業務効率化と売上アップを支援するクラウドPOSレジ「ポスタス」
2021.03.09
機能

POSデータとは?分析手法やエクセルを活用した分析方法について解説

販売促進や売上向上に役立てることができるPOSデータですが、実際にどのように活用すれば効果的なのか、そのアプローチがよくわからないという店舗経営者の方も多いのではないでしょうか? こちらでは、POSデータとは何か、データの実際の活用方法や分析方法について説明します。

POSデータとは

POSデータとは

POSデータとは、POSシステムによって得られた各種データの総称です。POSデータには、購買された商品名、金額、日時、店舗、購買した顧客の情報などさまざまなデータが含まれています。

POSデータは、POSシステムが搭載されたレジから収集されるもので、商品が購入された際に取得したデータをリアルタイムで集積していきます。

POSシステムとは

POSシステムは、販売時点の情報を管理するシステムのことです。

POSは「Point of Sale:販売時点情報管理」の略称で、会計時に取得した情報を収集し、分析に活用できるものです。データはデータセンター内のPOSサーバーまたはクラウド上に保存され、いつでも情報を引き出せます。

このPOSシステムの利用により、店舗単位でのデータ管理はもちろんのこと、複数店舗をもつ企業であれば各店舗のPOSデータを本部で横断的に管理できるようになります。

関連記事
POSシステム(ポスシステム)とは?機能・特徴・メリットと最新の動向

POSレジとは

POSレジとは、POSシステムを搭載したレジのことです。POSシステムを搭載していないレジは、会計を行うだけの機能しか有していませんが、POSレジの場合、どのような商品がいつどの店舗で購買されたのかを記録できるようになります。

関連記事
POSレジ(POSシステム)とは?導入メリットや業種別比較、補助金について徹底解説

POSデータの問題点

POSデータの活用にあたっては、データの漏洩や破損、停電時にPOSシステムが利用できないなど、デメリットも合わせて理解しておきましょう。

・データの取り扱い
POSシステムでは、オンライン上に各種電子データを保存するため、顧客情報等が流出してしまう危険性が少なからずあります。また、システムのトラブルでデータが破損してしまい復帰できない、などのトラブルも考えられます。

・オフライン時の対応
インターネットが遮断された場合、POSシステムだけでなく、POSレジやPOSレジの周辺機器も動かなくなってしまいます。

なぜPOSデータが重要なのか

POSデータを紐解くことで、自社・自店舗の商品の動きや売筋・死筋商品の把握が容易になるとともに、PL管理、在庫管理、顧客管理を効率的に行えるようになります。

また、POSシステムで収集したデータは各種分析に応用できます。さまざまな角度からPOSデータを分析することで、経営の改善・売上向上のために今やるべきことが見えてくるようになるのです。

POSデータの分析手法

POSデータの分析手法

収集したPOSデータの分析にはさまざまな手法を取り入れられます。

  • ABC分析:商品の売筋・死筋を把握できる
  • トレンド分析:商品の売りどきを見極められる
  • バスケット分析:合わせて売れるクロスセル商品がわかる
  • RFM分析:顧客に効率的にアプローチできる

それぞれどのようなものなのか見ていきましょう。

ABC分析

ABC分析は、販売データを3つにランク分けして分析する方法です。

  • よく売れている商品
  • あまり売れていない商品
  • どちらともいえない商品

売筋・死筋商品が明確になり、発注量の調節などでコストダウンを図れます。

トレンド分析

商品の販売数を時系列で分析すると、その商品がどの時期に売れているのかが分かります。これがトレンド分析です。季節ごとに売れる商品が分かれば、発注やPRの時期を調整できます。

バスケット分析

ABC分析、トレンド分析でどの商品がどの時期によく売れているのかがわかるようになれば、バスケット分析によって「あわせて販売することで売れやすい商品」も分かるようになります。

例えば、夏によく売れる麦茶と素麺を並べて陳列する、さらに消化しやすいスープ類を並べて陳列するなどの方法で、購買意欲を高める工夫を行えます。

RFM分析

RFM分析は、各顧客が商品を「いつ」「どのくらいの頻度で」「どのくらいの金額を」購入しているのかを指標にして、優良顧客、リピーター、離反顧客を可視化するものです。

これによって、アプローチしやすい『優良顧客』に販売促進活動を行うなどの方法を採用し、売上の向上を目指せるようになります。

関連記事
RFM分析とは?エクセルを使った分析方法やデシル分析との違いを解説

エクセルを活用した分析方法

ここからは、ABC分析、トレンド分析、RFM分析の3つに絞り、エクセルを活用したPOSデータの分析方法を紹介します。

ABC分析のやり方

ABC分析のやり方は次の通りです。

  1. データを入力する
  2. 売上金額の大きい順に並び変える
  3. 売上高構成比率を算出する
  4. 売上高構成比率累計を算出してランク付けする

データを入力する

データを入力する

エクセルのシートに、商品名、商品の単価、売上数量、売上金額を入力します。売上金額は、「商品の単価×売上数量」の数式を入れて自動計算させます。

売上金額の大きい順に並び変える

売上金額の大きい順に並び変える

次に、売上金額が大きい順に並べ替えます。データタブ(①)にある「並び替え」をクリック(②)して、順序を「大きい順」に設定(③)し実行しましょう。

売上高構成比率を算出する

売上高構成比率を算出する

個別の商品が全体の売上の何パーセントを占めているのかを算出します。「売上高構成比率」の列を作り、「個別商品の売上金額÷全体の売上高」の計算式(①)を入力して自動計算させます。

計算結果は小数点で表示されるため、結果のセルを選択して(②)、パーセンテージ表示(③)に変更しましょう。

売上高構成比率累計を算出してランク付けする

売上高構成比率累計を算出してランク付けする

最後に、売上高構成比率累計を算出してランク付けします。

まずは、売上高構成比率累計を算出しましょう。売上構成比率累計は、売上高構成比率を累計して、売上全体の割合を示したものです。

売上高構成比率累計を算出してランク付けする

次に、ランクの定義を決めます。ここでは、Aランクを60%未満、Bランクを60%以上90%未満、Cランクを90%以上としました。

最後に、IF関数(=IF(売上高構成比率累計のセル番号<60%,”A”,IF(G2<90%,”B”,”C”)))を用いてランクを表示させれば、ABC分析によるランク分けの完了です。

トレンド分析のやり方

ある商品がどの月によく売れているのか、エクセルを使用して簡単なトレンド分析を行ってみましょう。

  1. 商品ごとの月次売上データをエクセルに入力する
  2. ピポットテーブルを作成する

商品ごとの月次売上データをエクセルに入力する

商品ごとの月次売上データをエクセルに入力する

商品ごとの売上データをエクセルに入力しましょう。数期分のデータがあると、より傾向が分かりやすくなるため、画像では、直近3年分のデータを入力しています。

ピポットテーブルを作成する

ピポットテーブルを作成する

入力したデータを範囲指定(①)して、挿入タブ(②)からピポットテーブルをクリックし実行(③)します。

ピポットテーブルは、行に月を、値に数量と金額を入れます。すると、画像のように数年分の月の売上データが合計され、指定した数年のうち、商品がどの月によく売れたのかが分かります。

RFM分析のやり方

エクセルを使いRFM分析を行ってみましょう。

  1. 顧客データを入力する
  2. 最終購入日、購入件数、累積購入金額を顧客ごとに集計する
  3. R:最終購買日からの経過日数を割り出す
  4. RFMそれぞれのランクを定義づけ割り当てる

顧客データを入力する

顧客データをエクセルに入力します。データには、顧客ID、購買日、購買数、購買金額が必要です。

最終購入日、購入件数、累積購入金額を顧客ごとに集計する

最終購入日、購入件数、累積購入金額を顧客ごとに集計する

すべて入力し終わったら、ピポットテーブルで顧客データを集計します。入力したデータを選択した状態で、挿入タブからピポットテーブルをクリックします。

行に顧客IDを、値に購買日、購買数、購買金額を入れると画像のようにデータがまとめられます。

さらに、完成したピポットテーブルを選択+コピーして、新規シートにペーストしましょう。

R:最終購買日からの経過日数を割り出す

R:最終購買日からの経過日数を割り出す

次に、顧客ごとの最終購買日からの経過日数を算出します。まずはピポットテーブルをコピーしたシートの表に「最終購買日からの経過日数」の列(①)を作りましょう。基準日を設定(②)して、セル内に入力しておきます。分析日時点を基準日としたいのなら、空白のセルに「今日の日付」を入力します。

そして、最終購買日からの経過日数のセルに「=基準日のセル(列の英数字を$で囲む)-最終購買日のセル」を入力して計算(③)します。最後の行まで計算式をコピー(④)すると、すべての顧客の最終購買日からの経過日数が表示されます。

RFMそれぞれのランクを定義づけ割り当てる

ここまで計算したらランクの定義を決め、空白のセルに挿入します。最終購入日から45日以内ならランク3、55日以内ならランク2、50日以上はランク1といった体裁です。

ランクR
最終購入日からの経過日数
F
購入頻度
M
累積購入金額
345日以内5回以上30000円以上
255日以内3回以上10000円以上
155日以上1回のみ5000円未満

この定義をもとに、IF関数でランク分けを行います。

表にR・F・Mそれぞれの列を作り、Rは最終購入日からの経過日数、Fは購入数、Mは購買金額の数値を使いグループ分けを行いましょう。これで、RFM分析の結果が表示されます。

ランク別に色分けを行えば、どの顧客が優良顧客なのかが一目でわかるようになります。

エクセル初心者はBIツールでPOSデータを分析

エクセルを使用する分析方法では、ピポットテーブルや関数を使用するため、知識とある程度の経験が必要になります。エクセルを使いこなすのが難しい方は、BIツールを利用したPOSデータ分析を活用してみましょう。

BIツールとは

BIツールとは、企業に蓄積されている大量のデータを抽出して分析、可視化するツールです。対象となるデータは、顧客リストから営業データ、売上データなどさまざまですが、データの種類を問わず、自動で分析して結果を可視化してくれます。

自社で使用している既存のシステムとBIツールを連携させることにより、手間なくあらゆるデータを経営に活かせるようになるでしょう。

BIツールで分析できること

BIツールを用いれば、次のような分析もツールにすべて任せられます。

  • ABC分析
  • クロス分析
  • 比較分析
  • 傾向分析
  • プライスライン分析
  • ベスト分析など

日々蓄積されている膨大なデータをあらゆる角度で分析して可視化するBIツールを活用すれば、よりスピーディーな経営判断が可能になります。

まとめ

POSシステムを搭載したPOSレジを使用することで、購買データからさまざまな分析を行い、経営に役立てることが可能になります。一方で、POSデータをエクセルによって分析するのは手間がかかるため、スピーディーな分析がかなわず経営判断に遅れが生じることもあるでしょう。

POS+ では、複数店舗にまたがるPOSデータも自動で集計して経営状況の可視化を行える、店舗データ分析サービス「POS+ assist」を展開しています。企業の宝ともいえる購買データを経営に生かすべく、自社・自店舗の状況を明確化できるPOS+ assistのご利用をぜひご検討ください。

「POS+ assist」について、詳しくはこちらをご覧ください。

店舗データ分析サービス「POS+ assist」

多店舗管理や売上・仕入分析もスムーズ

多機能POSレジ

関連記事

2022.07.12 POS 法律・制度 経営

【2024年度】POSレジ導入に利用できる補助金・助成金の種類と申請方法まとめ

飲食店
2022.07.12 POS 経営

チェーンストアとは?定義や種類、今後の展開について解説

小売店
飲食店
2022.07.12 POS 店舗管理 機能 経営

小売業の店舗分析方法~データ分析を行うべき理由と効果

小売店