手軽にキャッシュレス決済を導入できるQRコード決済が人気です。本記事ではQRコード決済の導入コストと、各決済の特徴を合わせて比較しました。数多くあるQRコード決済の中から、貴店に最適なサービスはどれなのか。比較検討のご参考にしてください。
QRコード決済の導入方法
QRコード決済を導入するには、QRコード決済を提供する事業者に加盟店の申請を行う必要があります。
多くのQRコード決済事業者では、個人事業主も本人確認書類を用意しておけば簡単に申請できます。その後審査に通ると、QRコード決済のスタートキットが届く流れです。
QRコード決済導入にかかる費用
ユーザー側がQRコードを読み取って決済を行う方法であれば、QRコードを掲示するためのステッカー等は事業者から無料で提供してもらえます。
一方、店舗側がユーザーの端末に表示されたQRコードを読み取る方式では、店舗側が使う端末代や通信費は加盟店の負担となります。
QRコード決済導入のメリット・デメリット
QRコード決済を導入すると、店舗側・利用者側、それぞれに次のようなメリットとデメリットが生まれます。
【店舗側のメリット】
- 手軽にキャッシュレス決済を導入できる
- 各社のキャンペーンによって集客数の向上が期待できる
- インバウンド対応にもなる
- 他のキャッシュレス決済手段と比べ、導入コストが低い
- 現金のやり取りをしなくてよいので衛生対策になる
- 会計対応の負担を軽減できる
【店舗側のデメリット】
- 売上の入金額に下限を設けている決済会社を小規模事業者が利用すると、入金額に到達するまでに時間がかかる可能性がある
- 店舗で用意したQRコードがすり替えられて、第三者に送金されてしまう可能性も
- ユーザー側で不正利用が起こった場合に、ユーザーとのトラブルが発生する可能性がある
【利用者側のメリット】
- 会計がスムーズになる
- QRコード決済事業者が行うキャンペーンや割引、ポイントを活用できる
- クレジットカードと合わせてポイントを二重で受け取れることも
- スマートフォンだけ持っていれば買い物等ができる
- アプリで履歴をチェックすれば家計の支出の把握も容易に
- 複数人での食事の際の割り勘もスムーズになる
【利用者側のデメリット】
- すべての店舗で利用できるわけではない
- スマートフォンがないと会計できない
- スマートフォンがインターネットに接続されていないと利用できない
- スマートフォンの充電が切れてしまうと利用できない
各社QRコード決済のサービス比較
QRコード決済事業者各社のサービス内容や費用は以下のような状況になっています。
運営元 | 導入費用 | 決済手数料 | |
PayPay | PayPay株式会社 | 無料 | 無料(2021年9月30日まで) |
LINE PAY | LINE Pay株式会社 | 無料 | ・無料(2020年7月31日まで) ・2021年8月以降2.45%~ ※オンライン決済は物販・サービスで3.45%、デジタルコンテンツでは5.5% ※StarPayは3.45% |
楽天ペイ | 楽天ペイメント株式会社 | 無料(先着3,000店舗まで) | 2.95%(税抜)~ |
au PAY | KDDI株式会社 | 無料 | 無料 ※2021年7月31日まで。通常時3.25% |
d払い | 株式会社NTTドコモ | 無料 | ・2.6%(※2021年3月31日まで無料) ・3.24%(※Airペイ、もしくはクラウドペイと契約時) |
メルペイ | 株式会社メルペイ | 無料 | 2020年8月1日より2.6% ※2021年6月30日まで決済手数料実質無料キャンペーン |
Amazon Pay | Amazon | 無料 | ・4%(デジタルコンテンツ以外) ・4.5%(デジタルコンテンツ) |
Sma-sh Pay | 株式会社 ラッセル | 無料 | 3.8%~ |
FamiPay | 株式会社ファミマデジタルワン | 不明(要問合せ) | 2.94% ※2021年3月31日まで無料 |
pring | 株式会社pring | 無料 | 不明(要問合せ) |
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PayPay
PayPayの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 0.5%~1.5% |
ポイント付与上限 | 月15,000円 |
支払いタイプ | 店舗またはユーザー読み取り式(店舗による) |
公式サイトURL | https://PayPay.ne.jp/ |
導入方法
PAYPAYの導入方法は次のとおりです。
- PayPayホームページより加盟店申し込みを行う
- PayPayより申し込みフォームのリンクが送信される
- フォームに審査情報を入力する
- 審査結果がメールアドレスに届く
- PAYPAYコードキットが登録住所に届く
- 店頭にPAYPAYコードを設置して完了
導入費用
PayPayは導入費用がかかりません。ただし、ランニングコストとして決済手数料と入金手数料が発生します。決済手数料は2021年9月30日まで無料です。以降の手数料についてはPayPayに問い合わせましょう。
入金手数料は月1回の入金もしくはジャパンネット銀行への入金なら無料、累計決済金が1万円以上で都度入金の場合は税込み105円となっています。
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PayPayの加盟店手数料は?他サービスとメリット・デメリットを比較
LINE Pay
LINE Payの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 1%~3% |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | ユーザー読み取り型・店舗用アプリ・オンライン決済 |
公式サイトURL | https://pay.line.me/portal/jp/main |
導入方法
LINE Payの導入方法は次のとおりです。
- 公式サイト右上にある「加盟店お申込み」ボタンをクリックする
- 申し込みフォームに必要事項を入力して申し込む
- 審査が完了するとスターターキットが登録した住所に届く
- QRコードを設置して完了
導入費用
LINE Payの導入費用は0円です。決済手数料は2021年7月31日まで無料、以降は2.45%~5.5%の手数料がかかります。
楽天ペイ
楽天ペイの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 1%~1.5% |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | ユーザー読み取り式・店舗読み取り式 |
公式サイトURL | https://smartpay.rakuten.co.jp/ |
導入方法
楽天ペイの導入方法は次のとおりです。
- 楽天ペイのホームページから申し込みを行う
- 審査が通ったら、楽天ペイアプリをダウンロードする
- 加盟店管理画面からカードリーダーを購入する
- カードリーダーと端末をセットアップする
- QRコード、カードリーダー、タブレット・スマートフォンをレジ付近に用意しておき決済に備える
導入費用
2020年7月現在、楽天ペイの導入費用は無料です。ただし、これは「先着3,000店舗まで」のキャンペーンで、申し込みが3,000店舗に達した時点でカードリーダーとプリンターが有料化されます。
また、売り上げに対して決済手数料がかかります。こちらは決済手段によってパーセンテージが異なり、3.24%または3.74%となっています。
au PAY
au Payの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 0.5%~1.5% |
ポイント付与上限 | キャンペーン外の通常ポイントは上限なし |
支払いタイプ | ユーザー読み取り式・店舗読み取り式 |
公式サイトURL | https://biz.aupay.wallet.auone.jp/ |
導入方法
au Payの導入方法は次のとおりです。
- 申し込みフォームから申し込む
- 審査結果メールを確認する
- 申し込み時に登録した住所にスタートキットが届く
- 店舗用au Payアプリをダウンロードする
- QRコードを設置して完了
導入費用
au Payの導入は無料で行えます。初期費用、入金手数料、決済手数料も無料です。ただし、決済手数料無料は2021年7月31日までの期間限定となっており、以降は3.25%の決済手数料が発生します。
d払い
d払いの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 0.5%~2.0% |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | ユーザー読み取り式、店舗(POSレジ・タブレット)読み取り式 |
公式サイトURL | https://service.smt.docomo.ne.jp/keitai_payment/corporation/shop.html |
導入方法
d払いの導入方法は次のとおりです。
- メルペイ/d払いのホームページより、加盟店の申し込みを行う
- メールで審査結果が届く
- スタートキットが届く
- QRコードを設置する
- POSレジやタブレット端末で読み込む場合は各種設定を行う
導入費用
d払いは、2020年9月からメルペイと一緒に使えるようになります。導入コストだけでなく、決済手数料も無料です。ただし、決済手数料無料は期間限定で、d払いは2021年3月31日、メルペイは2021年6月30日までとなっています。以降は2.6%の決済手数料が発生します。
メルペイ
メルペイの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 通常ポイント還元なし |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | ユーザー読み取り式・店舗読み取り式 |
公式サイトURL | https://www.merpay.com/merchant/price/ |
導入方法
メルペイの導入方法は次のとおりです。
- メルペイ/d払いのホームページより、加盟店の申し込みを行う
- メールで審査結果が届く
- 申し込みフォームで登録した住所にスタートキットが届く
- QRコードを設置してお客様に読み取ってもらう、または店舗の端末でお客様のQRコードを読み取る
導入費用
メルペイの導入費用は無料です。月額固定費もなく、低コストで利用できます。決済手数料は2021年6月30日まで無料ですが、以降は2.6%の決済手数料がかかります。入金手数料は通常200円で、一万円以上のおまとめ入金を選択した場合は無料です。
Amazon Pay
Amazon Payの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | なし |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | 店舗読み取り式、オンライン決済 |
公式サイトURL | https://pay.amazon.co.jp/ |
導入方法
Amazon Payの導入方法は次のとおりです。
- Amazon Payのホームページより、申し込みを行う
- 審査完了後、通知が届く
- 利用開始の流れや準備するものについて、不明点は問い合わせながら設定・設置を行う
- ユーザーの端末に表示されているQRコードを読み取る
導入費用
Amazon Payは導入費用・月額費用無料で利用できます。取引手数料や振込手数料もありません。決済手数料はデジタルコンテンツ以外で4%、デジタルコンテンツでは4.5%発生します。
Sma-sh Pay
Sma-sh Payの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | なし |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | 店舗読み取り型 |
公式サイトURL | https://smashpay.jp/ |
導入方法
Sma-sh Payの導入方法は次のとおりです。
- 申し込みフォームに必要事項を入力して申請する
- 審査結果がメールで届く
- 専用アプリをダウンロードして設定する
- お客様の端末に表示されているQRコードをレジ機能で読み取る
導入費用
手持ちのスマートフォンを使用するため、導入費用は掛かりません。入金手数料も無料です。ただし、加盟店手数料として3.8%が売上金額から差し引かれます。
FamiPay
FamiPayの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
ポイント付与上限 | なし |
支払いタイプ | 店舗読み取り型 |
公式サイトURL | https://www.family.co.jp/famipay/app.html |
導入方法
2020年7月現在、ファミペイはファミリーマートのみの展開となっており、一般の店舗は加盟店になれません。ファミリーマートの店舗以外でのファミペイ決済サービスは2020年10月頃スタートの予定です。
導入費用
前述のとおり、一般の加盟店は募集していないため、導入費用等も不明です。
pring
Pringの特徴を見ていきましょう。
内容 | |
ポイント還元率 | – |
ポイント付与上限 | – |
支払いタイプ | ユーザー読み取り式 |
公式サイトURL | https://www.pring.jp/shop/ |
導入方法
Pringの導入方法は次のとおりです。
- Pringホームページより、加盟店申し込みを行う
- 開設完了の連絡が届く
- アプリをインストールする
- お客様にQRコードを読み取ってもらう
導入費用
pringの導入にかかる費用はありません。また、振込先をみずほ銀行に指定した場合、売上金は翌営業日に自動的に入金されます。初期費用、月額費用、振込手数料は無料ですが、決済手数料がかかります。決済手数料は公表されていないため、加盟申し込みの前に問い合わせてみましょう。
まとめ
QRコード決済サービスを提供している会社によって、導入費用や入金手数料、決済手数料に違いがあります。導入コスト、ランニングコストとともに、それぞれの会社がもつユーザーの属性も加味しつつ、導入するQRコード決済の会社を選定しましょう。
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なお、クラウドPOSレジ「POS+」ご利用事業者様も、QR決済端末との連携により、QRコード決済を手軽に導入いただけます。PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、LINE Pay、メルペイなど、QRコード決裁大手サービスをはじめ、各種決済方式に対応可能です。店舗業務の効率化と売り上げ促進をサポートする「POS+」の導入もぜひご検討ください。