査し、どのような変化があるのか確かめます。この調査によって「出店場所で、日曜日にランチ営業をしても客が来ない」といった事情を出店前に把握できます。

また、同様の理由から時間帯別の調査も行います。朝7~9時の通勤通学時間帯、11~14時の昼食時、15~18時の主婦が買い物等を行う時間帯、18時以降の帰宅時間帯などに分けて「動点観察」と「定点観察」の両方を実施しましょう。

動点観察とは、道を歩く人に合わせて同じスピードで歩いてみて、物件前の道路をどれくらいの速さで通り過ぎるのかを、身を持って体感する手法のことです。一方定点観測とは、決まった場所に立ち、人の流れや向かっている目的地や動機を類推しながら観察する手法で、のんびり歩く人と急ぎ足の人のどちらが多いのかなどを確認します。

競合店調査を行う

商圏調査のフィールドワークでは、競合店のチェックも欠かさず行いましょう。売上を競い、顧客を奪い合うことになりそうな競合店の存在は、必ず出店前に把握しておきたいものです。

飲食店であれば、イタリアン、フレンチ、カフェ、バー等の業種ごとにターゲティングします。また、業種は異なるものの、お店の利用目的が同じであれば競合となる可能性があります。例えば貴店のコンセプトが「リラックスした時間を提供する」であれば、飲食店に限らず、スパやエステ、漫画喫茶などの時間消費型レジャー施設はすべて競合になり得ます。各事業のサービス内容が細かく分化されている現在では、「お客さまは何のためにどこに行くのか」を想像することが大切になってきます。

【同業種・同業態(飲食店でイタリアン同士など)の競合チェック項目】

  • 商品・メニューの質
  • 接客サービスレベル
  • 清潔感
  • 価格と値頃感
  • 顧客層と同伴人数
  • 客席数と着席率
  • スタッフ数
  • トイレ個数
  • 顧客のウェイト/オーダー待ち/商品待ち/飲食中/飲食後の表情と会話量
  • 会計時の印象
  • 推測客単価

【異業種・同目的(リラックスがコンセプトの飲食店でスパなど)の競合チェック項目】

  • 椅子テーブルの形状、座り心地
  • 店内照明の照度
  • 商品アイテム/商品構成
  • 価格帯
  • BGM
  • 内装装飾品
  • スタッフ服装
  • 平均滞在時間(一人の客をモニタリング)
  • 推測客単価

まとめ

どの業態の店舗にとっても商圏分析は重要なマーケティング施策となりますが、中でも多店舗展開の一環として新規出店を検討している飲食チェーンにとっては、欠かすことのできない概念となります。新規開店前に必ず商圏分析を行ったうえで、最適な出店エリアを見極めるようにしてください。

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