2021.04.07
POS 店舗管理

在庫回転率とは?計算式の求め方や適正値、高める方法について解説

小売業を営むうえで、在庫の回転率を把握することは重要です。在庫回転率は店舗業績に直結する数値であるため、正しい求め方を理解しておきましょう。

こちらでは、在庫回転率の計算方法をご紹介。「金額から」「数から」どちらから求める方法が良いのか、在庫回転率を高める方法は?など、さまざまな切り口から在庫回転率について解説していきます。

在庫回転率とは

在庫回転率とは、今ある在庫の金額(棚卸資産)と、すでに販売された商品の原価金額(売上原価)を比較し、在庫が一定期間中に何回入れ替わっているかを算出した数値です。

この在庫回転率から、事業のおおまかな進捗状況が見て取れます。

  • 在庫回転率が高い:事業が活発に回っている状態
  • 在庫回転率が低い:在庫が売れるまでに時間がかかり、事業が停滞している状態

また、在庫を保有していると、倉庫代・管理費といった経費が発生します。この点からも、長期間在庫のままであり続けている状態は望ましくない兆候といえるでしょう。

業績を向上させるには、常に在庫回転率を高められるような施策が求められるのです。

なぜ在庫回転率を把握するのか

店舗経営において在庫回転率は見落としてはならない指針であり、常に在庫回転率を把握しておくことが求められます。その理由は、在庫の動きを可視化することで事業の好不調を知ることができ、自社の経営状態を正しく判断できるからです。

さらに、適正な在庫回転率を理解しておくことで、余剰在庫を持たないようになり、無駄なコストの発生を防ぐことができます。在庫回転率を正しく把握することで、欠品等を起こさず、効率的な事業展開が見込めるようになります。

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在庫回転率の計算式

在庫回転率の計算式

在庫回転率の算出には、金額を指標とする場合と数を指標とする場合の2種類の計算式があります。

  • 調査期間
  • 調査開始時の数値
  • 調査終了時の数値

これらの数値は、いずれの計算の場合でも必ず必要になるものです。数を指標とする場合は、さらに「日々の出庫数量」も把握しなければいけません。

金額を用いた計算式

金額を用いて在庫回転率を算出する場合は、以下の計算式で求めることが一般的です。

在庫回転率=期間中の売上原価÷期間中の平均在庫金額

売上原価は、(期首の商品棚卸高+商品の仕入れ高)ー期末の商品棚卸高で求められます。すなわち、「調査期間が始まる時点で、在庫として売れ残った商品の原価」に、「新たに買い足す在庫の仕入れ原価」を足し、「期間が終わった時点で売れ残った商品原価」を差し引くということです。

この売上原価を平均在庫金額で割ったものが、在庫回転率となります。平均在庫金額は、「棚卸資産」や「平均商品在庫高」ともいわれ、調査期間の期首と期末の在庫金額を足して2で割ることで求めることができます。

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数を用いた計算式

一方、在庫の数を用いて在庫回転率を算出する場合は、以下の計算式で求めることが一般的です。

在庫回転率=期間中の総出庫数÷調査期間の平均在庫数

総出庫数とは、対象の期間における日々の出庫数量の合計です。また、平均在庫数は、調査期間の期首と期末の在庫数を足して2で割ることで求められます。

「金額」と「在庫数」の異なる指標を用いて、それぞれの計算式で在庫回転率を求めることは理解していただけたと思いますが、より正確な数値を算出できるのは「在庫数」を用いる方法です。その理由について、次項で解説していきます。

在庫回転率の計算では「金額」と「数」どちらがいいのか?

「金額」を用いて在庫回転率を算出する際には、一年の会計処理をまとめた決算書が必須となるため、一年ごとの計算しかできないというデメリットが生じます。

また、この計算方法は棚卸高の概念をベースにしていますが、棚卸項目には製品・仕掛品・原材料・貯蔵品が含まれます。結果、商品の原価以外の要素にも左右されるため、正確な在庫回転率を求めるのは難しくなってしまいます。

一方で、「数」を用いて在庫回転率を算出する場合であれば、決算書が不要なため、月単位・週単位など必要な期間に区切って計算することができます。また、数量以外の要素に左右されることなく、正確な数値を求めることが可能になり、在庫管理の現場の実態を把握することができるのです。

したがって、在庫回転率を計算する際は、「金額」よりも「数」を指標にする方法をおすすめします。

在庫回転率の適正値

在庫回転率の適正値は、業種ごとに大きく異なります。たとえば製造業では、完成済みの商品を取り扱う小売業や卸業と比べると、材料の仕入れから製造・出荷までに時間がかかるので、在庫回転率は低いのが通常です。

また飲食店では、消費期限・賞味期限がある食材を扱うため、素早く在庫をなくす必要があり、他業種よりも在庫回転率は高く設定されます。特に鮮魚などの生ものを扱う場合には、在庫回転率はほぼ100%に近くなります。

自店の在庫回転率が適正かどうかは、他業種と比べるのではなく、同業種の競合で黒字経営のお店と比較してみるといいでしょう。

在庫回転率を高める方法

在庫回転率を高める方法

在庫回転率を高める方法には、下記の4つが挙げられます。

  • 定期的に在庫状況を可視化する
  • リードタイムを短縮する
  • ロケーション管理の最適化
  • POSレジの導入

定期的に在庫状況を可視化する

定期的に在庫の状況を可視化することで、在庫の動きをリアルタイムで把握でき、余剰在庫の削減や適正在庫数の割り出しにつながります。結果、自社の在庫状況の課題がはっきりして、在庫回転率を上げるために何をすればよいかが明確になります。

リードタイムを短縮する

リードタイムとは、一般的に「ある作業に着手してから完了するまで」の期間のことを指しますが、小売業界においては「注文してから商品がお客様の手元に届くまでの期間」を意味します。

小売業の中でも、特にEC事業では「リードタイムの短さ」がサイト全体の評価を大きく左右します。いくら良い商品を売っていたとしても、欲しい時に届かないのでは、そのサイトで購入する意味が薄れてしまうからです。

リードタイムをできる限り短縮し、顧客満足度を高め、繰り返し買ってもらうことで、サイト全体の売上を上げ、結果的に在庫回転率を向上させることができるのです。

ロケーション管理の最適化

在庫の整理が行き届かなくなり、倉庫内での紛失・汚損が増えてしまうと、在庫回転率もおのずと下がってしまいます。これは逆にいうと、ロケーション管理を最適化しどの在庫がどこにあるのかすぐに分かるようにすることで、在庫商品の品質低下を防止でき、回転率を高めることにつながります。

不要な在庫をすぐに片付ける等、整理整頓を徹底することはもちろんのこと、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)を用いるのも有効です。WMSは、商品が倉庫に入庫してから出庫するまでを一元管理できるシステムで、適切なロケーション管理には欠かせないものです。

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POSレジの導入

POSレジとは、販売時点(Point of Sales)ですべての商品の流れをデータ化し、集約できる機能を持ったレジのことです。POSレジで商品バーコードをスキャンすれば、「いつ、どこで、何が何個売れたのか」といった情報をすべて吸い上げることができ、在庫管理も同時に行えます。

POSレジで店頭と倉庫両方の在庫状況を一元管理できれば、余剰在庫を減らすことができ、在庫回転率の向上にもつながります。

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まとめ

在庫回転率は、いわば小売業経営の健全度合いを示す“ものさし”ともいえる指標です。正しい在庫回転率を算出する方法を理解して、常に適正な在庫回転率を保つような店舗運営を心掛けてください。WMS(倉庫管理システム)やPOSレジなどのツールを活用するのもおすすめです。

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