業務の効率化に「セルフレジ」を導入する方が増えてきました。しかし、導入費用を考えると一体いくらになるのかわからず悩んでしまいます。
本記事では、セルフレジの導入費用を本体価格とランニングコストに分けて紹介します。また、導入のコストを抑えるための補助金についても解説しているので、ご覧ください。
セルフレジの導入コスト

セルフレジの導入には、以下の費用がかかります。
- 機械本体の初期費用
- システム手数料
- インターネット通信料
- 周辺機器をレンタルした場合のレンタル料 など
「フルセルフレジ」と「セミセルフレジ」によって異なるため、それぞれ詳しく解説していきます。
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フルセルフレジの初期費用とランニングコスト
フルセルフレジの導入・運用には以下の費用がかかります。
機械本体価格 | 100万円〜300万円 |
保守・メンテナンス費用 | 月額2万円~10万円程度 |
POSシステム利用料 | 無料~月額数万円程度 |
インターネット通信料 | 月額5,000円程度 |
周辺機器をレンタルした場合のレンタル料 | プランによるが月額数千円~数万円程度 |
フルセルフレジの場合、レジ本体と精算機が一体になっているため、セミセルフレジと比較すると、価格を抑えられる傾向にあります。しかし、インターネット環境が整っていない場合は、回線工事が必要となり、追加費用が増える可能性があるので注意が必要です。
セミセルフレジの初期費用とランニングコスト
セミセルフレジの導入・運用には以下の費用がかかります。
本体価格(レジ本体と精算機) | 100万円〜400万円 |
保守・メンテナンス費用 | 無料から月数万円 |
インターネット通信料 | 月額5,000円程度 |
上記に加え、レジを稼働させるための電気代がかかります。
セミセルフレジの場合、登録は従業員がおこない、精算はお客さまがおこないます。そのため、レジ本体と精算機の両方を導入する必要があり、全体の導入費用が高い傾向にあります。
レジ本体がおおよそ100万円〜150万円、精算機が200万円〜300万円が相場の価格です。レジ本体と精算機両方で高価な機種を導入すると400万円ほどの値段になる可能性があります。
セルフレジの費用対効果とは
費用対効果とは、セルフレジの導入にかかる費用に対して、どれだけ効果や利益が出るのかを表す言葉です。セルフレジを導入すると費用がかかりますが、フルセルフレジの場合は、従業員が接客をする必要がなくなる分、人件費が削減されます。
セミセルフレジの場合は、精算が必要なくなるので、従業員の業務を効率化することが可能です。また、従業員が直接現金を扱わなくなるため、不正防止や盗難リスクの低減につながります。
業務の効率化によって、ピーク時の顧客の待ち時間も短縮されるため、満足度向上につながる点も費用対効果と言えるでしょう。セルフレジを導入する際は、費用に対してどの程度の効果や利益が生まれるかをあらかじめ考えておくとコスト削減につながり、自店舗の利益になります。
セルフレジとは
セルフレジとは、お会計をお客さま自身でおこなうレジシステムを指します。商品のスキャンは、セルフレジの種類によって異なります。従業員が会計をするのではなく、お客さま自身が会計を済ませるレジです。
とくに、コンビニエンスストアやスーパーマーケットをはじめ、多くの店舗で見かけるようになりました。
従業員のサポートが必要ですが、業務が大幅に効率化されるようになり、顧客満足度もアップしています。セルフレジの種類は大きく分けて2種類あり、「セミセルフレジ」と「フルセルフレジ」になります。
セルフレジについての詳しい内容は、以下をご覧ください。
関連記事:セルフレジ(自動精算機)とは?種類や導入メリットと事例も解説!
セルフレジの種類
セルフレジの種類は大きく分けて以下の2種類があります。
- セミセルフレジ
- フルセルフレジ
以下では、それぞれの種類について詳しく説明していきます。
それぞれの特徴と違いについて知ると、より自店舗に合ったセルフレジを選べます。
レジの種類については、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
関連記事:レジの種類は?各レジの特徴やメリット、選び方・比較ポイントを解説
支払いのみをおこなうセミセルフレジ

セミセルフレジとは、商品の登録を従業員がおこない、支払いをお客さま自身がおこなう種類のレジを指します。商品の登録を従業員がおこなうので、登録ミスや万引き防止のメリットがありますが、会計をお客さまに任せられるので、従業員は登録業務に集中しやすくなります。
フルセルフレジと比べると操作しやすく、お客さまの負担が軽減される点も魅力です。また、キャッシュレス決済の場合、個人情報が守られるのも大きなメリットです。
しかし、登録自体は従業員がおこなうため、人件費削減を考えている場合には不向きな種類と言えます。フルセルフレジと比べると機械の値段が高い傾向にあるため、導入を検討する際は利益や効果をしっかり考える必要があります。
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支払いから精算までおこなうフルセルフレジ

フルセルフレジとは、商品の登録から精算まで一貫してお客さま自身がおこなう種類を指します。従業員の業務は、サポートをする程度なので、人件費削減の効果が見込めます。
また、操作に慣れているお客さまの場合は、レジに並ぶよりもスムーズに買い物ができるため、顧客満足度がアップするのも魅力です。
しかし、操作に慣れていないお客さまの場合は、徹底的にサポートをしなければならないので、従業員がフルセルフレジについて詳しく理解をしておく必要があります。
従業員がレジ業務をおこなわないため、万引きのリスクがある点には注意が必要です。監視カメラの設置や従業員がきちんと支払いを済ませているか確認しなければなりません。
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セルフレジのメリット・デメリット
ここでは、具体的なセルフレジのメリット・デメリットを、セミセルフレジとフルセルフレジの2種類に分けて詳しく解説します。
上記の内容で紹介した通り、どちらの種類にもメリット・デメリットが多くあるため、導入する際の参考にしてください。

セミセルフレジを導入するメリット・デメリット
セミセルフレジのメリットは以下の通りです。
- 従業員の業務効率化につながる
- お客さまのプライバシーを守れる
- フルセルフレジとは異なり商品の登録ミスがない
- 万引きのリスクがない
- 回転率が向上する
- フルセルフレジと比較するとお客さまの負担は少ない
反対に、セミセルフレジのデメリットは以下の通りです。
- 人件費削減にはならない
- 使い方をお客さまにレクチャーしなければならない場合もある
- レジ前に設置スペースが必要
- お客さまの操作に時間がかかる場合もある
セミセルフレジは業務の効率化とお客さまの負担の少なさの両方のバランスが取れた種類です。人件費の削減の効果は低めですが、業務効率化とお客さまの利便性においては、非常に優れた種類と言えます
フルセルフレジを導入するメリット・デメリット
フルセルフレジのメリットは以下の通りです。
- 人件費を削減できる
- 業務を効率化できる
- 衛生面に配慮できる
- お客さまのプライバシーを守れる
- 待ち時間の短縮化が見込める
フルセルフレジのデメリットは以下の通りです。
- 万引きや商品登録のミスが起こる
- お客さまが操作に慣れない場合は、時間がかかる
- お客さまの負担が増えるため顧客満足度が下がる可能性がある
フルセルフレジは業務の効率化や人件費削減とメリットが多めですが、顧客満足度が低下する可能性があるのも特徴です。また、万引きや未登録商品が出てきてしまう可能性もあるので、リスク対策をしましょう。
導入のコストを抑えるなら補助金を活用する
セルフレジを導入する際に、できるだけ費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。そこで検討しておきたいのが補助金です。
ここでは、以下の3種類の補助金について詳しく解説します。
- IT導入補助金
- 業務改善助成金
- 小規模事業者持続化補助金
それぞれ、解説していきますので、ぜひ参考にしてください。また、どの補助金も申請が必要になるので注意してください。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際、経費の一部が補助される制度を指します。申請は電子でおこない、受給までの期間が短い点が特徴です。IT導入補助金をもらえるのは1回のみで、経費によって金額が異なります。
最大で450万円が限度になっているので注意してください。セルフレジ導入時に利用すると、コストを抑えられるでしょう。
参考: IT導入補助金2025
業務改善助成金
業務改善助成金は、国が提供する助成金を指します。企業が効率的な働き方を実現するために新しいシステムや道具を導入し、その結果として従業員の給与(時給など)を改善するために、提供される助成金です。
セルフレジも対象になる可能性があります。導入することによって、人件費を削減しつつ従業員の給与を改善したいと考えている方におすすめの助成金です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模な事業者向けの補助金制度です。
対象者には条件には、商業・サービスの場合は従業員数が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他の場合は20人以下と定められています。
通常枠と特別枠に分かれており、通常枠では50万円が補助上限額となります。特別枠には種類がありますが、いずれも補助上限は200万円です。また、通常枠と特別枠両方で、補助率は2/3になります。
参考:小規模事業者持続化補助金
価格以外で重要なポイント
セルフレジの導入において、価格以外でも重要な要素があります。
具体的な要素は、以下のとおりです。
- 操作性
- サポート体制
それぞれのポイントについて解説します。
操作性
従業員もお客さまもスムーズにレジを使用できるように操作性は、セルフレジを導入する際の重要なポイントになります。
セルフレジを利用するお客さまは、子どもから高齢者までさまざまな年齢層になります。操作性のよいものを選ばないと、サポートが必要になり、かえって業務が滞ってしまう可能性があります。
また、操作が難しいという印象を与えてしまうと、利用者がセルフレジを避けてしまい、本来の導入目的である人件費の削減や顧客満足度の向上が達成できなくなってしまいます。
セルフレジの操作性を向上させるためには、直感的な操作ができるものや、わかりやすいデザインのものを選ぶとよいでしょう。
関連記事:【2025年最新】セルフレジメーカー12社比較!種類・選び方を業種別に解説
サポート体制
故障時やトラブル時のサポート体制も、セルフレジを選ぶ際には重要なポイントです。
長く利用していくものになるので、万が一に備えてしっかり確認をしておくといいでしょう。
導入後のサポートには以下の種類があります。
- オンラインや電話でサポート
- 実際に店舗に来て直接サポート
企業ごとにサポートの種類もさまざまなので、設置する店舗に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
本記事ではセルフレジの導入費用について解説しました。セルフレジは種類ごとに初期費用やランニングコストが異なります。メリット・デメリットもあるため、どちらを選ぶにしても、デメリットを小さくできるような導入方法を考える必要があります。
また、費用が気になる方も多いかと思いますが、操作性やサポート体制など、導入後についても検討しなければなりません。本記事で解説した費用と価格以外の重要なポイントを比較しながら、自社に合ったセルフレジを導入してください。
セルフレジ導入についてよくある質問
人材不足解消が目的であればフルセルフレジのほうが高い効果を期待できます。一方、機械に不慣れな高齢者のお客さまが多い店舗では、セミセルフレジで一部の業務だけをセルフ化するのが良いでしょう。
セルフレジと従来の有人レジの大きな違いは、全ての工程を店員が行うか、一部または全てを利用者が行うかという点です。
従来の有人レジでは、商品のバーコードスキャンから支払い、お釣りの受け渡しまで全てを店員が担当していました。一方、セルフレジは精算のみ、あるいはバーコードのスキャンも含めた全ての作業を利用者が自ら行うという違いがあります。
レジ操作を利用者に任せることで、人材不足解消や経費削減の効果が見込めることからセルフレジを導入する企業が増えています。
参考サイト:日本経済新聞
セルフレジとは 省人化へ日本では2003年に導入
セルフレジの利用客6割に スーパーも導入、民間調査
良品計画、国内「無印良品」の6割にセルフレジ