近年、飲食店の注文方法はデジタル化とともに大きく進化しています。中でもオーダーエントリーシステムは、スタッフの業務効率化と顧客満足度の向上を同時に実現できるツールとして注目を集めています。
一方で、システムの種類やサポート体制はサービスごとに異なるため、自店舗に最適なものを導入するには比較検討が欠かせません。
本記事では、代表的なオーダーエントリーシステム10社を紹介します。導入メリットや注意点も解説していくので、ぜひ参考にしてください。
オーダーエントリーシステムとは
オーダーエントリーシステム(Order Entry System/OES)は、飲食店での注文からキッチン連携、会計処理までをデジタル化する仕組みです。以下では、基本的な仕組みや活用シーンについて詳しく解説します。
基本的な仕組み
オーダーエントリーシステムは、ホールスタッフが注文を入力すると、その情報は即座にキッチンに送信される仕組みです。調理担当は、画面上で内容を確認できるため、伝票の受け渡しによる時間ロスや聞き間違いを防止可能です。
料理が完成すると、提供状況がシステムに反映され、会計時には自動で合計金額が算出されます。さらに、注文履歴はデータベースに蓄積され、売上分析や人気メニューの把握、在庫管理とも連携可能です。
受付から調理・提供・会計・分析まで一貫してサポートするのが、オーダーエントリーシステムの大きな特徴です。
主な活用シーン
オーダーエントリーシステムの主な活用シーンは下記のとおりです。
- ファミリーレストランでの注文受付
- 居酒屋での追加オーダー管理
- カフェでのドリンク・フード注文
- ホテルやレストランでの予約管理
- テイクアウト注文の処理
このように、さまざまな飲食業態で活用できる柔軟性を備えており、店舗の規模や運営スタイルに応じた導入が可能です。
従来の注文方法との違い
オーダーエントリーシステムは、従来の手書き方法に比べて、注文から会計までの一連の流れを大きく効率化します。従来の手書き伝票による注文では、スタッフが注文内容を専用伝票に記入し、それをキッチンまで直接届ける必要がありました。会計時には伝票を手作業で集計し、金額を計算します。経験や記憶に頼る部分も多く、ミスや手間が発生しやすいものでした。
これに対して、オーダーエントリーシステムでは、注文内容をデジタル入力するだけで即座にキッチンへ送信され、会計処理も自動計算で行えます。さらに、すべての注文履歴がデータベースで管理されることで、ペーパーレス化による保管・集計の手間も削減でき、結果として効率的で安定した店舗運営を実現できるのが従来との大きな違いです。
関連記事:キッチンディスプレイシステム(KDS)とは?導入メリットと選定ポイント
オーダーエントリーシステム10社を比較
数あるオーダーエントリーシステムの中から最適なサービスを選ぶには、導入価格や月額料金だけでなく、サポート体制・機能面も比較することが重要です。ここでは、オーダーエントリーシステム10社を紹介します。
オーダーエントリーシステム10社
メーカー名 | 導入価格 | 向いている企業 |
---|---|---|
POS+(ポスタス) | 要問い合わせ | ・多機能を求める飲食チェーン店 ・POS導入がはじめての個人経営店 ・業務効率化とサポートの安心感を重視する飲食店 |
Airレジ | 0円~※機器代は別途必要 | ・初期コストを抑えて導入したい小規模店舗 ・テイクアウトやモバイルオーダーを活用したい飲食店 |
ユビレジ | 要問い合わせ | ・少人数運営や新人スタッフが多い飲食店 ・接客品質を標準化したい店舗 |
スマレジ | 0円※周辺機器費用は別途 | ・低コストではじめたい小規模店舗 ・売上分析やデータ活用を重視する中〜大規模飲食店 |
Square(スクエア) | 0円※POSレジ利用は無料、端末は4,980円〜 | ・初期コストをかけずにPOS+OESを導入したい小規模店舗 ・キャッシュレス対応を強化したい飲食店 |
CASHIER(キャッシャー) | 要問い合わせ | ・店内・テイクアウトなど複数の販売チャネルをもつ飲食店 ・注文管理を一元化したい店舗 |
NEW PORT | 要問い合わせ | フードコートや大型商業施設を一元管理したい会社 |
POSmooth | 0円 | ・中小規模の飲食店 ・飲み放題・食べ放題やコース料理を提供する店舗 |
IGREK(イグレック) | 要問い合わせ | 居酒屋・焼肉店など、追加注文増加や客単価アップを狙いたい店舗 |
メニウくん | 要問い合わせ | 居酒屋・回転寿司・ファミリー向けレストランなど高回転率の飲食店 |
各社の特徴を参考に、自店舗の規模や業態に合ったシステムを検討してみてください。
POS+(ポスタス)
POS+(ポスタス)の基本情報
導入価格 | 要問い合わせ |
月額利用料金 | 14,000円~/店舗 |
サポート体制 | ・初期設定・設置からすべてお任せ可能 ・365日電話サポート ・駆けつけサポート |
向いている事業者 | ・多機能を求める飲食チェーン店 ・POS導入がはじめての個人経営店 ・業務効率化とサポートの安心感を重視する飲食店 |
POS+(ポスタス)が提供している「POS+ food(ポスタスフード)」は、飲食店に特化したPOSレジで、オーダーエントリーシステム(POS+ OES)とのスムーズに連携可能です。
ホールスタッフがハンディ端末から注文を入力すると、即座にキッチンやレジに反映されます。そのため、配膳遅れや注文ミスを防止できます。直感的に操作できる画面設計のため、新人スタッフでも短期間で使いこなせ、教育コストの削減にもつながる点も魅力です。
さらに、予約管理やスタッフシフト、売上・原価分析までを一元管理でき、単店舗からチェーン展開まで幅広い飲食店に対応しています。加えて、POS+(ポスタス)は導入後のサポート体制が手厚いのも魅力です。
駆けつけサポートを含む安心感の高いサポートを提供しているため、効率化と安定運営を重視する飲食店におすすめのシステムです。
導入成功事例|株式会社トラジ
株式会社トラジは、東京・恵比寿で創業し、現在は都内を中心に約70店舗を展開する焼肉レストランチェーンです。素材や味、サービスに妥協しない「焼肉のプロ」として、お客さまに美味しさと幸せを届け続けています。
株式会社トラジが、全店舗のPOSを一斉に入れ替えるにあたって選んだのが「POS+(ポスタス)」です。下記のサービスを導入し、店舗運営と本部管理の両面で活用しています。
- POS+ food(ポスタスフード)
- POS+ OES(ポスタスハンディ)
- POS+ assist(ポスタスアシスト)
POS+(ポスタス)導入前の課題と、導入後の効果は、下表のとおりです。
導入前後の変化
導入前の課題 | 導入後の効果 |
---|---|
・レジ本体が大きく、スペースを圧迫していた ・ハンディ端末が大型で操作工数が多く、オーダーに時間がかかっていた ・メニュー編集を店舗ごとに行う必要があり、作業時間が長かった ・機能改善の頻度が少なく、現場の要望が反映されにくかった | ・タブレット型で省スペース化し、店舗がスタイリッシュに ・スマホ型ハンディで直感操作が可能となり、注文スピードが向上 ・テンプレートで全店一括更新が可能に・作業時間を体感で1/10に削減 ・年数回のアップデートにより、利用者の声を迅速に反映 |
POS+(ポスタス)を導入することで、オペレーション効率化だけでなく、サービス品質の向上や現場スタッフの負担軽減を実現しました。とくに、スマホ型ハンディによる注文スピードの向上とメニュー編集作業の大幅削減は、全70店舗規模の運営において大きな成果となっています。
効率化と接客品質の両立を目指す飲食チェーンにとって、POS+(ポスタス)は有力な選択肢といえるでしょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
全70店舗のPOSを一斉入れ替え!POS+OES(ハンディ)を駆使し、おもてなしの質向上へ
Airレジ
Airレジの基本情報
導入価格 | 0円~※機器代は別途必要 |
月額利用料金 | 0円~ |
サポート体制 | ・電話・メール・オンライン相談サポート |
向いている事業者 | ・初期コストを抑えて導入したい小規模店舗 ・テイクアウトやモバイルオーダーを活用したい飲食店 |
リクルートが提供する「Airレジ」は、初期費用・月額利用料が無料で導入できるのが特徴です。飲食店向けには「Airレジ オーダー」を提供しており、ハンディ端末やモバイルオーダーと連携して注文から会計までを効率化できます。
新人スタッフでもすぐに操作できるシンプルな画面設計で、伝票ミスや配膳遅れの削減に効果的です。モバイルオーダーを活用すれば、店内・店外の注文やテイクアウト受付も自動化でき、人手不足対策や客単価アップにもつながります。
サポートはオンライン中心ですが、マニュアルやFAQも充実しているため、安心して導入可能です。低コストで注文管理を効率化したい小規模飲食店に、おすすめのシステムです。
参考:Airレジ
ユビレジ
ユビレジの基本情報
導入価格 | 要問い合わせ※iPad・周辺機器の購入が必要 |
月額利用料金 | 9,240円〜/ハンディ端末1台※ユビレジ本体契約が必須 |
サポート体制 | ・メール ・電話サポート ・導入相談 ・オンラインマニュアル |
向いている事業者 | ・少人数運営や新人スタッフが多い飲食店 ・接客品質を標準化したい店舗 |
「ユビレジ」は、iPadを活用したクラウドPOSレジです。飲食店向けには「ユビレジ ハンディ」をオプションとして利用できます。
iPhoneやiPod touchをハンディ端末として使えるため、機器導入のハードルが低いのが特徴です。直感的に操作できる画面設計で、新人や外国人スタッフでも短時間で習得できます。
会計との自動連携によって二度打ちが不要になり、売上データはWeb上で分析できるのもポイントです。メニュー改善や販促施策にも役立つでしょう。人手不足対策や接客品質向上を両立したい飲食店に適したシステムです。
参考:ユビレジ
スマレジ
スマレジの基本情報
導入価格 | 0円※周辺機器費用は別途 |
月額利用料金 | ・スタンダードプラン:0円 ・フードビジネスプラン:12,100円/1店舗 |
サポート体制 | ・365日電話サポート ・オンライン相談 |
向いている事業者 | ・低コストではじめたい小規模店舗 ・売上分析やデータ活用を重視する中〜大規模飲食店 |
「スマレジ」は、高機能タブレットPOSとして知られるサービスです。オーダーエントリー向けには「スマレジ・ウェイター」を提供しています。
iPhoneやiPadをそのままハンディ端末として使えるため、専用機器が不要で低コスト導入が可能です。クラウド型で運用できるため、外出先からでもテーブル状況や売上をリアルタイムで確認できます。
さらに「スマレジ」と連携することで、売上分析や顧客管理など高度なデータ活用も実現可能です。低コストで導入したい小規模店から、売上データを戦略的に活用したい中大規模店まで幅広く対応可能なシステムです。
参考:スマレジ
Square(スクエア)
Square(スクエア)の基本情報
導入価格 | 0円※POSレジ利用は無料、端末は4,980円〜 |
月額利用料金 | 0円 |
サポート体制 | メール・チャット・電話サポート |
向いている事業者 | ・初期コストをかけずにPOS+OESを導入したい小規模店舗 ・キャッシュレス対応を強化したい飲食店 |
「Square(スクエア)」は、アメリカ発のキャッシュレス決済サービスを基盤にしたPOSレジです。スマートフォンやタブレットにアプリを入れるだけで利用できる手軽さが特徴です。
飲食店向けには、Square POSレジを活用したオーダーエントリーシステムを無料で提供しています。スマートフォンをハンディ端末として利用でき、注文内容はキッチンプリンターとの連携も可能です。
さらに、ネットショップ開設やeギフトカード、オンライン請求書などの周辺機能も備えているのもポイントです。キャッシュレス対応から注文管理、会計処理まで一括でカバーできます。
初期コストを抑えつつ、注文管理を効率化したい小規模飲食店に適しています。
参考:Square
CASHIER(キャッシャー)
CASHIER(キャッシャー)の基本情報
導入価格 | 要問い合わせ |
月額利用料金 | ハンディまたはテーブルオーダー機能:5,000円〜/店舗モバイルオーダー機能:3,000円〜/店舗 ※別途プロフェッショナルプラン 4,400円/月が発生 |
サポート体制 | ・導入サポート ・電話 ・メールサポート |
向いている事業者 | ・店内・テイクアウトなど複数の販売チャネルをもつ飲食店 ・注文管理を一元化したい店舗 |
「CASHIER(キャッシャー)」は、クラウド型POSレジと多彩なオーダー機能を組み合わせて提供するサービスです。ハンディやテーブル設置型タブレット、スマホオーダーなど、店舗規模・業態に応じて柔軟に導入できるのが特徴です。
複数の販売チャネルを一元管理できるため、店内注文からテイクアウトまでスムーズに運用できます。また、注文管理ディスプレイやLINE通知、複数プリンター出力など現場で役立つ機能も豊富なのもポイントです。
ランチやディナーの時間帯ごとにメニューを切り替えたり、商品ごとに注文数制限をかけたりなど、柔軟なメニュー設定も可能です。幅広い注文方式に対応し、効率化と売上アップを両立させたい飲食店に適しています。
参考:CASHIER
NEW PORT
NEW PORTの基本情報
導入価格 | 要問い合わせ |
月額利用料金 | 要問い合わせ |
サポート体制 | ・導入支援 ・電話 ・メールサポート |
向いている事業者 | フードコートや大型商業施設を一元管理したい会社 |
「NEW PORT」は、商業施設や複数店舗が入居するマルチテナント型施設に特化したオーダーマネジメントシステムです。モバイルオーダーによる事前注文やテイクアウトに加えて、館内配送・ECまで幅広いオーダー方式に対応しています。
お客さまは、QRコードやWebサイトを通じてスマホから簡単に注文可能です。施設側には、各テナント専用の管理画面や複数店舗の一元管理機能が用意されています。POS連携や外部システム連携など、柔軟なカスタマイズにも対応している点が魅力です。
フードコートや商業施設、オフィスビルなど、多店舗を抱える施設に適しています。
参考:NEW PORT
POSmooth
POSmoothの基本情報
導入価格 | 0円※機器費用・登録料・設置料は別途発生 |
月額利用料金 | 18,000円〜/店舗 |
サポート体制 | ・導入支援 ・設定サポート ・オンラインサポート |
向いている事業者 | ・中小規模の飲食店 ・飲み放題・食べ放題やコース料理を提供する店舗 |
「POSmooth」は、中小規模の飲食店でも導入しやすいセルフオーダーシステムです。タブレットは軽量・薄型の10インチで見やすく、最大18時間連続稼働するバッテリーを搭載しています。
機能面では、下記のような飲食店の現場に役立つ機能を用意しているのが特徴です。
- セルフオーダー
- 簡単メニュー登録
- 飲み放題時間管理
飲み放題や食べ放題の時間管理は、残り時間を客自身が確認できるため、スタッフの声かけが不要になります。そのため、ホール業務の負担軽減につながるでしょう。
また、マルチ言語対応やテイクアウト注文機能、メニューのこだわりを写真や文章で表現できるアピール機能も備えているのも魅力です。低コストで人件費削減や回転率アップを狙いたい飲食店に適しています。
参考:POSmooth
IGREK(イグレック)
IGREK(イグレック)の基本情報
導入価格 | 要問い合わせ |
月額利用料金 | 7,700円~ |
サポート体制 | メール・電話サポート |
向いている事業者 | 居酒屋・焼肉店など、追加注文増加や客単価アップを狙いたい店舗 |
「IGREK(イグレック)」は、飲食店向けのセルフオーダーシステムです。注文効率化による売上最大化を強みにしています。
注文内容はテーブル設置のiPadから入力され、キッチンプリンターにカテゴリごと(フード・ドリンクなど)に出力可能です。これによって、提供スピード向上とオーダーミスの削減を実現します。
さらに、時間帯メニューの切り替えや飲み放題の時間管理、トッピング指定など現場ニーズに応える機能が豊富に用意されています。完全フリーレイアウトのメニューデザインにも対応しており、店舗の世界観を反映したオリジナルメニュー画面を作成できる点も魅力です。
人手不足解消と売上向上を同時に実現したい居酒屋や焼肉店などにおすすめです。
参考:IGREK(イグレック)
メニウくん
メニウくんの基本情報
導入価格 | 要問い合わせ |
月額利用料金 | 要問い合わせ |
サポート体制 | ・24時間365日サポート ・自社スタッフによる現地トレーニング ・サポート |
向いている事業者 | 居酒屋・回転寿司・ファミリー向けレストランなど高回転率の飲食店 |
「メニウくん」は、4,000店舗以上で導入されている、飲食店向けセルフオーダーシステムです。特許取得済みの「フリーレイアウト機能」により、写真サイズやテキスト配置を自由に変更できるのが特徴です。視覚的に訴求することで、追加注文や客単価アップにつなげられます。
さらに、タッチパネルを充電器に差し替えるだけで交換できる、スワップ機能を搭載しているのもポイントです。回転率の高い店舗でも端末不具合時に素早く入れ替えられるため、運用トラブルを最小限に抑えられます。
サポートは24時間365日体制で、自社スタッフによる現地トレーニングや迅速な対応が受けられます。高回転率の居酒屋や焼肉店、ファミリー向けレストランなどに適したシステムです。
オーダーエントリーシステムの種類

オーダーエントリーシステムは、大きく「スタッフ入力型」と「お客さま入力型」の2つに分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
スタッフ入力型
スタッフが注文を受けてシステムに入力する方法です。ハンディターミナルやタブレット、固定端末など、店舗の運営スタイルに合わせて機器を選択できます。
お客さまとの会話を通じて注文を受けることで、接客品質を維持しながら業務効率を高められるのが特徴です。代表的なタイプは、下記のとおりです。
代表的なタイプ
タイプ | 特徴 |
---|---|
ハンディターミナル | ・携帯性に優れ、長時間の使用に適している ・居酒屋やファミリーレストランで多く採用されている |
業務用タブレット | ・写真メニューの表示など、視覚的な提案販売ができる ・カフェやカジュアルレストランでよく見られる |
固定端末 | ・カウンターやレジ周辺に設置し、注文と会計を一括処理する ・カウンター席のある店舗に適している |
スタッフ入力型のタイプは、それぞれに特徴があります。店舗の運営スタイルに合わせて使い分けることで、効率的な業務運営が可能です。
以下の記事では、飲食店向けのハンディターミナルの特徴や選び方を詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。
関連記事:飲食店はハンディを導入すべき?メリットや選定ポイントを解説!
お客さま入力型
お客さま自身が直接注文を入力するセルフ型の方法です。人件費の削減や回転率向上を実現でき、追加オーダーも気軽に行えるため、売上アップにも直結しやすいのが特徴です。
導入方法には、下記のような種類があります。
システムの種類
種類 | 特徴 |
---|---|
テーブルトップオーダー | ・テーブルに固定設置されたタブレット ・お客さまが自由に注文できる |
QRコード注文 | ・お客さまのスマートフォンから注文するため、追加の機器投資が少なく済む |
セルフ注文機・レジ | ・店舗入口やフードコートに設置されている ・注文から決済まで完結できる専用端末 |
店舗の業態やサービススタイル、予算に応じて最適なシステムを選びましょう。近年では、両方のタイプを併用する店舗も増えており、繁忙期の対応力向上につながっています。
以下の記事では、システムごとの特徴やメリットを詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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タブレットオーダーシステムとは?導入メリットから費用まで徹底解説
QRオーダー(注文)システムとは?導入方法やメリットまで徹底解説!
セルフレジ(自動精算機)とは?種類や導入メリットと事例も解説!
各タイプの特徴
それぞれのタイプには、店舗の運営スタイルや予算に応じて選択することが重要です。各タイプ特徴を理解することで、最適なシステムの選択をしましょう。
スタッフ入力型の種類
- ハンディターミナル:
携帯性に優れ、長時間の使用に適した専用端末です。居酒屋やファミリーレストランで多く採用されています。 - 業務用タブレット:
写真メニューの表示など、視覚的な提案販売が可能です。カフェやカジュアルレストランでよく見られます。 - 固定端末:
カウンターやレジ周辺に設置し、注文と会計を一括処理します。カウンター席のある店舗に適しています。
スタッフ入力型のタイプは、それぞれに特徴があり、店舗の運営スタイルに合わせて使い分けることで、効率的な業務運営が可能です。
関連記事:飲食店はハンディを導入すべき?メリットや選定ポイントを解説!
お客様入力型(セルフオーダー)の種類
- テーブルトップオーダー:
テーブルに固定設置されたタブレットで、お客様が自由に注文できます。 - QRコード注文:
お客様のスマートフォンから注文するため、追加の機器投資が少なく済みます。 - セルフ注文機・レジ:
店舗入口やフードコートに設置され、注文から決済まで完結できる専用端末です。
このように、店舗の業態やサービススタイル、予算に応じて最適なシステムを選択できます。また、両方のタイプを併用する店舗も増えており、繁忙期の対応力向上につながっています。
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QRオーダー(注文)システムとは?導入方法やメリットまで徹底解説!
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オーダーエントリーシステムのメリット
オーダーエントリーシステムを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- 業務効率の向上
- 顧客サービスの改善
- コスト削減
- データ管理の精度向上

業務効率を向上できる
オーダーエントリーシステムは、従来の手動での注文受付やデータ管理と比べて、業務効率を大幅に改善できます。
タッチパネル式やハンディ端末を使うことで、スムーズな注文を受けつけられ、待機時間を短縮可能です。また、注文内容がリアルタイムでキッチンや他の関連部署に共有されるため、食材の準備や調理も無駄なく進むでしょう。
結果として、現場全体における業務の流れが改善し、お客さまへのサービス提供が迅速・効率化します。
以下の記事では、飲食店オペレーションの重要性について解説していますので、参考にしてください。
関連記事:飲食店オペレーションの重要性とは?効率的な運営がもたらす効果
顧客サービスの改善
オーダーエントリーシステムを導入することで、顧客サービスの質が向上する点もメリットです。お客さまは、迅速に注文を行えるようになるだけでなく、誤注文のリスクも減少します。
また、システムにはお客さまの好みや過去の注文履歴が記録されるため、リピート客に対してカスタマイズされた提案も可能です。お客さまにとって快適な注文体験が提供できるので、満足度の向上とリピーターの獲得につながります。
以下の記事では、飲食店業界で注目されているデジタルトランスフォーメーション(DX)について詳しく解説しています。飲食店DXの効果や具体的なシステム導入方法など、詳しく知りたい方は参考にしてください。
関連記事:飲食店DXの効果とは? 成功事例で見るシステム導入のポイント
コストを削減できる
オーダーエントリーシステムは、長期的な視点で見るとコスト削減できる点がメリットのひとつです。注文・会計業務をシステム化することで、現場のスタッフ数を最小限に抑えられます。
さらに、在庫データと連携すれば仕入れや廃棄の無駄を防げるため、過剰な在庫を抱えるリスクも減少するでしょう。結果として、店舗経営全体の収益改善につながります。
飲食店経営では、最終的な利益を左右するのがFLコストです。以下の記事では、FLコストやFL比率について解説していますので、気になる方はご覧ください。
関連記事:飲食店のFLコストとは?FL利率や営業利益率、エクセルの管理方法も解説!
データ管理の精度を高められる
オーダーエントリーシステムは、注文データを正確に記録・管理できます。売上や在庫状況をリアルタイムで把握できるため、経営者は適切な意思決定の判断が下せます。
具体的には、「特定のメニューがどれだけ売れているのか」「どの時間帯にどれだけの注文があるのか」など、詳細なデータを分析可能です。メニューの改善やプロモーション活動に生かすことで、売上増加にも貢献します。
以下の記事では、POSデータの概要やメリット・デメリットを解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:POSデータとは?分析メリットと注意点・活用例を解説
オーダーエントリーシステム導入時の注意点
オーダーエントリーシステムの導入には多くのメリットがありますが、導入や運用には注意点も存在します。代表的なのは、下記のとおりです。
- 導入コストが一定数かかる
- トレーニングが必要となる
- システムトラブルのリスクが存在する
詳しく解説します。
導入コストが一定数かかる
オーダーエントリーシステムを導入する際は、下記のような初期費用がかかります。
- ハードウェア:ハンディ端末・タブレット・POSレジとの連携機器など
- ソフトウェアライセンス
- 設置工事費
クラウド型の場合は、月額利用料も必要です。導入コストが高くても、人件費削減や採用コストや工数の削減を考慮したROI(投資対効果)を意識して導入を検討しましょう。
初期費用を抑えたい場合はクラウド型を選ぶ、または自治体の補助金制度を活用するのがおすすめです。活用できる補助金制度の例は、下表のとおりです。
補助金制度の例
補助金制度 | 概要 |
---|---|
IT導入補助金2025 | ・中小企業がITツールを導入する際の経費を補助・最大450万円(補助率1/2〜2/3) |
小規模事業者持続化補助金 | ・小規模事業者の販路開拓や業務効率化に必要な経費を補助・通常枠で最大50万円(補助率2/3) |
補助金は、制度ごとに対象要件・申請時期・対象経費が異なります。導入を検討する際は、公式サイトや支援機関の情報を確認し、要件を満たしているかをチェックしておきましょう。
以下の記事では、セルフオーダーシステムの費用や、導入メリット・デメリットを解説しています。導入を検討している方は、あわせて参考にしてください。
関連記事:セルフオーダーシステムの費用はどのくらい?導入メリットから補助金まで解説
従業員へのトレーニングが必要となる
新しいシステムを導入する場合、従業員に対してトレーニングを行う必要があります。とくに、操作が複雑なシステムの場合は習得に時間がかかることが多く、導入初期は業務が混乱してしまうかもしれません。
そのため、下記のような準備を整えておくと安心です。
- シンプルなUIをもつシステムを選定する
- マニュアルや動画教材を用意し、短時間で習得できる環境を整える
- ロールプレイ形式の研修を行い、実務に即した操作練習をする
- 管理者やリーダーによる初期サポート体制を強化する
- 導入後も定期的にフォロー研修を実施する
これらの取り組みを行うことで、導入初期の混乱を最小限に抑え、現場でスムーズにシステムを定着させられます。
システムトラブルのリスクが存在する
システムトラブルが発生するリスクがあります。サーバーダウンやネットワークの障害、ソフトウェアのバグなど、予期しないトラブルによって業務が停止することが考えられるでしょう。
システムトラブルに対して、バックアップシステムや障害対策を実施することが重要です。非常時にも店舗が止まらないように、サポートが手厚いメーカーを選べれば、万が一の際も落ち着いて行動できます。
まとめ
オーダーエントリーシステムは、現代の飲食店経営に欠かせないツールとなっています。業務効率の向上や顧客満足度の向上、売上アップなど、多くのメリットをもたらします。
導入に際しては、店舗の特性や運営スタイルを考慮し、適切なシステムを選びましょう。また、スタッフへの教育や運用体制の整備などしっかり行うことで、効果的な活用が可能になります。
自店舗に合ったオーダーエントリーシステムを導入し、効率的で質の高いサービスを提供することで、今後の競争力強化にもつながるでしょう。
よくある質問
オーダーエントリーシステムを選ぶ際のポイントは、下記のとおりです。
・操作性
・機能
・コスト
・サポート体制
・連携性
操作は、簡単で使いやすいものを選ぶと導入をスムーズに行えます。また、コストは予算に合うかを確認し、費用対効果を考慮しましょう。
さらにサポート体制も重視し、トラブル対応が迅速かどうかもチェックすると安心です。
オーダーエントリーシステムは、レストランや居酒屋など、幅広い飲食店に適しています。注文を端末で入力し、厨房にすぐ伝えられるため、提供スピードの向上や注文ミス防止に効果的です。
また、注文や会計業務を効率化できるため、長期的な視点で見ると人件費や管理コストの削減にもつながります。人手不足の課題を抱える店舗や、多店舗展開を行う事業者にとって、導入メリットが大きいシステムといえるでしょう。
参考サイト:
日本経済新聞 マクドナルドや吉野家を下支え「モバイルオーダー」一気に拡大
関東経済産業局「令和5年度市場競争環境評価調査」
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セルフオーダーシステムとは?仕組みや種類と導入メリットを解説
飲食店はセルフオーダーを導入すべき?種類やメリットを徹底解説!