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2021.02.12 2021.02.12
法律・制度

青色申告と白色申告の違い~節税効果とメリット・デメリットについて

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類が存在し、それぞれにメリットや注意点があります。ここでは、青色申告と白色申告の違いについて詳しく解説します。

「青色申告」と「白色申告」の違い

青色申告と白色申告には、大まかに次のような違いがあります。

項目青色申告白色申告
65万円の特別控除ありなし
記帳方式複雑シンプル
経費対象項目多い少ない

青色申告を選択すると、確定申告時に最大で65万円の特別控除を受けられます。しかし、白色申告では控除はありません。記帳方式にも違いがあります。青色申告のほうが複雑で、白色申告はシンプルです。

また、青色申告を選択すると経費となる項目が多くなるため、白色申告よりも多くの経費を計上できる可能性があります。

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「青色申告」と「白色申告」の所得税計算

青色申告と白色申告で、所得税にどのくらいの差が出るのか、簡単に計算してみましょう。

年間の総売り上げが1,000万円、経費の総額が350万円だったときの青色申告と白色申告の所得税額を比較します。

  • 青色申告の場合

青色申告では、青色申告特別控除として所得から65万円、55万円、10万円のいずれかの金額を差し引くことができます。所得税は、「課税所得×税率-速算表に基づく控除額」の計算式で算出できます。

控除額によって変わる所得額と所得税額の例は次の通りです。

 青色申告 控除65万円青色申告 控除55万円青色申告 控除10万円
総売上1,000万円1,000万円1,000万円
経費総額350万円350万円350万円
所得金額650万円650万円650万円
所得控除65万円55万円10万円
基礎控除48万円48万円48万円
課税所得537万円547万円592万円
税率と控除額税率20% 控除額42万7,500円税率20% 控除額42万7,500円税率20% 控除額42万7,500円
所得税額64万6,500円66万6,500円75万6,500円
  • 白色申告の場合

白色申告では、青色申告のような特別控除がありません。同じ例で所得税を計算すると次のようになります。

 白色申告
総売上1,000万円
経費総額350万円
所得金額650万円
所得控除なし
基礎控除48万円
課税所得602万円
税率と控除額税率20% 控除額42万7,500円
所得税額77万6,500円

今回の例では、青色申告と白色申告で所得税額に最大13万円の差が生じます。

青色申告のメリット

青色申告のメリット

青色申告を行うメリットは次の通りです。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 純損失の繰越し・繰戻しが可能
  • 専従者給与を経費として計上できる
  • 貸倒引当金の計上が可能
  • 家賃・光熱費の一部を経費として計上できる

青色申告は会計処理が複雑な分、さまざまな特典が用意されています。特別控除や損益通算などの方法で、所得税の負担を軽減できるのです。

最大65万円の特別控除が受けられる

青色申告者は、所得の特別控除を受けられます。特別控除には3段階の控除額があり、10万円、55万円、65万円いずれかの青色申告特別控除を受けることができ、所得からいずれかの金額の控除を行うことで、所得税の負担を軽減できます。

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青色申告特別控除とは?最大65万円の控除をうけるための適用要件と節税効果

純損失の繰越し・繰戻しが可能

青色申告者は、確定申告の結果赤字となった場合、損失の繰り越しや繰り戻しが可能となります。

「損失の繰り越し」は損益通算とも呼ばれるもので、その損失分を翌年から最長で3年間繰り越せます。例えば、翌年の確定申告時に黒字だった場合、前年の赤字分を黒字分から差し引き課税所得を減らせます。

「純損失の繰り戻し」は、今年の損失を前年の黒字分に繰り戻すことで還付を受ける方法です。繰り越しが翌年以降3年間の所得税の支払を軽減するのに対し、繰り戻しは現金を受け取れます。

専従者給与を経費として計上できる

個人事業主が事業の業務で家族の協力を得ている場合、その給与を専従者給与として全額を経費にできます。所得から差し引ける経費が増えれば、その分課税所得が少なくなり節税効果を見込めます。

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専従者とは?青色申告専従者の控除額や注意点について

貸倒引当金の計上が可能
「貸倒引当金」とは、取引先が倒産などで売上金・売掛金を受け取れなくなってしまうリスクに備え、あらかじめ損失額を予測して計上しておくお金のことです。貸倒引当金は損失として計上でき、将来の支出に備えてその分のお金を手元に残しておくことができます。

ただし、貸倒引当金は1年ごとに計算しなければならないため、貸倒引当金を計上したにもかかわらず取引先が倒産しなかったときには、貸倒引当金を全額戻し入れる必要があります。

家賃・光熱費の一部を経費として計上できる
自宅で業務を行う青色申告者は、家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。プライベートで使用している分と事業で使用している分を区別し(家事按分)、事業で使用している分を経費として計上しましょう。

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青色申告のデメリット

一方、青色申告にはデメリットとなる部分もあります。

  • 「青色申告承認申請書」を提出する必要がある
  • 複式帳簿で記帳しなければならない

税の負担を軽減できる特典が複数ある青色申告ですが、青色申告者になると会計処理が複雑になるのはデメリットといえるでしょう。

「青色申告承認申請書」を提出する必要がある

青色申告者になるためには、青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。これを忘れてしまうと、いくら願っても青色申告を行えません。

青色申告を行いたい方は、開業から2ヵ月以内に青色申告承認申請書を提出しましょう。すでに開業されている方は、3月15日までに税務署に申請書を提出します。

青色申告承認書を期日までに提出できなかった場合、青色申告の適用は翌年からとなる点に注意しましょう。

複式帳簿で記帳しなければならない

青色申告者で65万円の特別控除を受けるには、複式簿記で複数の帳簿を作成・記帳しなければなりません。複式簿記では、1つの取引に対し複数の勘定科目を用いて仕訳を行います。

青色申告のための複式帳簿で、必要になるのは主要簿といわれる仕訳帳と総勘定元帳、それに補助簿と呼ばれる6つの帳簿です。補助簿には現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳があります。

  • 仕訳帳…すべての取引を日付順に仕訳した帳簿
  • 総勘定元帳…仕訳帳の取引を種類ごとにまとめた帳簿
  • 現金出納帳…現金の出入りをまとめた帳簿
  • 預金出納帳…事業用口座の入出金をまとめた帳簿
  • 売掛帳…後払いの売上の取引をまとめた帳簿
  • 買掛帳…後払いの支払の取引をまとめた帳簿
  • 経費帳…経費計上できる必要経費をまとめた帳簿
  • 固定資産台帳…減価償却する固定資産をまとめた帳簿

このように、事業で行った取引を複数の帳簿で管理するため、白色申告よりも会計処理にかかる負担が増えてしまいます。

白色申告のメリット

白色申告のメリット

白色申告では、複式ではなく単式簿記で記帳でき、税務署に何らかの届け出を行う必要がありません。

  • 単式簿記で記帳できる
  • 届出を出していなくても確定申告できる

単式簿記で記帳できる

白色申告で行う単式簿記による記帳は、「何日にどのような理由でいくら受け取ったか」「いくら支払ったか」をそのまま記帳するだけでよいため、青色申告よりも簡単に会計処理を行えます。家計簿と同じように帳簿付けを行えるので、簿記に関する知識がない方でも問題なく進められるでしょう。

また、白色申告で使う法定帳簿は細かな書式が定められていません。収入金額と必要経費が記帳されていれば大丈夫です。

届出を出していなくても確定申告できる

白色申告を行う事業者は、青色申告のように何らかの書類を税務署に届け出る必要がありません。開業届を提出する必要がないため、確定申告のみを行い、所得税を支払うことになります。

白色申告のデメリット

ただし、白色申告には次のようなデメリットもあります。

  • 65万円の特別控除が受けられない
  • 純損失の繰越し・繰戻しができない

65万円の特別控除が受けられない

青色申告者であれば受けられる、最大で65万円の特別控除が受けられません。

特別控除は所得から差し引けるもので、課税所得を減らして所得税の負担を軽減できます。白色申告では、この制度を利用できないため青色申告よりも所得税の負担が大きくなる可能性があります。

純損失の繰越し・繰戻しができない

白色申告では純損失の繰越し・繰戻しができないため、赤字が出た翌年に黒字になった場合でも、翌年の黒字額はそのままで納付する所得税の金額も変わりません。

会計ソフトを活用した青色申告がおすすめ

会計ソフトを活用した青色申告がおすすめ

確定申告にかかる作業負担の軽減を考えると、白色申告を選択したくなるかもしれません。しかし、青色申告の各種特典には大きなメリットがあります。複式簿記・複式帳簿が簡単にできるのなら、青色申告を選ぶべきといえるでしょう。

青色申告の帳簿づけにかかる負担を軽減するためには、会計ソフトを活用しましょう。クラウド型の会計ソフトに銀行口座やクレジットカードを同期させれば、取引がすべて自動でソフトに取り込まれるようになります。自動で入力されたデータは、各種帳簿に自動記帳されるため、確定申告時に必要な帳簿の出力も容易です。

会計ソフトによっては、青色申告承認申請書の作成も簡単にできるサービスを提供しています。これから開業する方、青色申告に切り替える方は、同時にクラウド型の会計ソフトの利用を検討してみましょう。

会計ソフトを活用した確定申告例

会計ソフトを活用すると、青色申告に必要な帳簿・書類を次のステップで作成・出力できます。

  1. 家計簿感覚で経費入力
  2. 二択の質問に答えて各種控除を自動算出
  3. 自動作成された確定申告書を税務署に郵送or電子申告

会計ソフトを導入したら、経費を支払った際のレシートや領収書を見てソフトに取引を入力します。登録の際には、「支出か収入か」を選び、1つの勘定科目を選択して日付・金額を入力するだけで勘定科目が貸方・借方に自動で入力されます。

各種控除の入力も簡単です。「国民年金基金に加入していますか?」「小規模企業共済の掛け金を支払っていますか?」などの質問に「はい」か「いいえ」の2択で答え、はいの場合は金額等を画面にならって入力するだけです。

登録した取引は各種帳簿に自動で記帳されるので、確定申告時には自動で作成された確定申告書を税務署に提出するだけで完了します。最後に、確定申告書に記載された所得税を支払えば、確定申告にかかるすべての業務が完了します。

まとめ

個人事業主の確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。それぞれに特徴が異なるため、自分の事業の収支状況や納税状況に合わせて選択しましょう。

ただし、一定以上の売上があるのなら、青色申告者になり各種控除を受けたほうが節税効果を見込めます。帳簿付けなどの経理処理に不安があるという方は、会計ソフトを活用するなどの工夫をしましょう。

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