タブレット(iPad)POSレジとは、タブレットやiPadにPOSレジアプリをインストールして使用するレジのことです。優れた操作性と低コストで導入できることが魅力で近年導入店舗が増えています。
本記事では、タブレット(iPad)POSレジの特徴やメリット・デメリットから選定する際のポイントや導入の流れまで詳しく解説します。
タブレット(iPad)POSレジとは
タブレットPOSレジとは、iPadやAndroidなどのタブレット端末に専用アプリをインストールして利用できるPOSシステムです。従来の据置型POSレジと比較して、コンパクトで場所を取らないという特徴があることから、飲食店、小売店、美容関連の店舗など、様々な業態で導入が進んでいます。直感的な操作性により、スタッフの教育時間も短縮できると評価されています。
タブレットPOSレジの特徴は、その多機能性にあります。売上管理、在庫管理、会計処理などの機能が一元化されており、スマートフォンやパソコンからリアルタイムでデータを確認することができます。クラウドシステムによりデータがサーバーに自動保存されるため、機器の故障時でも重要な情報を守ることができます。
従来型のレジと比較すると初期費用を抑えられる可能性がありますが、月額利用料やその他の運用コストについては、導入を検討する際に慎重に比較検討することをお勧めします。
このような特徴から、タブレットPOSレジは、特に中小規模の事業者を中心に、業種を問わず導入が広がっています。
タブレットPOSレジと従来型POSレジの違い
POSレジには様々な種類がありますが、ここでは特にタブレットPOSレジと従来型のPOSレジ(ターミナル型・PC連動型)との違いについて解説します。
タブレット型 | ターミナル型 | パソコン型 | |
---|---|---|---|
初期費用 | 10〜50万円程度 | 50〜100万円程度 | 20〜100万円程度 |
運用コスト | 0円〜14,000円程度 | 10,000円程度 | 5,000円〜程度 |
拡張性 | アプリで対応 | 限定的 | 高い |
操作性 | 直感的 | 標準的 | やや複雑 |
耐久性 | 要保護対策 | 高い | 標準的 |
データ管理 | クラウド中心 | ローカル中心 | 両方対応 |
3つのタイプを比較すると、初期費用はタブレット型が比較的安価である一方、ターミナル型は高価で、パソコン型は中程度となっています。運用コストについては、タブレット型は月額利用料が必要ですが、ターミナル型はメンテナンス費用、パソコン型はソフト利用料が主な費用となります。拡張性はタブレット型がアプリで対応、ターミナル型は限定的、パソコン型は高いという特徴があります。
選択にあたっては、店舗の規模や業態に合わせた選択、必要な機能の見極め、初期費用と運用コストのバランス、将来的な拡張性の検討が重要です。また、スタッフの習得への配慮や、アフターサポートの充実度、セキュリティ対策の有無なども重要な検討ポイントとなります。
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タブレット型POSレジ
タブレット型POSレジは、最新のPOSレジシステムとして注目を集めています。コンパクトで省スペースな設計が特徴で、直感的な操作性を備えています。
クラウド連携による遠隔管理が可能で、アプリのアップデートによる機能追加も容易に行えます。また、持ち運びが可能なため、店内のどこでも使用できる利便性があります。
特に飲食店や小規模小売店、美容室・サロン、移動販売、ポップアップストアなどの業態に適しています。
ターミナル型POSレジ
従来から多く使用されている据置型のPOSレジです。高い耐久性と安定した動作が特徴で、大量のデータ処理を得意としています。レシートプリンターなどの周辺機器が一体型になっており、オフライン環境でも安定して使用できます。
スーパーマーケットや大型商業施設、チェーン店、高額商品を扱う専門店、客数の多い飲食店などで活躍しています。
パソコン型POSレジ
パソコン型POSレジは、既存のパソコンにPOSソフトをインストールして使用するタイプです。
詳細な設定やカスタマイズが可能で、他のビジネスソフトとの連携も容易です。大画面での操作が可能なため、データ分析機能も充実しています。
このタイプは、専門商品を扱う小売店やデータ分析を重視する店舗、受発注管理が複雑な業態、EC事業と実店舗を併営する店舗などに向いています。
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タブレットPOSレジの導入メリット
前述してきた通り、タブレットPOSレジの導入は進んでおり店舗運営には欠かせない存在になってきています。ここではメリット及び導入される理由について、解説致します。
- 導入コストが低く導入しやすい
- 簡単な操作性
- 高い機動性
- 充実した管理機能
- 多様な決済対応
導入する際のハードルが低い
タブレットPOSレジは、従来型のPOSレジと比較して初期費用を大幅に抑えることができます。必要な機能のみを選択できるため、無駄な投資を避けることが可能です。また、システムの更新費用が月額料金に含まれており、予期せぬ追加コストが発生しにくい点も特徴です。
さらに、店舗規模に応じて料金プランを柔軟に設定できるため、コストの最適化を目指すことが可能なのです。
関連記事:POSレジの価格相場とは?各種比較しながら選定ポイントも解説!
簡単な操作性
日常生活で使用するスマートフォンのような直感的な操作が可能なため、スタッフが使い方を習得するまでの時間を大幅に短縮できます。複雑な操作マニュアルが不要で、基本的な説明だけですぐに使いこなすことができます。
また、シンプルな操作体系により、操作ミスのリスクも低減できます。
関連記事:レジミスによる過不足金をなくすためには?対策方法を紹介!
高い機動性
店内のどこでも会計処理が可能という特徴は、特に飲食店などで大きな利点となります。テーブルでの注文や会計にも対応できるため、お客様の待ち時間を削減できます。
また、繁忙期には端末を追加することで柔軟に対応でき、移動販売やイベント出店などでも活用できます。
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充実した管理機能
売上データをリアルタイムで確認できるため、タイムリーな経営判断が可能です。クラウドによる自動バックアップ機能により、データの紛失リスクを軽減できます。また、在庫管理の効率化や、豊富なデータを活用した経営分析も可能です。
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多様な決済対応
キャッシュレス決済との親和性が高く、クレジットカードや電子マネーなど、様々な決済手段に対応しています。特に最近需要が高まっているQRコード決済にもスムーズに対応できます。また、すべての決済データを一元管理できるため、売上管理や経理処理が効率化されます。
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タブレットPOSレジの導入デメリット
タブレットPOSレジには、メリットばかりではなく、デメリットも存在します。導入を検討している場合には、デメリットも考慮して進めましょう。
- 安定したネット環境が必須
- 端末OSのバージョンアップによる不具合
- トラブル対応に苦労する恐れも
安定したネット環境が必須
タブレットレジ導入するためには、ネット環境を整えることが必要不可欠です。現状でネット環境がないという場合、Wi-Fi(ワイファイ)ルーターの設置が求められます。安定した接続のためにも、工事費用のコストカットはあまりおすすめできません。
端末OSのバージョンアップによる不具合
IPADをはじめとするタブレット端末のOSは、定期的にバージョンアップされます。自動アップデート設定をしていない事がほとんどですが、バージョンアップ後に互換性を失い、使用できなくなることも考えられます。
トラブル対応に苦労する恐れも
タブレットPOSレジは低価格で多数店舗展開している分、サポートが万全でないケースもあります。トラブルが起こった場合、据置きレジのベンダーのようにすぐに駆けつけサポートを受けられることは多くはありません。
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タブレットPOSレジ導入の費用相場
タブレットPOSレジ費用の基本構造
POSレジの費用としては、基本的には「イニシャルコスト(初期費用)」と「ランニングコスト(運用費用)」の2つから構成されています。導入時の費用と継続的な運用費用を理解することで、初期費用と月額費用のバランスを理解し、自店の運用規模や形態に合わせて長期的な視点で最適なPOSレジを選択することが重要です。
POSレジ費用相場
初期 費用相場 | 月額・保守 費用相場 | 適している業態 | |
---|---|---|---|
タブレットPOS | 0~20万円程度 (周辺機器:5~15万円) | 5,000円~2万円/月 | ・小規模店舗 ・カフェ ・移動販売 |
ターミナル型POS | 20~50万円程度 | 3~10万円/年 | ・専門店 ・中規模店舗 ・安定性重視の店舗 |
パソコン型・連動型POS | 30~100万円以上 | 5~20万円/年 (カスタマイズ費は別途) | ・大規模店舗 ・特殊業態 ・システム連携必須の店舗 |
関連記事:POSレジの価格相場とは?各種比較しながら選定ポイントも解説!
タブレット(iPad)POSレジの導入を考える際のポイント
タブレットPOSレジを導入する際にはいくつか考慮しておくべき要素があります。
特に重要な3つのポイントに絞って解説します。
- タブレット(iPad)POSレジ導入の目的を明確にする
- 必要な機能を決める
- 運用と保守のしやすさを考慮する
- 費用対効果を考える
タブレット(iPad)POSレジ導入の目的を明確にする
タブレット(iPad)POSレジを導入する際には、明確な目的を定めることが重要です。レジ機能だけでなく、顧客分析や売上分析など経営に活かすのか、移動販売など販売場所を変える可能性があるのか、導入の使用方法を検討しましょう。
目的に応じて必要な機種やタイプが異なるため、適切なタブレットPOSレジを選ぶためにも目的を明確にすることが大切です。
必要な機能を決める
タブレット(iPad)POSレジを導入する際には、明確な目的を定めることが重要です。レジ機能だけでなく、顧客分析や売上分析など経営に活かすのか、移動販売など販売場所を変える可能性があるのか、導入の使用方法を検討しましょう。
目的に応じて必要な機種やタイプが異なるため、適切なタブレットPOSレジを選ぶためにも目的を明確にすることが大切です。
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運用と保守のしやすさを考慮する
タブレット(iPad)POSレジは、アプリをインストールして使用するため、バージョンアップなどの変更に対応する必要も出てきます。 その際、サポート体制が整っている会社であれば安心です。
365日電話サポートや駆けつけサポートなど、万全の対応を提供している会社を選ぶことで、トラブル時の対応もスムーズに行えます。運用と保守に対するサポート体制も重要な要素と言えるでしょう。
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価格と費用対効果を考える
タブレット(iPad)レジ導入の際は費用についても慎重にならなければなりません。機器代や設定費用などの初期費用と月額利用料等のランニングコストの総額を把握し、業務効率化による時間短縮や人件費抑制の効果を数値化し、将来の拡張性も考慮した投資判断を行うことも重要となります。
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タブレット(iPad)POSレジ導入の流れ
タブレット(iPad)POSレジ導入の流れはお店の業態や製品によって異なりますが、おおよそ以下のような流れになります。
STEP 1:お問い合わせ
まずは、タブレット(iPad)POSレジの提供会社に問い合わせをして商品の資料などを送ってもらいましょう。
ポスタス(POS+)についてはこちらからお問い合わせください。
STEP 2:商談・お見積もり
店舗の規模や用途、実現したいことなどを伝えてお見積りをもらいましょう。 商談を行う前に、必要な機能や予算感、気になる周辺機器などを検討しておくとスムーズに商談を進めることができます。
STEP 3:契約・納品日決定
契約内容に納得できたら、契約を締結して納品日を決定します。
STEP 4:設置・設定
機材が届いたら想定していた場所に設置し、商品登録を行います。設置の際は想定外のことが起こったり、商品登録に非常に時間を要したりしますので、余裕を持ったスケジュールで設置・設定を進めましょう。
ポスタスでは、機器の設置から商品登録まで専門スタッフがご対応しますので、安心してご導入いただけます。
STEP 5:ご利用開始
設置・設定が完了したらご利用開始できます。はじめてのPOSレジだと使い方が分からないといったことが多くありますので、あらかじめサポート体制のしっかりしたメーカーを選定しましょう。
タブレットPOSレジがおすすめな業態や業種
タブレットPOSレジは、その機動性と拡張性から、様々な業態での活用が可能です。特に以下のような業種での導入効果が高いと言われています。
- 飲食店(カフェ・レストラン・居酒屋など)
- 小規模小売店(専門店・セレクトショップなど)
- 美容関連サービス業(美容室・エステ・ネイルサロン)
- 複数店舗・チェーン展開している企業
導入効果を最大化するためには、業態に合わせた適切な機能選択とスタッフ教育の充実が欠かせません。また、バックアップ体制の整備や将来的な拡張性の確保、適切なサポート体制の構築も重要な検討ポイントとなります。
飲食店(カフェ・レストラン・居酒屋など)
飲食業界では、テーブルでの注文から会計までをその場で完結できる利便性が高く評価されています。メニュー管理や売上分析も容易に行え、予約管理システムや厨房との連携によってオーダーミスも削減できます。また、スタイリッシュな外観は店舗の雰囲気を損ねません。
関連記事:飲食店はPOSレジがおすすめ?導入のメリットや導入事例を紹介!
小規模小売店(専門店・セレクトショップなど)
小売業では、リアルタイムでの在庫管理と販売データの分析機能が特に重要視されています。効率的な棚卸業務の実現と多様な決済手段への対応により、業務効率と顧客満足度の向上に貢献します。ECサイトとの在庫連携も可能です。
関連記事:小規模店舗はPOSレジがおすすめ?必要機能や選定ポイントを解
美容関連サービス業(美容室・エステ・ネイルサロン)
美容関連サービス業では、顧客カルテと予約管理システムの連携により、効率的な店舗運営が可能です。スタッフ間での情報共有がスムーズになり、きめ細やかな顧客サービスを提供できます。コンパクトな外観も店舗との相性が良好です。
関連記事:美容室のレジはPOSがおすすめ?レジの種類や選定ポイントを解説
複数店舗・チェーン展開している企業
多店舗展開では、全店舗の売上データと在庫の一元管理が可能です。本部でのリアルタイムモニタリングにより迅速な経営判断ができ、店舗ごとの分析データを活用した戦略立案も容になります。
関連記事:複数店舗・多店舗でのPOSレジの使い方
まとめ
キャッシュレス決済の普及やデジタル化の加速により、タブレットPOSレジの需要は更に高まると予想されます。AIを活用した売上予測や自動発注システムとの連携、カスタマー分析の高度化など、さらなる機能の充実が期待されます。
このように、タブレットPOSレジは様々な業態で効果的に活用できるツールとして、今後も進化を続けていくことが期待されます。導入を検討する際は、自店の特性や将来的な展開も考慮に入れ、最適なシステムを選択することが重要です。
よくある質問
タブレット(iPad)POSレジと従来型POSレジの最大の違いは、その機動性と導入のしやすさにあります。従来型のPOSレジが据置型で大型の専用端末を必要とするのに対し、タブレットPOSはiPadなどの汎用端末で利用できます。
また、初期費用も大きく異なり、従来型が数十万円規模の投資を必要とするのに対し、タブレットPOSは比較的低コストで導入可能です。機能面では、タブレットPOSはクラウド連携によるリアルタイムな売上管理や、アプリによる柔軟な機能拡張が特徴です。一方、従来型は安定性と耐久性に優れています。
重要なのは、店舗の規模や業態に合わせたシステム選びです。必要な機能を見極め、過剰な機能による無駄なコストを避けることを忘れず選定しましょう。
参考サイト:日本経済新聞 タブレットレジ、増税を商機に 中小・個人店舗に続々