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2021.03.09
経営

店舗DXとRaaSはどう違う?事例から考える新しい顧客体験について

「店舗DX」という言葉を耳にしたことがある小売店の経営者の方は多いのではないでしょうか。本記事では、店舗DXとは何か?という基本事項から、RaaSとの違い、店舗DXのメリット・デメリットについて解説。実際に店舗DXに取り組んで成功を収めた事例も合わせてご紹介します。

そもそもDXとは

そもそもDXとは

DXの正式な呼称は「デジタルトランスフォーメーション」。最新のデジタルテクノロジーを活用して、新しいビジネスモデルの創出を目指す概念を表す用語です。

DXは、クラウドサービスやIoT・ICT・RPA・AIを活用した業務効率化の流れを受けて始まった動きであり、現在ではあらゆる業種・業態で積極的に取り入れられています。

店舗DXとは

店舗DXとは、小売業に特化したデジタルトランスフォーメーションを指すもので、店舗運営に最新のデジタルテクノロジーを導入して、新しい顧客体験を生み出すことを意味しています。なお、小売業界全体のビジネスモデルを変えてしまうような、大規模な概念ではなく、改革の対象はあくまでも店舗単位で捉えられます。

店舗DXの一例として、オンライン接客や3D店舗などのサービスはすでに広く知られているものです。

・オンライン接客
テキストメッセージやチャット、ビデオを利用して、店舗スタッフがWeb上でリアルタイムに接客するサービス

・3D店舗
実際の店舗画像を3D化してWebで公開し、自宅にいながらにして店舗内を歩き回っているような感覚になれる仕組み

いずれもデジタルテクノロジーの活用がなければ実現し得なかったサービスであり、これまでに体験したことがない新しい購買活動といえるでしょう。

RaaSとの違い

店舗DXは、しばしばRaaS(ラース)と同一視されることがありますが、この2つはまったく違った概念です。

RaaSとは「Retail as a Service」の頭文字をとったもので、直訳すると「小売(Retail)のサービス化」という意味になります。RaaSは、デジタルベンダーと小売企業が協業して新たなサービスを開発するビジネスモデルであり、自社もしくは同業他社に向けたベクトルが顕著なものとなります。

一方で、店舗DXは、デジタルを活用した“新しい顧客体験の創造”に重きを置いたものとなり、顧客向けのサービスであることがRaaSとの一番の違いです。

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店舗DXのスタートは業務のデジタル化

店舗DXは、自社業務のデジタル化から始まります。まずは積極的にデジタルテクノロジーを活用して、店舗運営のアナログ業務をデジタル化し、業務効率化を図ることが重要になってきます。

目指すべき“新しい顧客体験”は、店舗内で十分にデジタルツールの運用が定着した結果として生まれてくるものです。店舗DXへの取り組みは、まずは業務のデジタル化から進めていきましょう。

店舗DXの事例

実際に店舗DXを実行し成功した事例として、下記の2社の戦略を追っていきましょう。

  • 株式会社カインズ
  • イオンリテール株式会社

株式会社カインズ

ホームセンター「カインズ」を全国で展開する株式会社カインズは、2019年~21年度までの3カ年中期計画で、デジタル関連事業に100~150億円を投資する「PROJECT KINDNESS」を発表。IT小売業化の一端として、店舗DXを通した全社改革を進めています。

まず、10万点ほどの商品が並ぶ広大なホームセンターで、お客様のご案内を効率化させるため、どの売場に何の商品があるかをマップ上でピンした「CAINZアプリ」を開発。アプリを搭載したハンディターミナルを全従業員に配備した結果、手元ですぐに商品の場所を探せるようになり、売り場案内にかかる時間が約40%も削減されました。

さらに、紙伝票による処理をハンディターミナルでデジタル化。事務所に戻って印刷する手間が省け、業務効率化につながりました。

また、オンラインで商品を注文した後、最寄りの「カインズ」店舗で商品を受け取れる取り置きサービス「CAINZ PickUp」も好評です。デジタルツールとリアル店舗での購買行動を融合した、新たな体験を提供することに成功しています。

イオンリテール株式会社

スーパーマーケット「イオン」を運営するイオンリテール株式会社は、新しい会計システム「レジゴー」を提供しています。

「レジゴー」の仕組み自体はシンプルです。店舗で専用スマートフォンを貸し出し、商品をカゴに入れるタイミングでお客様自らがバーコードをスマホで読み取ります。すべての買い物を終えた後は、レジゴー専用レジで会計を済ませることができ、通常のレジに並ぶ必要がありません。

レジでの待ち時間を大幅に短縮できると同時に、「買い物が楽しい」「面白い」という感覚を顧客に提供することで、「レジゴー」利用者の商品購入点数は、通常レジ利用者と比べて15%ほど増加したという結果が表れています。

接客が不要となり、密接が懸念されるコロナ禍において有効な施策となったほか、空いた時間を他の作業に充てることが可能になるため、従業員側のメリットも大きい取り組みとなりました。

現在は貸出用スマホを使った利用に限られていますが、今後さらに開発を進め、お客様自身のスマホで「レジゴー」を利用できるようにする計画もあり、施策効果は更に広がることが予想されています。

店舗DXに取り組むメリット

店舗DXに取り組むメリット

小規模店舗や多店舗展開企業が店舗DXに取り組むメリットには、下記の点が挙げられます。

  • 店舗オペレーションの効率化
  • 業務品質の向上
  • 接客品質の向上
  • 在庫管理・発注業務の効率化

店舗オペレーションの効率化

店舗DXにより通常業務にかかる時間を短縮でき、現場の労働時間を削減できるのはもちろんのこと、事務手続き等バックオフィス業務にかかる時間も大幅に減らすことができます。

従業員の勤怠管理にタイムカードを使用している場合を例に見ていきましょう。

月末になると、給与の締めのため個々人のタイムカード情報をチェックする業務が発生しますが、これは従業員が増えていくたびに膨大な時間がかかるようになります。これをスマートフォンによる出退勤打刻に変更することで、勤怠情報はシステムと連携され、月末には自動で精算されます。人事部門の負担が減り、打刻忘れ等のミスもなくなって店舗オペレーション全体が簡略化されるでしょう。

業務品質の向上

店舗DXを行うことで向上するのは業務の「効率」だけではありません。「品質」そのものに関しても顕著な効果が期待されます。

店舗のサービスカウンター業務を一例として見ていきましょう。

サービスカウンターでは、物品や商品券の販売に加え、返品・交換業務、迷子の案内、落とし物の管理など多種多様な業務をこなさなくてはなりません。そこで、すべての顧客の購買履歴をスマートフォンから閲覧できるようになればどうでしょうか? 返品・交換業務では、煩わしい伝票作成作業を行わなくとも済むようになるでしょう。

また、迷子や落とし物が発生した際も、スマートフォンの社内掲示板で瞬時に情報を共有して、迷っている子供や落とし物を速やかに発見することができれば、業務の効率化に加えて、顧客満足度の向上につながります。

接客品質の向上

業務品質の向上にも含まれますが、とりわけ接客業務の質を高めることは、小売企業にとって至上命題ともいえるでしょう。小売業は、仕事場に常にお客様の目線がある環境ですので、お客様の前でいかにスマートに振る舞えるかが大切なのはいうまでもありません。

店舗内でトラブルが発生した場合、従来はインカムデバイスや店内放送、スタッフルームの掲示板、Eメールなどを用いて、従業員間で情報共有がなされてきました。しかし、これでは音声や紙、デジタルといったように、いずれも異なるコミュケーションチャネルを使用しているため、情報の集約・管理はなされません。特に大手スーパーマーケットなどでは、同じ時間帯に働く従業員数は数100名レベルになるため、情報共有は非常に難しい問題でした。

しかし、店舗DXによってコミュニケーションチャネルはすべてスマートフォンに集約され、従業員数に関わらず即時の情報共有が可能になります。通話機能を使った会話はもちろん、掲示板アプリやチャットに投稿することで、文字情報でも確認可能。指示もスマホでスマートに出すことができます。

在庫管理・発注業務の効率化

在庫管理や発注業務の効率化にも、店舗DXが大きな成果を発揮します。

例えば他店からの取り寄せや発注を行う場合、個人情報等をお客様自身でスマートフォンやタブレットに直接入力してもらうと、「お客様控え」を紙ではなくアプリで確認できるようになります。さらに、システムと自動連携して即時発注をかけられることでリードタイムが短縮され、お客様の手元に素早く商品が届けられるようになるでしょう。

店舗DXに取り組むデメリット

メリットの一方で、小売企業が店舗DXに取り組むことには、課題がないわけではありません。

  • 導入コスト・運用コストが発生
  • 従業員の理解が得られないことがある

導入コスト・運用コストが発生

店舗DXの課題として挙げられるのは、当然のことながら導入のコストがかかること、そして結果が出るまでに総じて時間がかかるという点です。

店舗DXの確実な実行には、長期的な視点でプロジェクトを推進できる予算と人的リソースの確保が必要不可欠となります。資金力がない小規模な店舗や、短いスパンで結果を求められる企業では、店舗DXを実現するのは難しいというのが実情です。

従業員の理解が得られないことがある

店舗DXの導入は、これまで慣れ親しんできた業務フローの変更とトレードオフの関係にあります。そのため、従業員の理解がなかなか得られないということもあるでしょう。デジタルを苦手とするベテラン社員から反対されるというケースも多いため、DX実現後の効果について丁寧に説明して納得してもらわなくてはなりません。

さらに、すでに社内で大規模なシステムを入れている場合、それ自体が障壁になる場合もあります。システムの規模が大きくなればなるほど、データの移行も容易ではなくなり、作業を担当する部署にかかる負荷が増大するからです。

店舗DXの第1歩はPOSレジ導入

ここまで店舗DXについて解説してきましたが、導入のファーストステップとして、まずはPOSレジシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?さまざな顧客データを一元管理できるPOSレジシステムの導入は、店舗DX推進のきっかけとなるもので、アナログレジとはまったく違った店舗運営が実現できます。

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まとめ

企業規模の大小を問わず、これからの小売業には店舗DXによる業務改革は欠かすことができません。店舗DXの導入にはまだまだ課題も存在しますが、それを相殺し凌駕する恩恵を受けられるポテンシャルを秘めています。貴社の業務効率を最大化させるための店舗DXを、ぜひ実行してください。

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