近年、導入が進んでいるクラウド型のPOSレジには、操作が簡単で場所を取らないだけでなく、「APIで複数のシステムと連携できる」というメリットがあります。
ここでは、クラウド型POSレジと連携できる主なシステムと、連携の利点についてご紹介します。
クラウド型POSレジのAPI機能とは
クラウド型POSレジは「API機能」を使って外部サービスと連携すれば、決済用途以外のさまざま機能を付加できます。まずはクラウド型のPOSレジとAPIの基本について見ていきましょう。
クラウド型のPOSレジとは
POSレジには、「誰が」「どの商品を」「どのくらい買ったのか」を記録・集計して、分析できる機能があります。このPOSレジを、iPadなどのタブレットまたはスマートフォンで実現できるのが、クラウド型のPOSレジです。クラウド型のPOSレジは、取得したデータをクラウド上に保存するため、チェーン店の情報を本部で一元管理することもできます。
クラウド型のPOSレジはタブレット端末等を利用するので、従来型のレジに比べて小型で操作方法もわかりやすいのが特徴です。導入のための初期コストも低く、小規模事業者でもキャッシュレス決済を容易に導入できます。
APIとは
APIは、Application Programming Interfaceの略で、「ソフト・アプリケーションとプログラムを繋ぐための仕様・形式」を指します。簡単にいうと、ソフトウェアやアプリの機能・データを外部のプログラムから呼び出して利用するためのインターフェイスのことです。
例えば、APIを使わずにAというソフトウェアで得たデータをBというアプリで解析したいケースを考えてみましょう。この場合、ソフトAを起動させて必要なデータを取り出し、その後アプリBを起動させてAから取り出したデータを取り込む必要があります。ところがAPIを使った連携では、アプリBを起動した状態からソフトAのデータを自動転送する、といったこともできるようになるのです。
API連携機能でできること
では、クラウド型POSレジのAPIはどのようなソフト・アプリと連携して機能を拡張できるのでしょうか? クラウド型POSレジのAPIを使った代表的な連携機能について紹介します。
会計機能での連携
会計システムとクラウド型POSレジをAPIで連携させれば、売上状況の可視化やレジ操作の履歴の確認、各種帳票の確認を行えるようになります。商品ごとの売上の比較や売り上げの日ごとの比較、前年同月との比較なども簡単です。
レジから吸い上げたデータが自動で会計ソフトに送られるようになれば、煩雑な仕訳業務や帳簿付けも自動で行えるようになります。また、複数店舗を運営する会社では、店舗で取得したデータを本部で一元管理することも可能です。
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顧客管理での連携
顧客管理システムとクラウド型POSレジを連携することで、顧客データを蓄積し、活用することも容易になります。
たとえば、APIで外部の顧客管理システムと連携させ、顧客情報や購入履歴から顧客の興味に合わせたお知らせメールを配信することも可能です。また、会員証アプリとの連携で、ポイントやクーポンの配布も容易になります。さらに、実店舗とECサイトの両方を運営している事業者が、両方の顧客情報を一元管理できるアプリとクラウド型POSレジを連携させれば、容易にオムニチャネルを実現できます。
これまでの購入履歴から顧客への対応状況まで、詳細な情報をレジを通して共有することで、スタッフ全体での顧客に対してのきめ細やかな対応ができるようになるでしょう。
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勤怠管理での連携
勤怠管理システムや給与計算システムとAPI連携すれば、勤怠データから自動で給与計算を行うことも可能です。また、これまで紙ベースで申請を受け付けていた有給休暇や時間外勤務もWebから申請・承認できるシステムもあります。
従業員のシフト管理やタイムレコーダ、複数店舗で使用する場合は店舗間のスタッフのヘルプにも対応するものもあるので、自社に合ったシステムを選択すれば勤怠管理にかかる事務作業の負担を軽減できるようになるでしょう。
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店舗管理での連携
複数店舗を運営している比較的規模の大きい会社の場合、店舗ごとのデータを本部で改めて総括するのには大きな負担がかかります。
クラウド型POSレジなら、複数店舗の売り上げ日報や詳細をすぐに確認できます。店舗間で手間なくデータを共有できるようになることで、在庫の管理にかかる負担も軽減されます。
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クラウド型POSレジのAPI・連携機能のメリット
API機能を活用してクラウド型POSレジをさまざまなサービスと連携させるメリットは次のとおりです。
- 使い慣れた基幹システムを変えることなく導入できるので初期コストを抑えられる
- レジで取得した各種データを直接システムに送れるので業務の効率化が見込める
- データをエクスポートすることなくシステムに反映させられるので情報漏えいのリスクが低減される
- 最新のデータを連携するシステムにスピーディーに送信できる
クラウド型POSレジを導入する際、API連携機能を活用することで、これまでに使用していた経理、販売管理、顧客管理、勤怠管理などの各種システムを引き続き使用できます。
既存システムの活用で導入コストを削減でき、さらに直接各種システムにデータが送られるようになるため、業務の効率化を実現しつつ、セキュリティ面の向上も期待できます。
クラウド型POSレジのAPI・連携機能のデメリット
さまざまなメリットのあるクラウド型POSレジのAPI連携機能にも、いくつかのデメリットがあります。
- 使用するサービスによってセキュリティ体制が異なる
- メンテナンスやアップデート等でオフラインでの対応が必要になることがある
- 動作環境や端末が限られる
API連携で外部に情報が流出してしまわないか不安な場合は、セキュリティ体制が万全な信頼できる企業のクラウド型POSレジシステムを選択するようにしましょう。またAPIのメンテナンスやシステムダウン時にも対応できるよう、オフライン状況下でも利用できるクラウド型POSレジだと安心です。
既存の基幹システムと連携できるかどうかわからない、そもそもAPI連携機能のあるPOSレジかわからないという方は、事前にサービス事業者に問い合わせて詳細を確認してみましょう。
まとめ
大きなレジ本体を購入することなく、タブレットをPOSレジ化できるクラウド型POSレジは、小規模事業者から複数店舗を運営する大規模事業者まで、さまざまな業種・業態に対応するシステムです。クラウド型POSレジを導入して、コストを抑えつつAPI連携機能で顧客管理や勤怠管理にかかる手間を軽減しましょう。
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