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2021.02.12
法律・制度

青色申告特別控除とは?最大65万円の控除をうけるための適用要件と節税効果

青色申告者は、確定申告時に所得金額から最大で65万円の青色申告特別控除を受けられます。ただし、この控除を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があるため、事業者はしっかり把握しておきましょう。ここでは、青色申告特別控除の適用要件と節税効果について説明します。

青色申告特別控除とは

青色申告特別控除とは、青色申告を行う者が受けられる所得控除です。この青色申告特別控除を受けられる青色申告ができるのは、事業所得、不動産所得、山林所得があり、所轄の税務署長から青色申告者として承認された方のみです。

青色申告特別控除では、最大で65万円の所得控除を受けられます。

55万円の青色申告特別控除

55万円の青色申告特別控除は、青色申告者うち、e-Taxで申告を行わなかった、帳簿を電子データのままで保存できる電子帳簿保存を行わなかった事業者が受ける控除です。

65万円の青色申告特別控除

e-Taxで確定申告を行った事業者、または電子帳簿保存を行った事業者は65万円の青色申告特別控除を受けられます。

なお、電子帳簿保存で65万円の控除を受けるためには、仕訳帳、総勘定元帳について電子データで保存するとともに、所轄の税務署に「電磁的記録を開始する旨の申請書」を提出し、税務署長の承認を得る必要があります。

10万円の青色申告特別控除

10万円の青色申告特別控除は、55万円、65万円の特別控除の要件を満たせない場合、もしくは簡易的な帳簿で青色申告を行う場合に適用されます。

青色申告では、複式簿記で帳簿付けをしなければならず、簿記の知識がない方には少々面倒な部分があります。複式簿記ではなく、簡単な帳簿で青色申告を行う場合、控除額は10万円まで下がります。

青色申告特別控除の要件

青色申告特別控除の要件

青色申告特別控除を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 「青色申告承認申請書」の提出
  • 複式帳簿で記帳する
  • 記帳方式を発生主義にする
  • 「青色申告決算書」の添付

青色申告特別控除を受けるために、まずは青色申告事業者となるために、青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出します。青色申告事業者に認定された後は、日々の記帳を発生主義に基づき複式簿記で行います。確定申告時には、その帳簿をもとにして所得税を計算し、青色申告決算書を添付します。

青色申告は白色申告に比べて経理業務の負担が大きくなりますが、クラウド型の会計ソフト等を利用することで経理業務の負担を軽減できるでしょう。

「青色申告承認申請書」の提出

青色申告を選択する事業主は、所轄の税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。申請書は、青色申告をしたい年の3月15日が提出期限です。1月16日以降に開業し、その時から青色申告を行いたい場合は、業務を開始した時点から2か月以内に提出します。1月1日から1月15日までに開業した方は、3月15日が提出期限です。

これから開業してその年から青色申告を行いたい場合は、税務署に開業届を提出する際に青色申告承認申請書も提出するとスムーズです。

複式帳簿で記帳する

65万円の青色申告特別控除を受けるには、帳簿を複式簿記で記帳します。帳簿の記帳形式には単式簿記と複式簿記があり、単式簿記は1回の取引に対し1つの科目を使い収支を記帳する方法で、複式簿記は1回の取引を複数の科目で記帳します。

単式簿記は、家計簿のように単純な方法で経理処理を行えます。一方、複式簿記では、取引を借方と貸方に仕訳し、それぞれに勘定科目と金額を記入し、最終的に借方と貸方は同じ金額になるよう記帳します。

記帳方式を発生主義にする

青色申告の記帳は発生主義で行います。発生主義とは、取引が発生した時点で記帳するものです。現金の動きがない時でも、取引が発生すれば記帳しなければなりません。

例えば、1月12日に売り上げがあり、売上金の回収は翌月末に行ったときの仕訳は次の通りです。

日付借方貸方
1/12売掛金 500,000円売上高 500,000円
2/28普通預金 500,000円売掛金 500,000円

一度、売上が発生したときに売掛金を計上します。売上金が入金されたときには、普通預金を借方に、売掛金を貸方にして仕訳を行います。

「青色申告決算書」の添付

確定申告時に、青色申告決算書を添付しましょう。青色申告決算書には、貸借対照表と損益計算書が含まれています。

貸借対照表は、年末時点での事業の財政状況を記録するものです。これを見ることで、資産と負債がわかります。損益計算書は、その年の利益を表します。その年の収入と支払った費用等が分かります。

これらの表を自分で作るのは難しく大変ですが、クラウド型の会計ソフトを使用すれば、記帳するだけで確定申告に必要な書類を出力できるようになります。

青色申告特別控除でどのくらい節税できるのか

青色申告特別控除を受けるのと受けないのとでは、所得税にどのくらいの差が出るのでしょうか。簡易的に計算してみましょう。

総売り上げが3,000万円、経費の総額が1,200万円だったとき、青色申告特別控除が65万、55万、10万のときの課税所得と所得税、および青色申告特別控除なしの場合の課税所得と所得税を比較します。

 控除65万円控除55万円控除10万円特別控除なし
総売上3,000万円3,000万円3,000万円3,000万円
経費総額1,200万円1,200万円1,200万円1,200万円
所得金額1,800万円1,800万円1,800万円1,800万円
所得控除65万円55万円10万円なし
基礎控除48万円48万円48万円48万円
課税所得1,687万円1,697万円1,742万円1,752万円
所得税額403万1,100円406万4,100円421万2,600円424万5,600円
特別控除なしと比較21万4,500円18万1,500円3万3,000円

青色申告特別控除を受けるときと受けないときでは、支払う税額に大きな差が生じることがわかります。

青色申告特別控除を受けるなら会計ソフトの利用がおすすめ

青色申告特別控除を受けるなら会計ソフトの利用がおすすめ

ここまで見てきた通り、青色申告をするためには複式簿記での記帳、貸借対照表と損益計算書の用意など、複雑な経理処理と会計知識が必要になります。簿記の知識がほとんどない方、会計に関する知識に不安がある方が青色申告を行い場合は、知識がなくとも青色申告に対応した帳簿付けができる会計ソフトを使用すると便利です。

さらに、POSレジと連携できるクラウド型の会計ソフトを活用することで、銀行口座の取引、クレジットカードの利用状況だけでなく、毎日の売上データも自動で会計ソフトに送信されるようになります。

これから開業する方、開業したてで会計処理に不安がある方は、入力の手間を省き、確定申告の書類を作成できるクラウド型の会計ソフトを活用してみましょう。

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まとめ

青色申告者になることで、青色申告特別控除を受けられるようになり、支払う所得税を節税できる可能性があります。しかし、最大65万円の控除を受けるためには、複式簿記で記帳する、青色申告決算書を確定申告時に添付するなど一定の要件を満たさなければいけません。これら会計処理に不安がある方は、便利なクラウド型会計ソフトの導入を検討してみましょう。

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