キャッシュレス決済の急速な普及に伴い、飲食店やサービス店ではキャッシュレス対応券売機の導入が注目されています。そのような中で「導入メリットは何か」「コストは高くないか」といった疑問や不安を抱える事業者の方も多いでしょう。
そこで本記事では、キャッシュレス対応券売機の種類や導入メリット、注意点や選ぶポイントまで徹底的に解説します。さらに、導入費用を抑えられる補助金制度についても解説しますので、検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
キャッシュレス対応の券売機とは
キャッシュレス対応券売機は、現金に加えてクレジットカードや電子マネー、QRコードなどの多様な支払い方法に対応した券売機です。
近年では、キャッシュレス決済の普及により、現金を持ち歩かない消費者が増加しています。この社会変化に対応するため、キャッシュレス対応券売機を設置する飲食店舗やサービス店舗は増えつつあるといえるでしょう。
ここからは、キャッシュレス対応の重要性と主な決済方式を解説します。
- キャッシュレス対応は店舗経営の重要課題
- キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済を導入すれば、お客さまの利便性向上やスタッフの負担軽減につながります。
導入メリットを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事：キャッシュレス決済導入のメリットとは？導入の流れと各社の比較ポイント
キャッシュレス対応は店舗経営の重要課題
近年ではキャッシュレス決済利用率が急速に高まっています。若年層を中心に、財布に現金を入れない消費者は増加傾向にあり、キャッシュレス対応は顧客獲得のための重要課題といえるでしょう。
政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%に引き上げる目標を掲げ、2024キャッシュレス年にはキャッシュレス比率42.8％に上昇、政府は今後80％まで目指していくことを表明しています。
今後も比率は上昇すると予測されており、業務効率化の面からも、キャッシュレス決済への対応は時代の要請に応える重要な投資といえます。
電子決済対応やPOS連携についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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キャッシュレス対応のPOSレジとは？導入メリットを解説！
電子決済の導入のメリットとは？POSレジ連動を推奨する理由
参考サイト：経済産業省 2025年3月発表 2024年のキャッシュレス決済比率
キャッシュレスの種類
【クレジットカード決済】
VISA、MasterCard、JCB、American Expressといったブランドがあり、タッチ決済機能付きなら端末にかざすだけで支払いが完了します。
関連記事：レジにはクレジットカード決済は必須？POSレジ連携がおすすめ！
【電子マネー決済】
交通系（Suica、PASMOなど）や流通系（nanaco、WAONなど）があり、事前チャージで即時決済が可能です。
関連記事：電子決済の導入のメリットとは？POSレジ連動を推奨する理由
【QRコード決済】
PayPay、楽天ペイ、d払いといったスマホアプリを使用する決済です。店舗側QRコードをお客さまが読み取る方式と、お客さま側QRコードを店舗が読み取る方式があります。
キャッシュレス決済についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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タッチ決済（非接触決済）とは？種類や導入メリットを解説
キャッシュレス券売機の種類
キャッシュレス対応の券売機は、主に2タイプに分類されます。それぞれの特徴を解説するので、店舗にあう券売機選びの参考にしてみてください。
- ボタン式券売機
- タッチパネル券売機
ボタン式券売機
ボタン式券売機は、商品名と価格が印字されたボタンを押して購入する従来型の券売機です。キャッシュレス決済端末が内蔵されたモデルのほか、決済端末を外付けできるタイプもあります。
ボタン式券売機のメリットは、タッチパネル式よりも初期導入コストが低い傾向にある点です。ただし、表示できる商品数はボタンの数に制限されるため、多様なメニューやセットメニューを数多く提供する店舗には不向きといえるでしょう。
タッチパネル式券売機
タッチパネル式券売機は、液晶画面上に表示された商品をタップして選択する券売機で、ファストフード店やラーメン店などで急速に普及しています。
特徴は、画面表示の自由度が高く、トッピングやセットメニューの選択、メニュー切替がしやすい点です。多くの機種ではキャッシュレス決済機能が標準搭載されており、多言語に対応するモデルもあります。
画面ガイダンスにしたがって操作できるため、初めての利用者でも手順がわかりやすいでしょう。
キャッシュレス券売機を導入する4つのメリット
キャッシュレス対応券売機を導入すれば、店舗経営において複数のメリットを得られます。4つの主要な導入メリットを解説するので、参考にしてみてください。
- 業務効率化で人件費を削減できる
- ヒューマンエラーが低減する
- 売上データを迅速に取得できる
- 利便性向上により新規顧客獲得につながる
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【飲食店】券売機導入のメリットとは？向いている店舗や選定ポイント | POS+（ポスタス）のクラウドPOSレジ
1.業務効率化で人件費を削減できる
キャッシュレス対応券売機の導入により、注文受付と会計業務を自動化できます。これらの業務に人員を配置する必要がなくなるため、人件費削減につながります。
業務効率化により、限られたスタッフを接客やキッチン業務に配置できるため、人手不足に悩む店舗においては大きなメリットといえるでしょう。
2.ヒューマンエラーが低減する
キャッシュレス対応券売機を活用すれば、人的ミスによるトラブルの低減につながります。
券売機で会計を自動化すれば、注文の聞き間違いや入力ミス、会計時の間違いなどのヒューマンエラーを解消できます。ミスが減ることでお客さまとのトラブルやクレームも減少し、スタッフは接客やサービス提供に集中できるでしょう。
ヒューマンエラーの低減によってスタッフの心理的負担も軽減され、よりよい職場環境づくりにも役立ちます。
関連記事：レジミス対策 | 過不足金や操作ミスをなくす方法を解説
3.売上データを迅速に取得できる
売上を自動記録してくれるキャッシュレス対応券売機なら、正確な販売データを迅速に取得できます。商品別・時間帯別に日々の売上を記録できるため、従来の手作業による集計作業は不要です。
商品ごとの売上や利益率などのデータを活用すれば、最適な人員配置がしやすくなります。また、在庫管理やメニュー改善といった業務も取り組みやすくなるでしょう。
関連記事：POSデータとは？分析メリットと注意点・活用例を解説
4.利便性向上により新規顧客獲得につながる
券売機でさまざまな決済方法に対応すれば、現金を持ち歩かない新規顧客を獲得しやすくなります。インバウンド対策にも有効で、外国人観光客が常用するキャッシュレス決済に対応すれば、売上向上が期待できるでしょう。
また、キャッシュレス決済はお客さまの利便性向上につながります。決済がスピーディに完了するため券売機が混雑しにくく、満足度アップにも貢献します。
キャッシュレス券売機導入時の3つの注意点
キャッシュレス対応券売機には多くのメリットがありますが、導入時に注意すべきポイントも存在します。コスト面や決済方法の選択など、慎重に確認したい3つの重要事項を解説します。
- 初期費用とランニングコスト
- 現金決済の対応
- キャッシュレス決済の対応ブランド
1.初期費用とランニングコスト
導入時は初期費用とランニングコストの両面を確認し、総額を把握するようにしましょう。
キャッシュレス対応券売機は、現金のみの券売機よりも初期コストがかかる傾向があります。複数店舗に設置する場合はさらに高額になるため、しっかりと試算してみてください。
ランニングコストには、システム利用料の他にインターネット通信費や決済手数料が含まれます。たとえばクレジットカードの決済手数料は、1.9〜3.3%ほどかかります。手数料が店舗利益を圧迫しないよう、自店にあったサービス選びが大切です。
2.現金決済の対応
キャッシュレス決済と現金決済の両方に対応した券売機なら、幅広い顧客層を取り込めます。現金支払いを好むお客さまもいるため、券売機を導入する際には現金を持たないユーザー向けの配慮があるとよいでしょう。
また、券売機を新調するとお客さまが操作方法に戸惑うケースがあるかもしれません。導入初期は、操作をサポートするスタッフを一時的に配置するなどの対策が有効です。また、操作ガイドや案内表示を工夫すれば、会計システムをスムーズに移行できるでしょう。
3.キャッシュレス決済の対応ブランド
キャッシュレス対応券売機を選ぶ際は、決済ブランドの種類を必ず確認するようにしましょう。
たとえばクレジットカード決済の場合、VISAやMastercardには対応していても、JCBやAmerican Expressに対応していないケースがあります。あとになって「このブランドには対応していなかった」と気づくことがないよう、契約前の確認を徹底しましょう。
とくに店舗の主要顧客が利用する可能性の高い決済方法は、念入りにチェックすることをおすすめします。
キャッシュレス券売機メーカーを選ぶ4つのポイント
キャッシュレス対応券売機の導入は、導入方法からサポート体制まで総合的な視点で選ぶことが大切です。とくに注目すべき4つの選定ポイントを解説します。
- 券売機の導入方法【リース・購入】
- 券売機の種類【タッチパネル式・ボタン式】
- 券売機のサイズやデザイン
- 充実したサポート体制
1.券売機の導入方法【リース・購入】
キャッシュレス対応券売機の導入方法には、リースと購入の2つの選択肢があります。
リース契約は、初期投資を抑えて導入できる点がメリットです。保守・メンテナンスもパッケージ化されていれば、管理も容易でしょう。ただし、選べる機種が限られている場合があり、カスタマイズが自由にできないデメリットがあります。
購入契約は自社の資産となる点がメリットです。機器の選択肢も豊富で、カスタマイズも可能です。デメリットはリース契約よりも初期費用がかかる点ですが、長期的に使用する場合はコスト削減につながるでしょう。
導入予定期間や資金計画、店舗の将来展望に応じて、最適な導入方法を選択してみてください。
2.券売機の種類【タッチパネル式・ボタン式】
券売機には、タッチパネル式とボタン式があり、種類の選択も重要なポイントです。利便性を考慮するなら、タッチパネル式の券売機がおすすめです。
タッチパネル式は、ボタン式よりも多くの情報を表示できます。商品画像も表示できるため、お客さまは比較検討しやすいでしょう。「店内／持ち帰り」の選択も可能で、新メニューの登録も容易です。
また、多言語対応の機種を選べば、海外のお客さまがストレスなく利用できます。店舗状況にあわせて柔軟に運用できる点はタッチパネル式の大きな強みです。なお、タッチパネル式を選ぶ際は、反応速度やメニュー表示の視認性、操作のしやすさといったポイントをチェックするようにしましょう。
3.券売機のサイズやデザイン
券売機を選ぶ際は、店舗の雰囲気や設置場所にあうサイズ・デザインを選びましょう。
キャッシュレス対応券売機は、近年では省スペースでスマートな機種が増えています。省スペースな券売機は導線設計がしやすく、店舗入口などの狭い空間に設置するならコンパクトな機種がおすすめです。
また、店舗の統一感を保つため、デザインは店舗の外装・内装やブランドイメージにあったものを選んでみてください。設置場所周辺の電源やネットワーク環境も、忘れずに確認するようにしましょう。
4.充実したサポート体制
券売機のサポート体制は、安定した店舗運営に欠かせない要素です。メーカー選定時には「どのようなサポートを受けられるか」「サポート受付窓口の営業時間はいつか」を確認しましょう。
とくに重宝するのは、トラブル発生時に現地に来てくれる訪問型サポートです。電話やオンラインでは解決できない重大トラブルが発生した場合、メーカー担当者による訪問対応があれば、トラブルの影響を最小限に抑えられるでしょう。
導入へのハードルはぐっと下がったといえるでしょう。
「POS+ selfregi（ポスタスセルフレジ）」なら多様なキャッシュレス決済に対応
飲食店で券売機の導入を検討されているのなら、セルフ注文・会計が可能なポスタスの「POS+ selfregi」がおすすめです。「POS+ selfregi」は、以下のような特長を備えています。
・事前会計・事後会計の両方に対応
券売機（事前会計）とセルフレジ（事後会計）を、モード切替で簡単に設定できます。1台で2役を担うため、店舗業態や運営スタイルにあわせた柔軟な使い方ができます。
・人件費削減・省人化
注文と会計業務の効率化を実現し、ホールスタッフを省人化して人件費削減を叶えます。
・スタッフ・お客さまの感染症対策
お客さま自身が注文・会計を行えるので、スタッフとの接触機会が低減します。感染症対策にも効果的です。
・あらゆる決済に対応
幅広いニーズに応え、クレジットカード・電子マネー・QRコード・現金と、あらゆる決済に対応します。
・多言語対応
英語・韓国語・中国語（簡体・繁体）が標準装備されており、海外のお客さまにも安心して対応できます。
・駆けつけサポート
ポスタスでは、365日受付の電話サポートを提供しています。さらに、一般的なセルフレジ提供企業では珍しい、専門スタッフが訪問する「駆けつけサポート」も利用可能です。安心のサポート体制で、店舗運営の安定性を確保します。
キャッシュレス券売機の主な補助金制度
キャッシュレス対応券売機の導入には、補助金制度の活用でコストを抑えられる可能性があります。ここからは、券売機導入に活用できる可能性のある4つの補助金制度を解説します。
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金（持続化補助金）
- 業務改善助成金
- IT導入補助金
補助金制度は年度ごとに支給条件が更新されるため、最新情報は各制度の公式サイトや公募要領で確認するようにしましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を目的とした設備投資やシステム導入を支援する補助金制度です。
- 補助率：中小企業は1/2、小規模事業者・再生事業者は2/3
- 上限額：750万円〜2,500万円（従業員規模によって異なる）
グローバル枠（海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資）の場合、補助上限額は3,000万円に設定されています。
参照：ものづくり補助金
小規模事業者持続化補助金（持続化補助金）
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的な経営計画を作成した上で行う販路開拓や、生産性向上の取り組みを支援する制度です。
- 補助率：2/3（赤字事業者は3/4）
- 上限額：通常枠は50万円、特別枠に該当する場合は200万円
インボイス特例の要件を満たす場合は、上限額にさらに50万円が上乗せされます。
参照：小規模事業者持続化補助金
業務改善助成金
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上のための設備投資を支援する制度です。最低賃金を一定額以上引き上げることを条件に、機械設備やシステム導入などの費用の一部が助成されます。
- 助成率：3/4〜9/10（引き上げ前の最低賃金によって異なる）
- 上限額：30万円〜600万円（最低賃金の引き上げ額や対象労働者数などで異なる）
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業と小規模事業者等の労働生産性向上を目的として、業務効率化やDX推進のためのITツール導入を支援する制度です。
申請枠は「通常枠」「複数社連携IT導入枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」と分かれています。
- 通常枠の補助率：中小企業は1/2〜2/3
- 通常枠の上限額：5万円〜450万円（業務プロセス数によって異なる）
公式サイトには補助金シミュレーターが用意されており、自社の条件にあわせた試算が可能です。
参照：IT導入補助金
まとめ
本記事では、キャッシュレス対応券売機の概要や種類、導入メリットと注意点を解説しました。
キャッシュレス券売機には、ボタン式とタッチパネル式があり、利便性を高めたいならタッチパネル式がおすすめです。導入すれば人件費削減やヒューマンエラーの低減、正確な売上データの取得、新規顧客獲得といった複数のメリットが得られます。
導入時には初期費用とランニングコスト、各種決済ブランドの確認が重要です。さらに搭載機能、サポート体制なども忘れずにチェックし、総合的に判断するようにしましょう。補助金制度も活用しながら、自店舗に最適なキャッシュレス対応券売機を選んでみてください。
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よくある質問
キャッシュレス券売機の価格相場は機能やグレードによって大きく異なり、一般的に40万円〜150万円程度です。基本的な機能のみの小型モデルは比較的安価な料金ですが、タッチパネル式や多様な決済方法に対応した高機能タイプは、コストがかかる場合があります。
補助金制度を活用すれば導入コストを抑えられ、制度によっては1/2〜2/3が補助されるケースもあります。
既存の券売機に、キャッシュレス機能を後付けすることは可能です。外付け型の決済端末を設置すれば、PayPay・楽天ペイといったコード決済に対応できるようになります。
ただし、オプションで連携可能な券売機が限定されている場合もあるため、自店舗の券売機と互換性があるか事前に確認しておくことが重要です。
メリットは多くありますが、人件費削減効果、オーダーミスやヒューマンエラーの解消、迅速・正確な売上データの取得、新規顧客が獲得しやすくなるなどが代表例です。詳細は本記事をご確認ください。
ポイントは、リースか購入かタッチパネル式かボタン式か、サイズやデザインは適切か、サポートは充実しているかなどが挙げられます。詳細は本記事をご確認ください。
