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2022.07.19
法律・制度 経営

コロナ禍での飲食店への補助金状況~国・地方自治体の補助金情報まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大にともなう売上の減少や、経費の増大に悩む飲食店経営者は少なくありません。さらに2021年4月には、東京、大阪、兵庫、京都において3度目の緊急事態制限が発令され、予断を許さない状況が続きます。

今後の経営のためにも、飲食店経営者は国や自治体がコロナ対策として行う給付金・補助金・特別融資などの制度を上手に活用し、当面の運転資金を確保しましょう。

ここでは、飲食店が利用できる補助金とコロナ対策について説明します。

※本記事に掲載されている情報は、2020年10月時点のものです(2021年4月加筆修正)

飲食店におけるコロナウイルスの影響

2020年より新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、外出自粛・緊急事態宣言の影響により、全国にある多くの飲食店が売り上げを落としてしまいました。緊急事態宣言の解除後もなかなか戻らぬ客足に、危機感を抱いている経営者も多いことでしょう。

また、コロナ対策としてパーティションやアルコール消毒液の設置などを求められた結果、経費が膨らんでしまった飲食店も少なくありません。

飲食店におけるコロナ対策のポイント

飲食店側が行うコロナ対策の一例には以下のものがあります。

  • マスク・フェイスガードの着用
  • パーティションの設置
  • 客席の間隔を最低1m以上空ける
  • 順番待ちの列で間隔を空ける
  • 定期的な換気
  • 共用部分のこまめな拭き掃除
  • ペーパータオルの設置
  • キャッシュトレイを使用する
  • モバイルオーダーを導入する

新型コロナウイルスは、飛沫感染接触感染によりウイルスが感染すると考えられています。飛沫感染は感染者のくしゃみや咳と一緒に放出されたウイルスから感染することをいいます。感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で触れたものに他者が触れ、ウイルスのついた手で口や目を触ることで感染するのが接触感染です。

飲食店側は、来店客が新型コロナウイルスに感染しないよう、飛沫感染と接触感染の両方の防止策をとる必要があります。スタッフはマスクやフェイスガードをして、接客時・調理時のくしゃみや咳に備えます。

パーティションの設置は、客同士の飛沫感染・接触感染を防ぐために行います。順番待ちの列で間隔を空けるための表示や誘導も同様です。会計時に現金を受け取るとき、またお釣りを渡す際のキャッシュトレイやモバイルオーダーは、店員と客の接触を減らして感染機会を減少させる狙いがあります。

飲食店向け補助金情報まとめ

飲食店が利用できる補助金、給付金は次の5つです。

  • 持続化給付金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金
  • 家賃支援給付金
  • 事業再構築補助金

持続化給付金は、2020年1月以降で売り上げが前年同月比50%以下の事業者に対して補助を行う給付金です。そのほかに、常時使用する従業員の数が5人以下の飲食店が利用できる小規模事業者持続化補助金、ECサイトの構築などが対象のIT導入補助金、さらに、売上が一定以上減少した事業者の家賃を最大で600万円支援する家賃支援給付金もあります。

さらに2021年3月26日、経済産業省が主導する「事業再構築補助金」事務局のホームページが開設されました。これは事業の転換や新たな分野への参入などの取り組み、およびそれら取り組みによる事業規模の拡大や再構築を支援する補助金で、支援対象には飲食店も含まれています。

上記の制度は国による支援で、そのほか各自治体が独自に行う給付金や特別融資が用意されていることもあります。例えば神奈川県の横浜市では、コロナによる影響を受けた事業者に対して、運転資金や設備資金として最大で8,000万円を超低金利で融資する制度を設けています。詳しくは、事業所のある自治体に確認しましょう。

持続化給付金

持続化給付金の申請スケジュールや給付金額は次の通りです。

 申請期間給付金額上限対象事業者給付要件給付のタイミング
個人事業主


(※法人)
2020年5月1日から2021年1月15日の24時まで100万円

(※200万円)
フリーランスを含む個人事業主

(※資本金10億円以上または常時使用する従業員の数が2,000人超の企業を除く中小法人)
・2019年以前から事業収入があり、今後も事業を継続する意思がある
・2020年1月以降、コロナウイルスの影響により前年同月比で事業収入が50%以上減少した月がある
申請から約2週間
参考:中小企業診断士・持続化給付金

持続化給付金は、個人事業主と法人とで受け取れる給付金の上限額が異なります。2019年と比べて、売り上げが50%以下になる月がひと月でもあれば給付の対象です。

申請から給付金が振り込まれる期間も短いので、該当事業者でありながらまだ申請していないという方は期限までにぜひ申請を済ませておきましょう。

小規模事業者持続化補助金

2020年以前も行われていた小規模事業者持続化補助金が、2020年は要件が緩和されコロナ特別対応型としてスタートしています。

申請期間補助金額上限補助率対象事業者
2020年5月1日から2020年12月10日まで100万円(感染拡大防止の取り組みを行う場合は上限50万円上乗せ、加えて特例事業者は上限50万円上乗せ)補助の対象となる事業にかかった経費×3分の2以内(または4分の3以内)商工会議所の管轄地域内で事業を営む小規模事業者と、一定の要件を満たす特定非営利活動法人
補助の対象となる事業補助の対象となる経費必要書類スケジュール
補助対象経費の6分の1以上が、次のいずれかの要件に合致する投資であること
・サプライチェーンの毀損への対応
・非対面型ビジネスモデルへの転換
・テレワーク環境の整備
補助の対象となる事業にかかった経費かつ2020年2月18日以降に発注・契約・納品・支払い・使用が行われるもの補助を受けるための申請に必要な書類
・令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に係る申請書
・経営計画書
・令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
に係る支援機関確認書
・小規模事業者持続化補助金交付申請書
・令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金
<コロナ特別対応型>に係る補助金概算払請求書
ほか、決算書や確定申告書、通帳コピーなど
第5回(最終)2020年12月10日締め切り
参考:持続給付金 : 中小機構

コロナ特別対応型では、サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備への投資が補助の対象で、サプライチェーンの毀損への対応に対してはかかった経費の3分の2を、その他2つへの投資では4分の3が補助されます。

補助額の上限が150万円となる特例事業者とは、屋内運動施設やバー、カラオケ、ライブハウス、接待をともなう飲食店の事業者を指します。

小規模事業者持続化補助金の対象となる経費や申請の方法について、詳しくは管轄の商工会議所に確認しましょう。

  • 小規模事業者持続化補助金について詳しくはこちら

IT導入補助金

2020年のIT導入補助金では、コロナ対策として特別枠が設けられました。IT補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や売上向上を見込んでITツールを導入する際にかかる費用を補助するものです。

申請期間対象事業者補助の対象となる事業
2020年3月13日から2020年11月2日まで事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上かつgBizIDプライムを取得している中小企業、小規模事業者等6つの業務プロセスのうち、1つ以上を担うソフトウェアの導入であること。かつ、次の3つの目的で導入したツールとハードウェアレンタルにかかる経費が補助対象経費全体の6分の1以上を占めるもの
・サプライチェーンの毀損への対応
・非対面型ビジネスモデルへの転換
・テレワーク環境の整備
補助対象となるITツール必要な対応スケジュール
あらかじめIT導入支援事業者が事務局に登録して、認定を受けたITツールのみが対象IT導入支援事業者と相談し、必要なツールの導入を行う。事業実施効果報告はIT導入支援事業者が作成および代理申請を行う第8次:2020年11月2日17時締め切り
参考:IT導入補助金2020

IT補助金にはA類型、B類型、C類型-1、C類型-2の4つの類型があります。類型によって補助金の申請額や補助の要件が異なり、コロナ特別枠としているのがC類型-1、C類型-2の2つです。C類型-1、C類型-2の補助金を申請したい場合は、利用するツールがサプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備のいずれかに該当する必要があります。

事業類型A類型B類型C類型-1C類型-2
補助額30万円~150万円未満150万円~450万円 30万円~450万円 30万円~450万円未満
補助率2分の12分の13分の24分の3 

補助金額の上限は、C類型-1が30万円~150万円未満、もしくは150万円~450万円で、いずれも補助率は補助対象経費の3分の2となっています。C類型-2は、30万円~300万円未満、もしくは300万円~450万円未満が上限額で、補助率はいずれも4分の3です。

申請する類型は、要件を満たしていれば申請者が自分で選択できます。IT導入補助金の申請は、IT導入支援事業者がいなければ成立しないため、補助を受けたい場合はIT導入支援事業者に相談しましょう。

  • IT導入支援事業者の一覧はこちら
  • IT導入補助金について詳しくはこちら

家賃支援給付金

事業に利用している土地や建物が他人のもので、賃料を支払っている場合は家賃支援給付金を受け取れる可能性があります。

申請期間給付金額上限対象事業者給付要件
個人事業主

(※法人)
2021年1月15日まで最大300万円

(※最大600万円)
フリーランスを含む個人事業主

(※資本金10億円未満の中堅・中小企業、小規模事業者)
・2019年12月31日以前から事業収入があり、今後も事業を継続する意思がある
・2020年5月から12月までの間で、コロナの影響により1ヵ月の売上が前年同月比50%以上減少している、または連続する3ヵ月の売上が前年の同期間の売上と比較して30%以上減少している
・他人の土地や建物を事業のために直接占有し、賃料を支払っている
参考:家賃支援給付金

家賃支援給付金で受けとれる金額は、支払い賃料の金額によって異なります。

法人の場合、月額の支払い賃料が75万円以下の場合は、「支払い賃料×3分の2」が月額の給付額となります。月額の支払い賃料が75万円を超える場合は、75万円以下の部分として50万円の給付に加え、75万円を超える部分については「75万円を超える金額×3分の1」が給付されます。

ただし、月額の給付上限額は合算して100万円までです。家賃支援給付金は6ヵ月分が給付されるため、全体の上限額は600万円となります。

個人の場合、月額の支払い賃料が37.5万円以下なら「支払い賃料×3分の2」が給付額です。37.5万円を超える場合は、37.5万円以下の部分として25万円が給付され、37.5万円を超える部分については「37.5万円を超える金額×3分の1」が加算されます。月額の給付額の上限は37.5万円以下の部分と超える部分を合算して50万円までです。法人と同じく6ヵ月分が給付されるため、給付の上限額は300万円となります。

事業再構築補助金

事業の転換、新分野への展開といった事業規模の拡大および再構築を支援する補助金です。経済産業省が主導し、2021年3月26日には事務局ホームページが開設。WITHコロナ、AFTERコロナにおける事業環境の変化に適応していくことを主目的としており、最大1億円の補助額が設定されています。

申請期間2021年3月26日、第一時公募開始。
※さらに4回ほどの公募を令和3年度中に予定
補助対象企業●申請直近の6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
●事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等
●補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
補助額●中小企業
 【通常枠】補助額 :100万円~6,000万円、補助率:2/3
 【卒業枠】補助額 :6,000万円超~1億円 、補助率:2/3
●中堅企業
 【通常枠】補助額 :100万円~8,000万円、補助率:1/2 ※4,000万円超は1/3
 【グローバルV字回復枠】補助額 :8,000万円超~1億円、補助率:1/2

詳細は事業再構築補助金事務局ホームページをご確認ください

さらに、飲食店が該当する特別枠「緊急事態宣言特別枠」も設けられています。

これは、緊急事態宣言発出に伴う時短営業等の影響を受け、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が前年対比、または前々年対比の同月比で30%以上減少している事業者が対象となります。

補助額●従業員数5人以下 :100万円~500万円
●従業員数6~20人 :100万円~1,000万円
●従業員数21人以上 :100万円~1,500万円
補助率●中小企業3/4
●中堅企業2/3

また「事業再構築」の推進イメージとして、飲食店においては以下の活用イメージが示されています。

  • 飲食スペースを縮小し新たにテイクアウト販売を展開
  • オンライン専用注文サービスの新規開設
  • ドライブイン形式でのテイクアウト販売開始のための店舗改修
  • 高齢者向けの食事宅配事業を新規開設

いずれも、飛沫感染および接触感染によりウイルスが感染する、新型コロナウイルスの特性を加味し、接触機会の削減が期待される取り組みとなっています。

WITHコロナ、AFTERコロナ時代に求められる形式の飲食店に変化していくための設備投資や事業創設を支援する補助金と位置づけられるでしょう。

多彩なレジ機能で実現するコロナウイルス対策

スタッフとお客様、あるいはお客様同士の接触機会を減らし、三密を避けるためには、POSレジを導入する手段も考えられます。ウイルスの感染拡大を防ぐのに役立つ、「POS+」の機能をご紹介します。

スマート券売機でスタッフの省人化と非接触化「POS+ selfregi」

「POS+ selfregi」は、飲食店向けのセルフレジサービスです。バーコードスキャナ、レシートプリンター、キャッシュレス決済用端末、スクリーンを搭載したセルフレジは、発券機・精算機のどちらの機能も有しており、店舗のオペレーションに合わせて事前会計と事後会計を選択できます。

このレジを設置することで、お客様自身が注文・会計を行えるようになり、省人化に役立つほか、スタッフとお客様の接触機会を低減できます。クレジットカードや電子マネー、コード決済、現金に対応し、多様化する決済ニーズにも導入するだけで対応可能です。

非接触・マルチ決済を提供、フルタッチパネルのPOS+ selfregi

事前決済でテイクアウトを効率化「POS+ order & pay」

「POS+ order & pay」は、専用アプリでテイクアウトの注文と事前決済を提供するサービスです。事前に注文と決済が完了することで、店舗側はオーダーから調理、会計までの行程がスムーズになり、お客様は待ち時間なくテイクアウトを利用できるようになります。

「POS+ order & pay」は、事前に店舗が設定した時間内であればオーダーのキャンセルも可能。スムーズな注文、決済、受け取りとキャンセル機能などで、お客様満足度の向上にも寄与します。

テイクアウトは、店内の密を避け、人同士の接触機会を減少させられる営業形態です。POS+の機能を使えば、スタッフにもお客様にも負担をかけることなくコロナ対策を行えるでしょう。

テイクアウトの注文と事前決済を提供するPOS+ order & pay

テーブルオーダーでオペレーションをシンプル化「POS+ self order」

「POS+ self order」は、お客様側がQRコードをモバイル端末で読み取り直接注文できるセルフオーダーサービスです。この機能を使えば、テーブルオーダーのために各テーブル用に新たな端末を購入・設置することなく、お客様が所有しているモバイル端末でテーブルオーダーが可能になります

店舗側は、お客様の来店時に専用のQRコードを発行して渡すだけなので、スタッフとお客様との接触機会の低減や業務の負担軽減にもつながるでしょう。

お客さまの端末から直接注文いただけるPOS+ self order

心理的負荷を抱えるスタッフをサポートする「POS+ engagement」「POS+ pay」

コロナの影響により、感染対策による業務の増加やお客様への対応に関するストレスなど、スタッフへの負担が増えた飲食店も少なくないでしょう。「POS+ engagement」と「POS+ pay」は、スタッフのサポートに活用できるサービスです。

・POS+ engagement
スタッフのコンディションを可視化して、定着率の向上やスタッフの成長をサポート
します。コロナ禍で生活に不安を感じているスタッフの心理状態を把握し、適切なタイミングで面談を行うなど、スタッフと経営側の距離を縮めるのにも役立つでしょう。

離職率を下げ、組織の活性化にもつながるPOS+ engagement

・POS+ pay
スタッフが働いた分の給与を給料日前に受け取ることができるサービス
です。勤怠管理の「POS+ timerecorder」と自動で連携して、経営側の管理業務を軽減しながらスタッフの希望をかなえられます。

このサービスでは、前払い給与を「POS+ pay」が給与口座に直接振り込むため、会社は振込作業の負担もありません。また、このシステムは給与の前借りではなく、「働いた分」を振り込むサービスです。スタッフはオーナーに承認申請を行う必要がなく、ストレスフリーで利用できるのも利点です。

給与前払いの福利厚生サービス、求人応募率の向上にもつながるPOS+ pay

まとめ

国や自治体が行う補助金・給付金事業の中には、感染防止対策に活用できる補助金もあります。補助金に関連する団体や企業に相談して各種補助金を利用しつつ、POSレジを導入するなど感染防止対策の拡充を図ってください。

飲食店のためのPOSレジ

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