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2024.10.23
POS 調査・データ

ID-POSとは?POSデータとの違いや活用方法を徹底解説

近年、消費者の多様化に伴い、商品にフォーカスしたPOSデータだけでなく、人の動きを加えた「ID-POSデータ」の活用が注目されています。「ID-POSデータ」の活用によって事業のマーケティングの強化だけでなく、新たな顧客の開拓にも期待できます。

本記事では、ID-POSの概要やPOSデータとの違い、分析のメリット・デメリットがあるのかを解説していきます。また、ID-POSデータを活用する方法も詳しく紹介します。

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ID-POSデータとは

ID-POSデータとは、顧客のIDが紐付いたPOSデータのことです。「顧客の購入商品・購入日時・個数・購入単価」などの購入情報に、「氏名・性別・年齢・住所」などの個人情報が紐付けられているのが特徴です。

例えば、家電量販店なら「東京都に住む40代男性がパソコンを購入したのと同時に周辺機器を購入した」という購入データを記録できます。

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従来のPOSデータとの違い

従来のPOSデータは、商品の販売時点で記録される基本的な取引情報(商品コード、価格、数量、日時など)のみを収集するシステムです。一方、ID-POSは、これらの基本情報に加えて、顧客の個人識別情報(会員IDなど)と紐付けて記録するより進化したシステムです。

ID-POSの最大の特徴は、「誰が」という情報を含む点です。これにより、個々の顧客の購買履歴を時系列で追跡でき、より詳細な消費者行動分析が可能になります。例えば、特定顧客の購買頻度、好みの商品カテゴリー、購入金額帯などを把握できます。

POSデータが「何が」「いつ」「どれだけ」売れたかという商品軸の分析に限られるのに対し、ID-POSは顧客軸での分析も可能で、パーソナライズされたマーケティング施策の立案や顧客関係管理(CRM)に活用できます。

ID-POSデータが必要な背景

ID-POSデータが必要な背景には、日本における少子高齢化やネットショッピング(EC)の発展などの社会変化に対応する必要が出ている点がげられます。店舗数の削減、売上高の頭打ちなどの課題が出てくる中で、競合他社よりも一人でも多くの顧客を獲得し、売上を伸ばしていかなければなりません。

上記の課題を解決するためには、顧客起点型のマーケティングに切り替えることが求められます。ID-POSデータを用いて顧客情報と消費行動を細かく分析し、各顧客にマッチした商品・サービスを提供することで、売上の最大化につながるのです。

関連記事:POSデータとは?分析メリット・注意点や活用方法を解説

 ID-POSデータを活用するメリット

ID-POSは各顧客の消費行動を分析するのに役立ちますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。店舗において、ID-POSを活用することによるメリットを3つ紹介します。

  • 顧客視点での購買行動を可視化できる
  • マーケティング施策につなげられる
  • 新規顧客開拓に生かせる

顧客視点での購買行動を可視化できる

顧客視点での購買行動を可視化できます。ID-POSは、顧客の購買情報と属性情報に基づいたデータを収集・分析します。POSデータだけでは難しかった「各顧客の多様なニーズ」を把握することが可能となるでしょう。

具体的には購買履歴をもとにして、顧客をカテゴリ別に分けたり、商品ごとのターゲット層を絞ったりするという活用方法があげられます。また、リピート顧客になりやすい特徴が可視化され、どのような顧客にアプローチすればよいかを最適化できます。

商品・サービス力の強化につながる

商品・サービス力の強化につながります。消費者のライフスタイルや購買ニーズが多様化する中で、各顧客にフォーカスした商品開発・サービス力が求められます。

ID-POSは、各顧客のニーズをデータとして可視化することから、どういった商品を開発すれば売上を伸ばせるかを分析しやすくなります。このように、ID-POSを活用することで、自社の顧客層に適した商品開発やサービス力の強化につながるのです。

新規顧客に生かせる

ID-POSはリピート顧客だけでなく、新規顧客開拓にも生かせます。潜在顧客が求めている商品を把握することが可能となるため、新規顧客獲得の可能性を高められます。

また、ID-POSで可視化したデータを用いて、昨今のトレンドを把握するのにも役立ちます。トレンドをいち早く入手し、新規顧客獲得数の増加が期待できるでしょう。

ID-POSデータを使うデメリット

ID-POSは店舗の売上拡大やマーケティング力強化につながる一方で、デメリットにも注意しなければなりません。実際に導入する前に、どのようなデメリットが出てくるのかを把握しておきましょう。

高度な分析スキルが求められる

ID-POSを取り扱うに当たって高度な分析スキルが必要な点があげられます。というのも、ID-POSを介して収集したデータを実際のマーケティング施策で活用するためには、統計学やデータマイニングなどの専門スキルが必要だからです。

また、ID-POSはデータ量も大きいことから、分析作業だけでも多大な労力が発生します。社内で専任の従業員を確保したり、新しく採用したりして、ID-POSを適切に扱えるようにしましょう。

データ活用コストが発生する

ID-POSを使用するごとに、データ活用コストが発生する点に注意しましょう。データの量や内容、精度にもよりますが、数十万円〜数百万円程度のコストがかかる可能性があります。

なお、ID-POSの価格は、提供会社・サービスで異なります。複数の提供会社に相談しながら相見積もりを取得し、しっかりと比較しましょう。

自社以外の購買行動が分析できない

自社以外の購買行動が分析できないことです。一般的にID-POSでは、ポイントカードや自社の会員アプリなどから顧客情報・購買行動を収集します。

つまり、特定の顧客に対して店舗をまたいだデータの入手は困難であり、競合他社商品や他店舗の購買情報を比較したり、業界全体のトレンドを分析したりすることは不可能です。店舗をまたいだデータを入手するためには、ID-POSデータ自体の連携や、データ取得フォーマットの統一が求められます。

ID-POSデータを活用する方法

ID-POSデータを活用する方法

ID-POSで取得したデータの効果を発揮させるためには、活用方法を把握することが大切です。下記の通り、6つの活用方法を解説していきます。

  • 時系列分析
  • トライアルリピート分析
  • 属性分析
  • 併買分析
  • 流入流出分析
  • ロイヤリティ分析

時系列分析

時系列分析とは、時間の経過で変化するデータを分析するもので、主に来店者数や売上額などが該当します。どういったデータが要因するのか分析し、将来的な来客者数や売上額を分析していきます。

トライアルリピート分析

トライアルリピート分析とは、リピーターの割合を算出する方法です。1回でも商品を購入した顧客を母数として、2回以上購入しているリピーター顧客の割合を出します。顧客が同じ商品を購入するかを調査し、市場における商品の認知度・周知具合を調べていきます。

属性分析

属性分析とは、ID-POSで取得した顧客情報の属性を分析する方法です。顧客情報を性別や生年月日、居住地域などの基本情報と、年収や居住形態などの推計属性情報に分類し、購入者の属性を分析します。このように属性を分析することで、自社商品・サービスに合致する消費者を探し出しやすくなるのです。

併買分析

併売分析は、ある特定の商品とまとめて購入される商品を分析する手法です。消費者が同時に購入する商品を分析することで、相性が良い商品の発見やさらなる販促強化につなげられます。

流入・流出分析

流出・流出分析とは、顧客の流入元と流出先を分析する手法です。ID-POSデータで一定期間における顧客の行動を分析します。例えば、どの商品で流入し、どの商品で流出したかを可視化することで、競合他社への流出防止策や新商品の開発に生かせます。

ロイヤリティ分析

ロイヤリティ分析は、企業や商品に対する顧客の忠誠度を分析する手法です。既存顧客との関係を維持することで、継続的な売上・利益の獲得が狙えます。具体的には、一定期間における商品の購入数量に応じたロイヤルティ基準を設定し、ランク別に分けていきます。

ID-POSデータの活用ポイント

さまざまな分析方法がある中で、ID-POSをうまく活用する必要があります。運用を始めるに当たって、どのようなポイントに留意すればよいのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

ID-POSデータのフォーマットを統一する

ID-POSデータのフォーマットを統一することです。すでに店舗に導入しているPOSシステムと連携する場合、データのフォーマットを統一しないと分析が難しくなります。ID-POSの活用目的を明確にした上で、フォーマット統一の準備を進めましょう。

ID-POSデータの管理方法を把握する

ID-POSデータの管理方法を把握することです。ID-POSデータの管理方法は、システム提供会社におけるサポート体制ごとに異なります。また、トラブルが発生した際の対応も異なるため、あらかじめ管理方法を使用者間で把握し、トラブルへの対応を考えておきましょう。

店舗ごとの特徴を可視化して分析する

店舗ごとの特徴を可視化して分析することです。基本的に、ID-POSを使った分析方法に関しては業界、企業ごとに差はないものの、分析する要素は異なります。具体的には、都心部の店舗と郊外の店舗では客層が異なるだけでなく、売れ方や人気商品にも差が生じてきます。

つまり、複数店舗を展開している企業では、店舗ごとの特徴を可視化した上で、データを分析することが求められるのです。ID-POSで適切なデータを出すためにも、各店舗の特徴を意識しましょう。

まとめ

ID-POSは、消費者視点における購買行動を可視化するための重要なデータといえます。効果的なマーケティングが行いやすくなる他、商品開発・サービス力の向上にも期待できます。

一方で、ID-POSデータを用いた分析方法は幅広く、高度な取り扱いスキルが求められる上に、データ活用におけるコストが発生する点にも注意しなければなりません。ID-POSデータを最大限に生かせるように、本記事で解説した活用するポイントを意識してみてください。

参考サイト:日経クロストレンド サントリー最強営業部隊のデータ活用法 小売店支援で売上3倍

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よくある質問

ID-POSとPOSデータの違いは何ですか?

従来のPOSデータは、商品の販売時点で記録される基本的な取引情報(商品コード、価格、数量、日時など)のみを収集するシステムです。一方、ID-POSは、これらの基本情報に加えて、顧客の個人識別情報(会員IDなど)と紐付けて記録するより進化したシステムです。

ID-POSデータを活用する方法を教えてください。

自社の課題に合わせた分析をすることが一番重要ですが、代表例としては「時系列分析」「トライアルリピート分析」「属性分析」「併買分析」「流入流出分析」「ロイヤリティ分析」などがあげられます。

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