日本でもキャッシュレス決済が普及しつつあります。本記事では、日本でも普及しつつあるキャッシュレス決済のメリットとデメリットを解説します。さらに、キャッシュレス決済とPOSレジを連携させることで得られるメリットについても説明するので、キャッシュレス決済の導入を検討している方は参考にしてください。
キャッシュレス決済の店舗側のメリット
近年、現金を使わずに支払いができるキャッシュレス決済の導入が進んでいます。キャッシュレス決済は、消費者だけでなく店舗にも多くのメリットがあります。キャッシュレス決済を導入することで店舗が得られるメリットは、主に以下の3つです。
- レジ管理の手間が省ける
- 顧客単価が上がる
- 客層を広げられる
レジ管理が楽になる
キャッシュレス決済を導入することで、レジの作業が楽になるというメリットがあります。顧客と直接現金のやり取りをしなければ、預り金やお釣りを数え間違えることはありません。ヒューマンエラーを防げるので、レジ担当者は楽に作業ができるようになります。
また、預り金やお釣りを何度も数え直す手間が省けるため、スムーズな会計が実現するのもキャッシュレス決済の魅力です。忙しい時間帯でもひとりにかかる会計の時間が短く済むため、レジの混雑を解消することができます。レジの混雑が解消されれば顧客の満足度も高まり、再来店や売上アップにつなげることも可能です。
顧客単価が上がる
キャッシュレス決済を取り入れることは、顧客単価の上昇につながります。これは、クレジットカードや電子マネー、モバイル機器などを活用したキャッシュレス決済の方が、現金よりも支払いへのハードルが低くなる傾向があるからです。
現金で支払うとお金がその場で減るため、お金を使ったという実感が湧きやすいもの。一方、キャッシュレス決済を利用した場合、お金はその場で減らずに後日請求されます。そのため、お金を使ったという実感が得にくく、つい多く支出してしまうことになるのです。
客層を広げられる
キャッシュレス決済を導入することで、客層を広げることが可能です。
近年では、支出把握の手軽さや財布を持ち歩かない気楽さにメリットを感じ、支払いをキャッシュレスに限定している人もいます。そのため、キャッシュレス決済を導入していない店舗は、このような人たちに商品やサービスを提供することができず、顧客獲得のチャンスを逃しているのです。
また、外国人観光客が多い観光地などでは、キャッシュレス決済の導入によって顕著に客層が広がります。海外には、日本よりもキャッシュレス決済が浸透している国が多くあります。さらに、手持ちの現金をわざわざ両替するよりキャッシュレス決済を利用する方が手軽なので、外国人観光客の多くはキャッシュレス決済ができる店舗を優先的に利用します。
キャッシュレス決済のデメリット
これまで説明してきたとおり、キャッシュレス決済にはさまざまなメリットがありますが、キャッシュレス決済を導入しようと考えている方は、デメリットもきちんと知っておく必要があります。キャッシュレス決済を取り入れることで店舗が受けるデメリットは、主に以下の2つです。
- 不具合発生や停電で使えなくなる
- 決済手数料がかかる
不具合発生や停電で使えなくなる
電気や通信の不具合によって決済ができなくなる可能性があることは、キャッシュレス決済の大きなデメリットです。災害による停電や通信障害が起きてしまうと、端末を使用するクレジットカードなどのキャッシュレス決済は利用できません。
そのため、現金決済やオフラインでも使える決済など、キャッシュレス決済が使用できなくなったときでも会計ができる方法をあらかじめ準備しておく必要があります。
決済手数料がかかる
キャッシュレス決済は、決済手数料(加盟店手数料)がかかることもデメリットです。店舗がキャッシュレス決済を導入するときは、決済金額の数%を決済手数料として契約会社に支払わなくてはなりません。
キャッシュレス決済の加盟店手数料相場
キャッシュレス決済の加盟店手数料は、決済方法によって大きく異なります。以下に4つの主要な決済方法ごとの相場をまとめました。
- クレジットカード決済
- 電子マネー決済
- QRコード決済
- スマホ決済アプリ
店舗の規模や業種、顧客層、販売商品の単価などによって最適な決済方法は異なります。導入を検討する際は、複数の決済方法を比較検討し、自店に合った選択をすることが重要です。
クレジットカード決済
最も普及している決済方法で、手数料は一般的に3〜5%程度です。VISA、MasterCard、JCBなどが代表的です。大手チェーン店や取引量の多い店舗では交渉により2%台に抑えられることもありますが、小規模店舗では5%を超えるケースもあります。
電子マネー決済
Suica、PASMO、nanaco、WAONなどが該当し、手数料相場は3〜4%程度です。小額決済が多いため、1回あたりの実質負担は数円から数十円になることが多いです。交通系ICカードは利用頻度が高く、導入効果が期待できます。
QRコード決済
PayPay、楽天ペイ、LINE Payなどが該当し、手数料は0〜3%程度と幅があります。普及促進のため無料期間やキャンペーンを実施しているサービスも多く、導入コストが低いのが特徴です。ただし、サービスごとに利用条件が異なるため、注意が必要です。
スマホ決済アプリ
Apple Pay、Google Payなどが該当し、サービスによって1〜3.25%程度と幅があります。決済金額に応じて段階的に手数料率が変動するサービスもあります。既存の決済端末で対応できる場合が多く、導入がスムーズです。
※2024年10月時点の情報です。
キャッシュレス決済はPOSレジ連携がおすすめ
キャッシュレス決済は、POSレジと連携させることでさまざまなメリットを受けられます。POSレジとは、顧客との金銭のやり取りが発生した時点の販売情報を登録し管理する「POSシステム」を搭載したレジのことです。キャッシュレス決済を導入するときは、レジとキャッシュレス決済端末をそれぞれ別に使用する方法か、レジとキャッシュレス決済端末を連携させて使う方法が選べます。
キャッシュレス決済とPOSレジを連携すると得られるメリットは、主に以下の2つです。
- 売上データを記録できる
- 業務の効率化を図れる
売上データを記録できる
POSレジは、いつどの商品がどれくらい売れたのか、データとして登録することができます。そのため、POSレジとキャッシュレス決済端末を連携させることにより、キャッシュレス決済の売上データを詳細に記録することができるのです。
商品が売れた時間帯や個数などを分析することで、効果的なマーケティング戦略を立案でき、売上アップにもつながります。
業務の効率化を図れる
キャッシュレス決済とPOSレジを連携させること1回の操作で支払いが完了するため、業務の効率がアップします。
連携させていない場合、キャッシュレス決済で支払いを終えたあと、POSレジに会計データとして同じ金額入力しなければなりません。これは二度打ちと呼ばれ、会計に時間がかかってしまう原因となります。
さらに、二度打ちをすることで金額を間違えて入力してしまうリスクもあります。キャッシュレス決済とPOSレジの連携は、ヒューマンエラーを防ぎ、手間を削減して業務の効率化に貢献するのです。
関連記事
レジのクレジットカード決済への対応~POSレジとの連携でよりスムーズに
POSレジ連携にデメリットはある?
POSレジは、キャッシュレス決済と組み合わせることでより多くの恩恵を受けられます。しかし、一般的なレジに比べると機能が多く、使いこなすのが大変というデメリットがあります。また、デジタル端末の扱いに慣れていないスタッフは、操作を覚えるまでに時間がかかってしまうかもしれません。
関連記事:POSレジとは?POSシステムとの違いや導入メリットと機能比較を解説
キャッシュレス決済導入が進む背景
昨今、日本政府は店舗にキャッシュレス決済の導入を促しています。その理由として、今後も増えると予想されるインバウンド需要への対応があげられます。日本よりもキャッシュレス決済が浸透している国は数多くあり、観光客の利便性が高まることから、導入を促しているのです。
まとめ
キャッシュレス決済のメリットやデメリットに加え、キャッシュレス決済とPOSレジを連携がおすすめな理由について紹介しました。
キャッシュレス決済は、今後ますます普及していくと考えられます。キャッシュレス決済のメリットとデメリットをきちんと把握したうえで、POSレジとの連携も含めて導入を検討しましょう。
よくある質問
「レジ管理の手間が省ける」「顧客単価が上がる」「客層を広げられる」などがあります。また、外国人観光客が多い観光地などでは、キャッシュレス決済の導入によって顕著に客層が広がります。海外には、日本よりもキャッシュレス決済が浸透している国が多く、キャッシュレス決済ができる店舗を優先的に利用すると言われています。
キャッシュレス決済とPOSレジを連携メリットとしては「売上データを記録」「業務の効率化」があげれます。これらデータ管理することで戦略に役立てたり、業務の効率でコスト削減したりと最終的には売上最大化が期待できるでしょう。