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2021.04.07
POS 店舗管理

バンドル販売とは?効果や注意点、考え方について解説

売上アップを狙った販売戦略のひとつに、バンドル販売があります。バンドル販売を効果的に行うと、売上向上だけでなく、売れ行きが良くない商品の在庫数を減らすこともできるのです。

こちらでは、バンドル販売の基本について解説するとともに、バンドル販売を実施する際に意識したいポイントや、その他の効果的な販売戦略を紹介します。

バンドル販売とは

バンドル販売とは、複数の商品をいくつか組み合わせてセット販売することです。商品がセットになっているとつい買ってしまうという顧客心理を刺激して売上を上げる販売戦略を、バンドル効果と呼びます。

バンドル販売の例には、以下のようなものがあります。

  • ハンバーガーチェーンの「バーガー+ポテト+ドリンク」
  • 家電量販店の「エアコン2台買いで20%オフ」
  • 靴下1足500円、3足で5%オフ

バンドル販売の効果と注意点

バンドル販売は、単純に単品メニューを組み合わせて売るだけの手法ではありません。利益率が高い商品と低い商品を組み合わせたセットを作ることが、バンドル販売の基本です。また、売れ筋商品と組み合わせることにより、在庫数が多い商品を減らせます。

バンドル販売を行うときに注意しなければならないのは、ユーザー目線の組み合わせを作ることです。顧客のニーズを汲み取らず、ただ在庫数が多い商品を減らしたいという理由で顧客にとって特にメリットのないセットを作っても、思うように売れず売上アップは期待できません。

バンドル販売の考え方

バンドル販売の考え方

バンドル販売を行うときは、以下の3つの考え方を持つことが大切です。

  • 利益率の高い商品と低い商品を組み合わせる
  • 付加価値をもたせる
  • ユーザーニーズからセット商品を考える

利益率の高い商品と低い商品を組み合わせる

バンドル販売は、利益率の高い商品と低い商品を組み合わせることがポイントです。フロントエンド商品とバックエンド商品を組み合わせる、と言い換えることもできます。両者を組み合わせると、利益が上がるだけでなく、在庫の削減や販売数量の増加につながります。

例えばハンバーガー店では、ハンバーガーとポテトやドリンクをセットにして販売することが多く、利益率の低いハンバーガーと利益率の高いドリンク類やサイドメニューを一緒に売ることで、利益率を高めています。このように、販売価格だけでなく、利益率の観点も持つことが大切です。

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付加価値をもたせる

バンドル効果を活用してセット販売するためには、単品で商品を購入するよりも満足度が高まる組み合わせにするなど、付加価値を提供できるセットを用意する必要があります。

ただ複数の商品を抱き合わせてディスカウントするだけでは売れません。セット商品にすることで、どのような付加価値が生まれるかを考えることが大切です。

ユーザーニーズからセット商品を考える

付加価値のもたせ方がわからないときは、ユーザーのニーズを分析してセット商品を考えてみましょう。

例えば、就職活動を控えた学生にスーツを販売するケースです。就職活動の準備をするために、必要な衣類や道具をまとめてそろえたいと考える学生は多いものです。そのため、スーツ上下に加え、ワイシャツやネクタイ、ベルト、カバンといった就職活動に必要なものをセットにして、割引価格で提供します。

そうすることで、就職活動の準備を一気に済ませたいと考える学生のニーズを満たしながら、ベルトやカバンなど在庫が余りがちな商品も一緒に売ることができるのです。

バンドル販売を行う際は、まずユーザーのニーズに立ち返ることを意識してください。

効果的な3つの販売戦略

効果的な3つの販売戦略

バンドル販売以外にも、効果的な販売戦略はさまざまあります。ここでは、以下の3つの販売戦略についてみていきましょう。

  • ニッチ戦略
  • サンドイッチ戦略
  • コスト・リーダーシップ戦略

ニッチ戦略

ニッチ戦略とは「すき間戦略」とも呼ばれ、競合他社との直接対決を避けて特定の市場に資源を集中させることにより、シェアを獲得する戦略のことです。その市場でトップシェアを誇るリーダー企業との差別化を図るのではなく、そもそも戦わないという戦略を取ることが特徴です。

ニッチ戦略を取ることにより、競合他社が存在しない市場で独占的な地位を築くことができます。その結果、高い利益率を上げられたり、企業の知名度が上がってブランドイメージの浸透や新規取引先の獲得につながったりするのです。

一方、ニッチ戦略で選んだ市場は限定的で規模が小さいものになりがちなので、市場が成長しないリスクもあります。市場が成長しなければ、投資しても利益が回収できません。

さらに、市場が成長すると競合他社が参入してくることも考えられます。そのため、ニッチ戦略を取って特定の市場で収益を得ている場合でも、他社との差別化は常に考えなければなりません。

サンドイッチ戦略

サンドイッチ戦略とは、日本人の特性に合った販売手法です。複数の商品やサービスがあったときに、平均的な真ん中を選ぶという心理を利用して、真ん中の商品を利益率が高いものにする戦略を取り入れます。選んでほしい商品やサービスを他のもので挟むことから、サンドイッチ戦略と呼ばれています。

例えば、とある飲食店で以下の3つの食事コースがあったとします。

  • 松コース 9000円
  • 竹コース 4500円
  • 梅コース 3000円

このような3つが提供されている場合、一般的に最も売れるのは真ん中の竹コースです。一番安いものは選びたくないけれど、一番高いものは高くて手を出しにくいという顧客心理が働くからです。そのため、竹コースを利益率が高いものにしておけば、手軽に売上を高められます。

コスト・リーダーシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは、競合他社よりも安い価格帯で商品やサービスを提供したり、原価を抑えて利益率を増大させたりすることで、優位性を築く戦略のことです。単純に安売りするのではなく、原価を下げることによって商品価格を下げることを目的としています。

コスト・リーダーシップ戦略では以下の方法でコストを削減し、競合他社と同等のクオリティを持つ商品やサービスを安く提供します。

  • 大量生産によって単価を安くする
  • 生産工程を効率化する
  • 材料原価を低減する
  • 直接仕入れをする
  • 人件費や固定費を削減する

コスト・リーダーシップ戦略を取ることにより、集客アップや利益率の向上が期待できます。一方、値下げに他社が追随した場合は価格競争に発展する可能性もあるため注意が必要です。

まとめ

バンドル販売は、売上アップや在庫削減が期待できる戦略のひとつです。しかし、ただ抱き合わせ販売を行えば良いわけではありません。バンドル販売の効果を最大限発揮させるためにも、利益率だけでなくユーザーニーズを必ず汲み取って展開してください。

また、ユーザーニーズを正確に把握するアプローチとして、POSレジで獲得できる購買データの分析も有効です。「この商品とこの商品はセットでよく売れている」「この季節商品はもうすぐ売れなくなるので、ユーザーニーズの高いいまのうちに売り切るべき」といった定量的なデータの抽出にPOSレジを活用し、貴店のマーケティング戦略立案にお役立てください。

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