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2020.07.20 2022.03.17
店舗管理 法律・制度 経営

軽減税率の対象業種・対象商品|線引きの基準や店舗に求められる対応

2019年10月1日より消費税率が8%から10%に引き上げられましたが、レシートを見ると「8%」と表示されている商品があることに気づくのではないでしょうか。これが「軽減税率」の対象品で、生活必需品などの一部物品に関しては従来通りの税率8%で購入ができるのです。

本記事では、軽減税率の対象となる業種や、それを決める基準、またPOSレジによる軽減税率への対応策などを解説します。

軽減税率の対象業種

2020年時点での軽減税率の対象業種は、以下になります。

  • 卸売業・小売業
  • 製造業
  • 飲食店業
  • 農林水産業

卸売業・小売業

食品をメインに扱う卸売業や小売業では、多くの商品が軽減税率の対象品目となります。スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店では、軽減税率の対象とならない医薬品の健康ドリンクや酒類、玩具付きの菓子類など、一般の食品との線引きが難しい商品も取り扱うことが多いため、商品は陳列棚を分ける、価格表示にPOPを付けて分かりやすくするなど、工夫が必要です。

新聞は定期購読の場合のみ軽減税率の対象となり、コンビニで販売している新聞は対象外となるので注意してください。

【卸売業・小売業で注意すべき品目】

税率税率8%(軽減税率の対象)税率10%(軽減税率の対象外)
品目食料品全般医薬品・医薬部外品の健康ドリンク
酒類
玩具付きの菓子類
ばら売りの新聞(定期購読は8%)

製造業

製造業

製造業のうち、食品製造業はとくに軽減税率とのかかわりが深い業種です。ソーセージ・ハムなどの肉加工品や、ヨーグルト・チーズなどの乳製品など加工食品を製造する業種は、売上も仕入もほとんどが軽減税率の対象となります。

食品製造業で注意すべき点は、食品添加物として食用目的に販売されるのか、工業用として販売されるのかによって、同じ製品でも税率が変わってくることです。たとえば、塩(融雪剤など工業材料としてもつ使われる)、氷、金箔などがそれにあたります。

【製造業で注意すべき品目】

税率税率8%(軽減税率の対象)税率10%(軽減税率の対象外)
品目食品としての塩
かき氷用、ロックアイス用などの氷
食品添加物としての金箔
工業材料としての塩
保冷用、ドライアイスなどの氷類
工業材料としての金箔

また、BtoB(企業間取引)取引についても注意が必要です。メーカーや食品卸業者が、飲食店や小売に食材や食品を販売する場合は、販売先が飲食店業かどうかは関係なく、酒類と一体資産の一部を除き軽減税率が適用されます。

飲食店業

飲食店で食事した際の「食事代」は、軽減税率の対象ではありません。しかし、食事を持ち帰って食べる「テイクアウト」は、軽減税率の対象となります。

スーパーやコンビニエンスストアなどで「イートインスペース」を併設している場合は注意が必要です。店内で購入した飲食品を自宅等に持ち帰れば税率は8%ですが、イートインスペースで飲食する目的で購入したものであれば税率10%が適用されます

その線引きは非常に曖昧ですので、イートインスペースを有する小売業者は、お客様へのアナウンス方法や従業員の教育まで、徹底して行う必要があるでしょう。

【飲食店業で注意すべき品目】

税率税率8%(軽減税率の対象)税率10%(軽減税率の対象外)
品目持ち帰り用のお弁当、お惣菜などイートインスペースで飲食する目的で購入したお弁当、お惣菜など

なお、店のすぐ前に置いていたベンチで飲食する人が多い場合、それは常設のイートインスペースだと税務署に判断されてしまう可能性があります。自店の状況をかんがみて、判断が微妙な場合は、事前に税務署に問い合わせておくとよいでしょう。

農林水産業

農林水産業

食肉や鮮魚などを販売する農林水産業も、製造業と同様に「販売目的」によって同じ商品であっても税率が変わります。

たとえばトウモロコシを販売する場合、人の食用であれば税率8%が適用され、家畜用のえさであれば10%になります

ただし、人が食べる肉や野菜・果物等を、あえて家畜のえさとして利用する場合には、販売名目が「食品」のため軽減税率の対象となります。

【農林水産業で注意すべき品目】

税率税率8%(軽減税率の対象)税率10%(軽減税率の対象外)
品目人の食用となる肉・鮮魚・野菜・果物等(これらを家畜のえさとして用いた場合も同様)家畜のえさ用の飼料等
熱帯魚など観賞用の魚

軽減税率の対象にならない業種

飲食のサービスを含んでいるのにもかかわらず、軽減税率の対象にならないのは、以下のような業種です。

  • 宿泊業
  • 旅客運送業
  • 医療

宿泊業・娯楽業

ホテルのルームサービスや、宴会場・会議室などでの飲食物の提供は、軽減税率の対象になりません。また、映画館や美術館、カラオケボックス、ネットカフェ、テーマパークなどで提供される飲食についても、同じく対象外です。

これらは、飲食物が提供された場所(ホテル内や映画館内)で確実に飲食されるものであるため、外食と同様とみなされるからです。

ただしテーマパークなどの屋外施設で提供されるアイスクリームやスナック類は、軽減税率の対象としていることが多いようです。食事を提供する場所のすぐそばに、椅子・テーブルの設置があるかどうかが基準となりますが、運営会社で判断が分かれる場合もあるため、事前にルールを設けておく必要があります。

旅客運送業

飛行機の国内線で提供される機内食は、軽減税率の対象外です。この理由も、宿泊業・娯楽業のケースと同様に、食事が提供された場所で確実に飲食されるものとみなされるからです。

一方、新幹線や特急列車内のワゴンサービスや売店でお弁当や飲み物を購入した場合は、軽減税率の対象となります。新幹線などの場合は降りる直前に購入するというケースも多々あるため、税率8%が適用されているのです。

国税庁のホームページには、「座席にメニュー表が置かれている場合」「乗車前から飲食物を予約している場合」は列車内での飲食を前提としているため、軽減税率の対象外となると明記されています。

医療

医療

入院中に提供される病院食は、もともと消費税の非課税対象であるため、税金がかかりません。ただし、患者の自己負担で特別メニューなどの提供を受けた場合は課税対象となり、外食と同様に10%の消費税が適用されます。

老人ホームや高齢者住宅などで提供される食事には、原則的には軽減税率8%が適用されますが、「一食につき640円以下」「一日の累計額が1,920円」など金額に上限が設定されています。

なお、外部の給食事業者が老人ホーム等に食事を提供する場合は、老人ホーム運営者に対する「サービスの提供」と判断されるため、軽減税率の対象とはなりません。

軽減税率の対象品目と基準

これまで見てきたように、軽減税率の対象品目は主に次の2つです。

  • 飲食料品
  • 新聞

具体的にどのような品目が軽減税率の対象となるのかを、次項にまとめます。

飲食料品

  • 肉、魚、野菜などの生鮮食品
  • 米、パン、麺類
  • ヨーグルト、ハム、豆腐などの加工食品
  • 冷凍食品
  • 菓子類、アイスクリーム
  • 清涼飲料水、ミネラルウォーター、コーヒーなどの飲料
  • ノンアルコールビール
  • 調味料
  • テイクアウトの料理、出前
  • 学校給食、老人ホームで提供される食事
  • 果物狩りで収穫し、購入した果実

新聞

  • 週2回以上発行される全国紙を定期購読する場合
  • 週2回以上発行される地方紙を定期購読する場合
  • 週2回以上発行されるスポーツ新聞を定期購読する場合

軽減税率の対象にならない飲食料品

飲食料品や新聞であっても、軽減税率の対象にならないものもあります。具体的には下記の品目が、軽減税率の対象外にあたります。

  • 酒類
  • みりん・料理酒などアルコールを含む調味料(アルコール1%未満のみりん風調味料はOK)
  • ケータリングなど、客側の注文に応じた場所で調理・給仕を行うもの
  • いちご狩りのいちごなど、園内で食べる果実
  • テイクアウトの料理とセット販売されている酒類(料理は8%、酒類は10%)
  • 電子版の新聞、キオスクやコンビニで都度購入する新聞は対象外

軽減税率への対応

軽減税率への対応

消費税アップや軽減税率の適用によって、どの業種でも「何が軽減税率の対象で、何が対象外なのか」を従業員に理解させるために、多くの時間を費やしました。

また、消費税8%と10%に対応できるよう、新しいレジを導入してシステムを入れ替えたり、商品バーコードを作り替えたりする作業も増えました。

POSシステムならややこしい計算もゼロ

POSシステムとは、バーコードを利用して金額を読み取る会計システムのことです。POSシステムを搭載したPOSレジなら、バーコードに情報を登録しておくだけで自動的に消費税額を計算し、8%もしくは10%を加算してくれます

小売店で旧式のレジスターを使っている場合は、早めにPOSレジに変更することをおすすめします。

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まとめ

2019年10月から導入された新しい消費税の仕組みである、軽減税率。欧米諸国ではかなり以前から導入されていますが、日本では初めての試みになるため、社会全体に浸透するまでにしばらく時間がかかるかもしれません。軽減税率の対象・対象外の品目についておさらいし、納税ミスや徴収忘れがないように心がけてください。

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