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2020.10.01
法律・制度

個人(フリーランス・個人事業主)は税務調査の対象になる?選定基準や調査内容

法人だけではなく、フリーランスや個人事業主の方でも、税務調査を受ける可能性はゼロではありません。本記事では、どんな場合に税務調査が入るのか、フリーランスが税務調査を受ける確率、万が一調査に入られた場合の対処法など、フリーランス・個人事業主への税務調査について詳しく解説します。

税務調査とは

税務調査とは、確定申告時に提出した申告書類の内容に不備があった場合や、悪質な所得隠しが疑われる場合に、税務署の職員が実地調査を行うものです。調査対象は法人に限らず、フリーランスや個人事業主でも税務調査を受ける可能性があります

また、税務調査には「強制調査」と「任意捜査」の二種類があり、それぞれ次のような違いがあります。

【強制捜査】
国税局査察部(通称マルサ)が行う調査のことで、「査察調査」とも呼ばれます。強制調査は、明らかに法律に違反している疑いのあるものが対象となり、調査結果に応じて罰則の適用を求めるという、犯罪の取締りを前提とした調査です。裁判所による強制的な執行力があり、犯罪捜査と同じような方法で調査が進められます。

【任意調査】
税務署などが行う通常の税務調査のことをいいます。任意調査というだけあって、調査には納税者の同意が必要です。任意調査は、前もって日時を決めてから訪問する「事前予告調査」と、予告なしでいきなり事務所を訪れる「無予告調査(現況調査)」があります。

税務調査の目的

税務調査の目的

日本では、納税者が自らの納税額を計算した上で申告・納税する「申告課税方式」が採用しているため、国民が正しく納税しているかを国が確かめる必要があります。

税務調査とは、いわば国民から適正額の税金を確実に集めるために行われるものであり、脱税などの不正行為を起こさせないための抑制効果も兼ね備えています。

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税務調査の内容

税務調査の主な内容と、調査の流れは下記のとおりです。

  1. 事前通知
    税務調査は、通知なしにいきなり実地調査に訪れることはほぼなく、事前に調査の日程調整を行った上で実行します。まず、税務署から納税者宛に税務調査を行う旨の電話連絡があり、税務署側の調査希望日時が伝えられます。日程は納税者の希望も考慮され、お互いに都合の良い日が決められます。納税者に顧問弁護士がいる場合は、弁護士に対し事前通知が行われます。
  2. 実地調査
    税務署員が実際に会社や事務所に訪れ、2~3日(個人の場合は1~2日)かけた実地調査が行われます。顧問税理士がいる場合には、税務調査に立ち会います。実地調査では、事業の概要や現状についての質問や、帳簿や領収書、請求書などのチェックをします。訪問する税務署の調査官の人数は、1~2人程度です。
  3. 調査結果の連絡
    実地調査後、税の申告について問題が発覚した場合は、調査後に税務署から連絡があります。税務署から指摘された事項について再び納税者側で確認を行い、質問に答えなければなりません。調査の決着がつくまでは、何度か税務署とやりとりを繰り返すことになります。実地調査で何も問題がなければ、その旨の通知があり税務調査は終了となります。
  4. 修正申告
    税務署から指摘を受け、確定申告時に所得税を過少に申告していた場合は、修正申告を行います。修正申告書の作成・提出を行い、追加の税金を納付すれば、税務調査は終了となります。

税務調査の時期

税務調査が入る時期は、調査対象者の決算期に応じて異なる目安があります。決算期が2~5月の法人は7~12月の調査が多く、決算期が6~翌1月の法人は1~6月の調査が多くなります。

ただし、実際には3月決算の法人が大多数であり、フリーランス・個人事業主などの確定申告も3月15日が締め切りのため、調査は7~12月に集中することになります。

また、6月末の税務署の人事異動を経て7月から書類の審査が始まるため、実際に会社や事務所を訪問する実地調査は9~12月頃に行われることが大半のようです。

個人に税務調査が入る確率は?

国税庁が2019年に公表した「税務行政の現状と課題」によると、個人事業主・フリーランスに対して税務調査が入る確率は、2017年度ではわずか1.1%となっています(法人は3.2%)

およそ100事業者に対して1件程度の割合ということで、個人事業主・フリーランスが税務調査を受ける確率は低いといえるでしょう。ただし、一度指摘を受けた個人事業主はいわゆる“目を付けられた”状態であるため、再び税務調査が入る確率が高いので注意が必要です。

個人が税務調査の対象となる選定基準

個人が税務調査の対象となる選定基準

税務調査の対象になりやすいフリーランス・個人事業主は、下記のような条件の方が多いようです。

・ 1,000万円以下の売上申告が続いている場合
申告から遡って2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、消費税を納める義務が発生します。そのため、消費税を納めなくていいよう、売上をぎりぎり1,000万円以下で申告しているケースが多く見られます。売上が1,000万円以下の状況が続くと、脱税目的の過少申告を疑われ、税務調査に入られやすくなります。

・現金商売の場合
現金商売の場合、売上金が銀行口座などに振り込まれることがないため、正しい売上額が把握しにくくなります。不当な過少申告をしても発覚しづらいため、税務署も常に目を光らせることになり、税務調査が入りやすくなります。業種でいうと、バーやクラブ、風俗業、不動産代理仲介などを営む個人は、調査対象となる確率が高いようです。

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個人に税務調査が入った場合

個人に税務調査が入る場合、概ね実地調査の10日程前には税務署からの事前通告があります

事前通告を受けてから、実施調査までには数日間の猶予があることになりますが、その期間を利用して、過去数年間の業務推移をまとめたり、確定申告時に使用した総勘定元帳や領収書の控え等の書類をそろえたりしておくと、調査がスムーズに進みます。

調査官への応対に不安がある場合は、この期間に顧問弁護士に相談しておくのも一つの手です。

個人の税務調査はどこまで調べるか

フリーランス・個人事業主が税務調査を受ける際、調査範囲は基本的に法人の場合と変わりません。

事業を営むうえでの帳簿関係や業績をまとめた資料をもとに、調査が進んでいきます。フリーランスの場合でも銀行口座の取引履歴は確実に調べられますので、仕事用と個人利用で一つの口座を兼用しているとやっかいです。チェックが煩雑になるうえ、私的利用のお金を経費に計上して不正申告していると疑われかねません。税務申告のためにも、フリーランス・個人事業主の方は必ず仕事用の銀行口座を作るようにしましょう。

また、自宅を事務所兼務としているフリーランス・個人事業主の方は、自宅に調査官が足を運ぶことになります。プライベート空間にまで踏み入られないように、できるだけ業務上の書類は一つの部屋のデスクにまとめておくようにしましょう。

個人の追徴課税

個人の追徴課税

追徴課税とは、確定申告で届け出た納税額と、修正申告や更正処分を受けて算出された税額との差額分が徴収されることです。

税務調査の結果、追徴課税がない(=申告是認)と認められることは全体の1割程度で、税務調査後ほとんどが追徴課税の対象となります。

申告是認には、「全く修正の必要がない場合」と「ミスはあるが、修正申告の必要はない場合」の2つのケースがあります。

遡及期間が7年になることもある

通常の税務調査は、その年度の確定申告から遡って3年分の申告内容が調査対象となりますが、問題や違法行為が発覚した場合はそれぞれ5年、7年と遡及期間が長くなります。

脱税などの深刻な違法行為を行っていた場合は最大過去7年に遡って追徴課税を課されるため、多額の税金を納めなくてはなりません。

【税務調査の遡及期間】

  • 通常の税務調査・・・過去3年
  • 過去3年分の帳簿書類で問題が見つかった場合・・・過去5年
  • 脱税や税法上の見解の違いなどが見つかった場合・・・過去7年

まとめ

フリーランス・個人事業主であっても、得られた収入に応じた税金を納める義務があることには変わりありません。不正な申告を行ったり、急に収入が増えた、あるいは減ったという年度がある場合は、税務署に疑義をもたれ税務調査の対象となってしまいます。確定申告のルールをきちんと理解し、正しい納税を心がけましょう。

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