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2021.01.13
法律・制度 経営

脱税の時効は成立しない?個人事業主が実践したい節税を徹底解説

ある出来事があってから一定期間経過すると、権利が消滅し罪に問われなくなる「時効」。実は、納める税金についての罪、「脱税」にも時効は存在します。

しかし、仮に脱税をして時効を狙ったとしても、税金に関する時効は成立しにくいものです。今回は、健全な事業運営を目指す個人事業主の方が念のために押さえておきたい脱税の時効や罰則、正しい節税方法について解説します。

脱税の時効年数

民法には一定期間経過すると罪に問われなくなる時効という制度が存在しますが、税金についても時効はあります。税金の時効とは、国税の徴収権の消滅時効です。徴収権が消滅すると、国は税金を徴収できなくなります。つまり、脱税をしていたとしても、一定期間経過すれば罪に問われなくなるということです。

また、税金には時効のほかに、除斥期間という概念があります。除斥期間とは、税務署長が納税義務の確定手続きを行える期間のことです。納税義務が成立していても、確定せずに除斥期間が過ぎた場合は、税務署長が税金の金額を決められる権利である賦課権の行使による納税義務の確定ができなくなります。

時効も除斥期間も、期間の経過によって納税を免れるという点は共通しています。

今回は特に、個人事業主が納めなくてはならない所得税をはじめとする国税の時効について見ていきましょう。所得税に関する時効成立や除斥期間経過の年数には、以下の3つのパターンがあります。

  • 3年
  • 5年
  • 7年

3年で時効となる場合

課税標準申告書の提出が必要な国税のうち、申告書の提出があったものにかかる賦課決定の除斥期間は、3年と決められています。

しかし、2020年12月時点で、主要な国税のなかで課税標準申告書の提出が必要な国税はありません。所得税や法人税などは、自分で税額を計算した確定申告書を提出するからです。そのため、現実的には3年の除斥期間に当てはまることはほとんどないといえます。

5年で時効となる場合

国税通則法の第72条では、国税の徴収を目的とする国の権利が法定納期限から5年行使しなければ時効で消滅すると定められています。つまり、国が税金の徴収を行えるのは法定納期限から5年間であり、それが過ぎれば取り立てができないということです。

また、更正、決定および賦課決定の除斥期間についても、原則5年であると決められています。定められている除斥期間のうち、国税の納税免除につながる可能性が高いのは、この5年です。

7年で時効となる場合

偽りや不正行為などで脱税をしたことによる更正や決定などの除斥期間は、7年間です。意図的に所得を減らすなどの不正行為で脱税をした場合は、この排斥期間7年に該当します。

脱税の時効は成立しにくい

脱税の時効は成立しにくい

実際のところ、国税の徴収に関する時効はほとんど成立しません。その理由は、相手が税金のプロである税務署だからです。

まず、法定納期限から5年で成立する消滅時効についてですが、消滅時効には中断があります。これは、時効の基礎である事実を覆す別の事実が判明したときに、時効の進行が中断されることです。時効が中断されると、それまでの時効期間がリセットされ、中断後に改めてゼロから時効が進行することになります。

時効を中断できる理由には、請求や差押え、仮差押え、仮処分、承認などが挙げられます。つまり、税務署から更正や決定、賦課決定、納税の告知、督促、公布要求などがあった場合には、時効が中断されるのです。

税務署が税金の滞納を把握していないケースはほぼ考えられず、基本的には時効が成立する前に督促状の送付などがあります。それによって時効は中断・リセットされるので、国税の滞納に時効が成立するケースはほとんどないといって良いでしょう。

一方、ケースによって3・5・7年と決められている除斥期間については、時効と異なり中断やリセットがありません。これだけ見ると除斥期間の経過は時効の成立よりも簡単に思えるかもしれませんが、そうではありません。

繰り返しますが、税務署が税金の滞納や脱税を見逃すことは、ほぼありません。基本的には、除斥期間が経過するまでに督促状の送付や取り立てなどが行われます。差し押さえなどで強制的に税金を取り立てることも可能なので、除斥期間の経過によって納税が免除されるケースもほとんどないのです。

税務署は、税金を正しく徴収することが職務です。そのため、どのような理由であれ国税の納税を放置し免れられることはないと考えておきましょう。

脱税で受ける罰則・ペナルティ

確定申告の誤りなどで不本意に脱税をしていた場合でも、ペナルティが存在します。税務署による税務調査を受けたあと、申告した税金額に誤りがあった場合は、本来納付すべき税額を納めるとともに以下の税金が発生します。

  • 延滞税
  • 加算税

延滞税は、定められた期限より遅れて税金を納付する場合に、法定納期限翌日から完納する日までにかかる税金のことです。また、加算税には過少申告加算税や無申告加算税、または重加算税などがあります。

ちなみに、所得税は納付すべき税額の2分の1以上を期限までに納付すれば、残りの税額の納付を延長できます。延納する際は、年1.6%の利子税がかかることも覚えておきましょう。

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個人事業主の節税方法

個人事業主の節税方法

税金を少しでも安く抑えたいのであれば、過少申告などの不正ではなく正しい節税方法を取り入れるべきです。個人事業主の主な節税方法として、以下の6つが挙げられます。

  • 青色申告を行う
  • 経費にできる費用を知る
  • 家事按分を行う
  • 少額減価償却資産の特例を活用する
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)へ加入する
  • ふるさと納税の活用

青色申告を行う

まずは大前提として、青色申告を行いましょう。

個人事業主の確定申告方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告は、複式簿記による帳簿の記録が必要で、一方白色申告の場合は複式簿記による帳簿は不要で、より手軽に確定申告ができます。

確定申告が初めての方や複式簿記の知識がない方は、漠然とした不安から青色申告を避けてしまいがちです。しかし、青色申告をするだけで最大65万円の特別控除を受けられたり、赤字の繰越や減価償却の特例を活用できたりと、青色申告には多大な節税メリットがあります。納める税金額を少しでも安くしたいのであれば、まず青色申告を行うことが大切です。

青色申告を始めるためには、事前に税務署に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出しなければならないと決められているため、早めに提出しておきましょう。

なお、一度提出してしまえばそれ以降の確定申告は自動的に青色申告となるので、毎年申請書を出す必要はありません。

経費にできる費用を知る

賢く節税するために必要なのが、経費の知識です。経費とは、事業を行う際にかかる費用のこと。経費を理解し正しく計上することで、節税につながります。

個人事業主が納めなくてはならない所得税額は、所得の金額で決まります。所得とは、売上から必要経費を引くことで算出するものです。つまり、経費が多くなればなるほど所得は少なくなり、納めるべき所得税額も安くなります。

経費を正しく計上するうえで重要なのは、それぞれの費用がどの勘定科目に当てはまるかというルールを明確にすることです。例えば、コピー用紙やボールペンであれば消耗品費、移動にかかったタクシー代は交通費、名刺を作成するためにかかった費用は広告宣伝費など、ルールを決めておくことで帳簿付けがしやすくなります。

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経費で落とすとは?知っておきたい経費の基礎知識

家事按分を行う

自宅で仕事をしている個人事業主の場合、家事按分を行えば賢く節税できます。自宅で仕事をすると家賃や光熱費などの費用が発生しますが、これらはプライベートでもかかる費用なので、全額を経費とすることはできません。家事按分とは、生活費と事業にかかった経費を合理的な基準で分けることです。

按分比率は個人事業主自身が決められますが、合理的な基準を用いなければ税務調査で指摘されることもあります。そのため、どの程度の費用が経費にあたるか公平に考えるようにしましょう。

少額減価償却資産の特例を活用する

青色申告をしている個人事業主は、少額減価償却資産の特例を活用できます。

減価償却資産とは、事業用の資産で1個あたり10万円以上の耐久性のある資産を指します。例えば10万円以上のコピー機やパソコンなどを購入した場合は、減価償却資産となります。通常であれば決められた耐用年数の間、毎年減った分の価値を経費として計上していかなければなりません。

しかし青色申告者は、1個あたり30万円未満の少額減価償却資産の購入や使用を開始した年度に一括で経費に計上できるとする特例を受けられます。確定申告時に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付するだけで一括計上できるため、手軽に節税ができるのです。なお、事業年度中に購入した少額減価償却資産の取得価額が300万円までなら、すべて特例の対象となります。

白色申告の場合、一括で経費計上できる少額減価償却資産は1個あたり10万円未満と決められているため、例えば15万円のパソコンなどは一括で経費にできません。10万円を超えるものは固定資産として計上し、何年もかけて減価償却費として経費計上する必要があります。

少額減価償却資産の特例も、青色申告の大きなメリットといえるでしょう。

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iDeCo(個人型確定拠出年金)へ加入する

個人事業主の節税方法として高い人気を誇るのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入です。

iDeCoとは、確定拠出年金法に基づき実施されている私的年金制度で、申込者自身が掛金を拠出し運営方法を選んで資産を形成します。そして掛金と運用益の合計額を、将来給付として受けられるのです。

iDeCoが個人事業主から人気を集めているのは、掛金全額が所得控除となるからです。iDeCoの掛金上限額は国民年金の加入区分ごとに決まっており、自営業者である個人事業主の掛金上限は月額6.8万円と最も高く、上限に設定すれば1年で81万6,000円になります。それが全て所得控除として認められるため、大きな節税につながるのです。

原則として60歳になるまで受け取れないため、現在の節税をしながら将来のための貯蓄ができるとして高く評価されています。

ふるさと納税の活用

近年話題を集めているふるさと納税も、個人事業主の節税に有効な制度です。ふるさと納税は、事実上2,000円の負担で地域の特産品をはじめとする返礼品がもらえる制度で、賢く使えば節税につながります。

ふるさと納税による節税効果を得るためには、確定申告をしなければなりません。個人事業主はもともと確定申告を行っているので、ふるさと納税を取り入れやすいのです。

個人事業主がふるさと納税を活用する場合の控除上限額の目安は、住民税決定通知書に記載されている住民税所得割額の2割程度とされています。目安金額の8割程度にとどめておけば、お得に節税できる可能性が高くなります。控除上限額を超えて寄付をすると、超えた分は純粋な寄付となり税控除の対象にはならないので注意が必要です。

まとめ

税金にも時効が存在しますが、実際には時効が成立することはほとんどありません。誤った申告や意図的な脱税はペナルティにもつながるため、個人事業主の方は正しく確定申告をしましょう。

納める税金額を安くしたいのであれば、個人事業主が使える節税方法を取り入れて所得を抑えるのが賢い道です。自身が始められそうな節税方法がないか、チェックしてみてください。

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