ファミリーレストランやチェーン系居酒屋などの飲食店ファミリーレストランやチェーン系居酒屋で、ホールスタッフがハンディ端末やタブレットを操作する光景が見られるようになりました。「オーダーエントリーシステム」と呼ばれるもので、飲食店の運営を効率化するための重要な施策の一つです。このシステムにより、注文受付が迅速化され、待ち時間の短縮が図れます。
本記事では、オーダーエントリーシステムの機能やそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
オーダーエントリーシステムとは
オーダーエントリーシステム(Order Entry System/OES)は、企業や店舗が注文を効率的に受け付け、管理するためのシステムです。飲食店や小売業界で活用されており、POSレジと連携することで、注文処理、支払い、在庫管理を一元化できます。
例えば、従来ホールスタッフが注文を記入した伝票をキッチンに届けていた仕組みを、デジタル化します。テーブルでハンディ端末やタブレットに入力されたオーダー情報は、即座にキッチンに共有されるので、わざわざキッチンに戻る必要がなくなり、現場の効率性が向上するのです。
オーダーエントリーシステムは、以下のようなシチュエーションで役立ちます。
- 飲食店での注文受付
- 小売店舗での在庫管理と販売
- サービス業での予約管理
手作業による注文処理では、ヒューマンエラーが発生するリスクが高く、処理に時間がかかっていました。オーダーエントリーシステムの導入により、こういった課題が解消され、リアルタイムによる正確なデータ管理を徹底できます。
オーダーエントリーシステムの機能
オーダーエントリーシステムは、さまざまな機能を備えており、業務効率化に貢献します。代表的な4つの機能について解説していきます。
- 注文受付機能
- データ管理機能
- POSレジとの連携
- レポート生成機能

注文受付機能
注文受付機能は、オーダーエントリーシステムで重要な機能です。顧客からの注文をスムーズに受け付け、リアルタイムでキッチンや他の担当部署に注文情報を自動で送信します。紙ベースでの注文と異なり、デジタル形式での注文管理はミスが少なく、スピーディなサービスを提供できます。
例えば、飲食店で導入する場合、ウェイターがタブレットやスマートフォンを使って注文を入力し、直接キッチンに送信されることで、注文の伝達ミスが防げるようになります。また、セルフオーダーキオスクやモバイルアプリとも連携し、顧客自身で注文を行うことも可能です。
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データ管理機能
データ管理機能では、顧客の注文履歴や商品情報を一元管理します。売上データや在庫状況、顧客の好みを詳細に分析することで、マーケティング施策や在庫管理の最適化に役立ちます。
具体的には、頻繁に注文されるメニューや時間帯ごとの売上を分析・可視化し、ピーク時間に向けた人員配置や在庫調整が行えるようになります。また、デジタルでデータが管理されることから、従業員が手作業で記録を残す必要がなく、業務効率が向上するでしょう。
POSレジとの連携
オーダーエントリーシステムは、POS(Point of Sale)レジシステムと連携することが多く、販売データや在庫データを一元管理します。POSレジとの連携で、顧客が注文を行った際に、その情報が自動的にレジにも反映され、支払い処理をスムーズに行うことが可能です。
また、販売データもリアルタイムで反映するので、売上管理や在庫状況を把握し、在庫切れ・売上漏れといったリスクを軽減します。売上データをもとにした詳細なレポートを生成し、経営判断の根拠にも活用できます。
関連記事:POSレジとは?POSシステムと違いや導入メリット・デメリット
レポート生成機能
オーダーエントリーシステムは、業務のパフォーマンスを向上させるために、さまざまなレポートを自動生成する機能も備えています。売上レポート、注文数レポート、顧客別レポートなどを活用し、店舗の運営状況の把握や改善点を見つけ出すのに役立ちます。
なお、レポートは、指定した期間ごとに自動的に生成されるため、経営者や管理者にとっては貴重なデータとなるでしょう。業務効率化や販売戦略の見直しに活用すれば、経営改善にも大きく貢献します。
オーダーエントリーシステムのメリット
オーダーエントリーシステムを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- 業務効率の向上
- 顧客サービスの改善
- コスト削減
- データ管理の精度向上
業務効率の向上
オーダーエントリーシステムは、業務の効率化を図るための重要なツールです。従来の手動での注文受付やデータ管理と比べて、システムの導入に伴い作業時間を大幅に短縮できます。
例えば、タッチパネル式の端末を用いた場合、従業員によるスムーズな注文が可能となり、待機時間を最小限に抑えられます。また、注文内容がリアルタイムでキッチンや他の関連部署に通知されるため、食材の準備や調理も無駄なく行われるようになるでしょう。現場全体における業務の流れが改善し、顧客へのサービス提供が迅速・効率化します。
顧客サービスの改善
オーダーエントリーシステムを導入することで、顧客サービスの質が向上する点もメリットです。顧客側は、迅速に注文を行えるようになるだけでなく、誤注文のリスクも減少します。
また、システムは顧客の好みや過去の注文履歴が記録されることから、リピート客に対してカスタマイズされた提案が可能です。顧客満足度が改善し、リピーターの獲得につながります。
コスト削減
オーダーエントリーシステムは、長期的な視点で見るとコスト削減に寄与します。手動での注文受付やデータ管理にかかる人件費を削減し、現場に配置する従業員数を最小限にします。
また、システムを導入することで、在庫管理の精度が向上し、過剰な在庫を抱えるリスクが減少します。結果として、経営の効率性が高まり、食材コストの抑制につながるのです。
データ管理の精度向上
オーダーエントリーシステムは、注文データを正確に記録・管理できます。売上や在庫状況をリアルタイムで把握することが可能となり、経営者は適切な意思決定の判断が下せます。
具体的には、「特定のメニューがどれだけ売れているのか」、「どの時間帯にどれだけの注文があるのか」など、詳細なデータの分析が行えます。メニューの改善やプロモーション活動に生かすことで、売上増加にも貢献するでしょう。
オーダーエントリーシステムの導入の注意点と解決策
オーダーエントリーシステムの導入には多くのメリットがありますが、その運用には注意点も存在します。導入コストがかかり、スタッフのトレーニングが必要となるほか、システムトラブルのリスクも考慮しなければなりません。
- 導入コストが一定数かかる
- トレーニングが必要となる
- システムトラブルのリスクが存在する
導入コストが一定数かかる
オーダーエントリーシステムを導入する際には費用がかかります。導入コストが高いくても、人件費削減や採用コストや工数の削減を考慮したROI(投資対効果)を意識して導入を検討しましょう。
トレーニングが必要となる
新しいシステムを導入する場合、従業員に対してトレーニングを行う必要があります。特に、操作が複雑なシステムの場合、習得に時間がかかることが多く、導入初期は業務が混乱してしまうかもしれません。マニュアルの作成やトレーニングサポートもあるメーカーの選定がおすすめです。
システムトラブルのリスクが存在する
システムトラブルが発生するリスクがあります。サーバーダウンやネットワークの障害、ソフトウェアのバグなど、予期しないトラブルによって業務が停止することが考えられるでしょう。システムトラブルに対して、バックアップシステムや障害対策を実施することが重要です。このようおな時にも店舗が止まらないようサポートが手厚いあるメーカーの選定がおすすめで
飲食店向けのPOSレジシステム「POS+ food」

飲食店に特化したPOSレジ「POS+ food(ポスタスフード)」は、オーダーエントリーシステムをはじめとするさまざまな機能により、飲食店経営を強力にバックアップします。
独立型の飲食店から数百店規模のチェーン店舗まであらゆる業態をカバーでき、予約やスタッフのシフト、原価、売上などのデータを一元管理することが可能に。スタッフの作業負荷を軽減した上で、さらに人的ミスやコストの無駄を大幅に省くことができ、安定した飲食店経営を実現させます。
「POS+ food(ポスタスフード)」の導入メリットを、実際の導入事例から紹介していきます。
有名焼き肉店でテーブルトップオーダー導入事例
1人1台の専用ロースターで自分好みの焼肉が楽しめる「焼肉ライク」では、お客様がテーブル上のiPadから注文を行える、テーブルトップオーダーの「POS+(ポスタス)TTO(Table Top Order)」制度を導入し、オペレーション効率が向上しました。
【導入店舗】
焼肉ライク 新宿西口店様
【導入前の課題】
・スタッフがテーブルに伺って注文を取らなくてはならないため、大勢のスタッフ配置が必要で、人件費がかさむ
・オーダーから料理の提供まで時間がかかる
【導入後の効果】
ホールスタッフの数を最小限にまで抑えることができ、人件費が大幅に削減。さらにスピーディに料理を提供できるようになったため、『焼肉のファストフード』というキャッチコピーを文字通り実現することができました。また。勤怠とオーダー管理がひとつのシステムでできるようになり、店舗運営の効率が向上しています。
詳しくはこちらの「テーブルオーダー導入で業務効率が大幅UP!勤怠から売上まで一元管理」ご確認ください。
まとめ
料理のオーダーを受けた瞬間に情報がキッチンに共有される「オーダーエントリーシステム」は、伝達漏れやミスを防ぎ、飲食店経営において欠かせない存在となっています。このシステムにより、注文の受け渡しが迅速化し、スタッフの作業効率が向上します。また、リアルタイムでのデータ管理が可能になり、売上分析や在庫管理の精度も向上します。
ただし、導入には高コストやトレーニングの必要性、システムトラブルのリスクといったデメリットも存在します。これらの要素を十分に考慮した上で、貴店に最適なオーダーエントリーシステムの導入をぜひご検討ください。これにより、業務の効率化と顧客サービスの向上が期待できるでしょう。
参考サイト:日本経済新聞 マクドナルドや吉野家を下支え「モバイルオーダー」一気に拡大
よくある質問
オーダーエントリーシステムを選ぶ際のポイントは、操作性、機能、コスト、サポート体制、連携性です。操作が簡単で使いやすいものを選ぶと導入がスムーズになります。
コストは予算に合うかを確認し、費用対効果を考慮しましょう。また、サポート体制も重視し、トラブル対応が迅速かどうかもチェックすると安心です。
オーダーエントリーシステムは、レストランや居酒屋などの飲食店に適しています。注文を端末で入力し、厨房にすぐ伝えられるため、提供のスピードが上がりミスも減らせます。また長期的な視点で見るとコスト削減に寄与します。手動での注文受付やデータ管理にかかる人件費を削減し、現場に配置する従業員数を最小限にします。