個人店では日々の業務で手一杯になり、売上分析や効率化のための仕組みづくりにまで手が回らないことも少なくありません。そのような悩みを解決する手段として注目されているのが、タブレット型POSレジです。
高価なレジ機器がなくても導入でき、売上管理・在庫管理・キャッシュレス決済などをまとめて効率化できるため、少人数で運営する個人店にはまさにぴったりのツールです。
本記事では、個人店にPOSレジを導入するメリットや、失敗しない選び方をわかりやすく解説し、さらに実際にPOSレジを導入した店舗の事例もご紹介します。
「さらにスムーズでスマートにお店を運営したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
POSレジ導入の成功事例をすぐに確認したい方はこちら
【海鮮酒家 亀膳 ~KAMEZEN~】過去データを参考に業務効率化
【ネイルサロン ブラッシュ】メモ機能を活用してリピーター獲得
個人店で使えるレジの種類
個人店で使えるレジの種類は大きく分けて次の2つが挙げられます。
- 従来型レジスター
- POSレジ
レジの種類別比較表
従来型レジスター | POSレジ | |
---|---|---|
特徴 | シンプルな会計システム売上や入出金の管理に特化 | 販売情報をリアルタイムで管理データ蓄積、分析が可能 |
主な機能 | 売上金額の計算入出金管理 | 販売データ管理在庫管理売上分析会計ソフト連携クラウド管理 |
操作方法 | 手動入力またはボタン操作 | タブレット、パソコン、専用端末などで操作 |
メリット | 操作がシンプル導入コストが安い | 業務効率化キャッシュレス決済対応データ活用が可能 |
デメリット | 入力ミスのリスク売上分析や在庫管理は不可 | 初期費用、運用コストが発生インターネット環境が必要な場合あり |
向いている店舗規模 | 取引件数が少ない小規模店舗向け | 小規模~多店舗展開まで幅広く対応 |
キャッシュレス対応 | 基本的に未対応 | 対応可能(クレジットカード、電子マネー、QR決済など) |
在庫管理・分析機能 | なし | あり |
複数店舗管理 | 不可 | クラウド型なら可能 |
次項では、それぞれのレジの特徴を解説します。
従来型レジスター
従来型レジスターは、シンプルなのが特徴の会計システムです。日々の売上金額や入出金など、基本的なお金の流れを管理することに特化しています。
シンプルな機能ゆえに、一日の取引件数が比較的少ない小規模な個人店舗での使用に適しています。
ただし、商品の価格入力を手作業で行う必要があったり、あらかじめ設定したボタンを選択する方式であったりするため、入力ミスが発生するリスクが高くなる傾向があります。
とくに混雑時には、誤った金額を打ち込んでしまう可能性が高まるでしょう。
また、POSレジのような商品データベースやクラウド連携、売上分析のような高度な機能は搭載されていないため、機能性を求める店舗には不向きです。
そのため、従来型レジスターの導入を検討している場合は、使い方や仕組みを理解し、自店に適しているのか見極める必要があります。
以下の記事では、従来型レジスターである「バーコードレジスター」について、詳しく解説しています。
関連記事:バーコードレジスターとは?POSレジとの違いと導入すべき理由
POSレジ
POSレジは、Point of Sale(販売時点情報管理)システムの略称で、販売情報をリアルタイムに記録・管理できる高機能なレジスターです。
単なる金銭授受の計算だけでなく、詳細な販売データを自動的に記録し、データベースとして蓄積する機能を備えています。
また、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済端末との連携が可能で、決済手段の多様化にスムーズに対応できることも特徴のひとつです。さらに、在庫管理システムや会計ソフトなど、ほかの業務システムとの連携もできるため、業務効率の向上に貢献します。
クラウド型のPOSレジであれば、インターネットを通じて複数店舗の販売データの一元管理も可能です。店舗ごとの売上比較や在庫状況の確認、商品の発注管理など、チェーン店経営に必要な情報を効率的に把握できます。
業務効率化を目的としたレジ導入を検討しているのであれば、POSレジについての知識を深めるのは必須といえるでしょう。
以下の記事では、POSレジやクラウド型POSレジについて解説しています。
関連記事:
【2025更新】POSレジとは?種類・機能・導入メリットを解説!
クラウド型POSレジとは?特徴やメリット・サービス5社を比較
POSレジの種類
POSレジの種類として次の3つがあげられます。
- タブレット型POSレジ
- ターミナル型POSレジ
- パソコン型POSレジ
POSレジの種類別比較表
タブレット型POSレジ | ターミナル型POSレジ | パソコン型POSレジ | |
---|---|---|---|
概要 | タブレットに専用アプリを入れて使うクラウド型POSレジ | 大型の専用端末を使うPOSレジ。高性能・周辺機器一体型 | パソコンにPOSソフトをインストールして使うレジシステム |
導入費用 | 約5万〜20万円程度(機器+初期設定費用) | 約30万〜100万円以上(本体+周辺機器込み) | 約10万〜50万円(PC本体+POSソフト+周辺機器) |
月額費用 | 5,000〜15,000円程度 | 5,000〜20,000円程度 | 5,000〜15,000円程度 |
設置スペース | 小スペース(タブレットスタンド分のみ) | 大きめ(専用カウンター推奨) | 中程度(PCデスク+周辺機器) |
操作性 | タッチ操作中心で直感的に使いやすい | 専用ボタン&タッチパネル併用。取引量多くても安定操作 | マウス・キーボード操作+専用インターフェース。慣れれば使いやすい |
おすすめの業種 | 飲食店、小売店、美容院、カフェなど | スーパーマーケット、ドラッグストア、大型小売店 | アパレルショップ、雑貨店、EC併用店舗 |
向いている規模 | 小規模〜中規模店舗 | 中規模〜大規模店舗 | 小規模〜中規模店舗(データ重視・業務複雑な業態向き) |
メリット | 初期費用が安い設置スペース不要リアルタイムで売上・在庫管理システム自動更新データ消失リスクが低い | 処理速度が速い耐久性が高い周辺機器一体型で便利 | 導入コストを抑えやすいカスタマイズ性が高い他システムとの連携がしやすい大画面で操作しやすい |
デメリット | インターネット環境必須高機能版に比べカスタマイズ性に制約 | 初期費用が高い設置スペースが必要 | PC故障リスクありシステム設定や管理に手間がかかる場合がある |
※実際の料金はプラン・オプション等によって変動しますので、サービス会社の公式サイトをご覧ください。
次項では、それぞれの特徴を詳しく解説します。
タブレット型POSレジ
タブレット型POSレジは、タブレットに専用アプリをインストールして使用するPOSシステムです。
タブレット型POSレジの特徴は次のとおりです。
- 従来の据え置き型POSレジに比べてコンパクトな設計である
- 市販のタブレット使用できるので初期費用が抑えられる
- クラウド型なので、販売データは自動でサーバーに保存される
- リアルタイムで売上状況や在庫状況を確認できる
- スマートフォン感覚で直感的に操作ができる
- システムのアップデートが自動のため、最新の機能を常に利用できる
こうした特徴からタブレット型POSレジは、初期費用やスペース、操作性に課題を感じる個人店や小規模店舗の間で急速に普及しています。またクラウドベースで運用できるため、これまで紙やエクセルで管理していた業務を、大幅に効率化できます。
ただし、導入の際には注意すべき点もあり、以下の記事で詳しく解説しています。また実際の導入事例を知りたい方も、以下の記事をご覧ください。
関連記事:
iPadレジとは?タブレット型POSレジの機能やメリット、導入費用を解説
モバイルPOSとは?導入メリットや注意点から導入事例まで解説!
ターミナル型POSレジ
ターミナル型POSレジは、POSシステムを最大限に活用できるよう設計された大型の専用レジスターです。
高性能な処理能力を備え、大量の取引データを素早く処理できることから、スーパーマーケットやドラッグストアなど、取引数の多い店舗での利用に適しています。
キャッシュドロアやレシートプリンター、バーコードスキャナーなどの周辺機器が一体化されており、追加で機器を購入する必要がほとんどありません。また、専用設計のため、耐久性が高く、長期間安定して使用できるのも特徴です。
一方で、大型の専用機材のため、設置には相応のスペースが必要になります。また、高性能な専用機器の導入となるため、初期投資額はほかのPOSレジと比較して高額になりがちです。
そのため、導入を検討する際には、店舗の規模や取引数、投資予算などを慎重に検討しなければなりません。
パソコン型POSレジ
パソコン型POSレジは、Windows PCなどの既存のパソコンにPOSソフトウェアをインストールして使用するシステムです。
一般的なパソコンを活用できるため、導入コストを抑えられる上、店舗の運営スタイルに合わせて詳細な設定やカスタマイズが可能です。また、会計ソフトや在庫管理システムなど、ほかのビジネスソフトとの連携も容易に行えます。
大画面での操作が可能なため、販売データの分析や在庫状況の確認がしやすく、商品管理機能も充実しています。そのため、アパレルや雑貨など専門商品を扱う小売店や、データ分析を重視する店舗、受発注管理が複雑な業態に適しているでしょう。
「パソコン型POSレジって実際どう使われているの?」と気になる方は、以下の記事も合わせてご覧ください。導入のイメージがぐっとわかりやすくなります。
関連記事:POSシステムとは?仕組みや導入メリット・費用などわかりやすく解説
個人店にはタブレット型POSレジがおすすめ
個人店でもっともおすすめなのは、タブレット型POSレジです。
理由は以下が挙げられます。
- 市販のタブレットを活用すれば、初期費用を抑えられる
- タッチパネルでの直感的な操作により、レジ業務をスムーズに習得できる
- 限られたスペースでも設置が可能である
- キャッシュレス決済などさまざまな支払い方法の導入が可能である
タブレット型POSレジは、個人店にとってコストを抑えながらも確実に業務の質を向上させる存在といえるでしょう。
タブレット型POSレジのメリットや選び方について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:iPadレジとは?タブレット型POSレジの機能やメリット、導入費用を解説
個人店でタブレット型POSレジを使うメリット

個人店でタブレット型POSレジを使うメリットとして次の内容が挙げられます。
- 導入費用が抑えられる
- 操作がしやすい
- キャッシュレス決済が可能であるに対応している
- 持ち運びしやすい
- 売上管理や在庫管理が簡単にできる
それぞれのポイントを解説します。
導入費用が抑えられる
タブレット型POSレジの大きな魅力のひとつは、導入費用を抑えられる点です。
従来の据え置き型レジでは専用の高額な機器を購入する必要がありました。しかしタブレット型POSレジなら、すでに店舗で使っているiPadやスマートフォンを活用できるため、初期投資を最小限に抑えられます。
また多くのタブレット型POSレジサービスでは、月額料金制が採用されています。
必要な機能だけを選んで契約できるため、大規模な初期投資をせずに、高度な販売管理や売上データ分析など、最新のPOSシステムを導入できるのも大きなメリットです。
さらに月額プランは売上規模や業態変化に合わせてプラン変更ができるため、店舗の成長やメニュー拡大に応じたシステムのアップグレードも簡単です。
タブレット型POSレジの導入にかかるコストについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:POSレジの価格相場とは?種類別の比較や見極めポイントを解説!
操作がしやすい
タブレット型POSレジの特徴的なメリットとして、スマートフォンのような直感的な操作性が挙げられます。
商品の選択や金額の入力、決済処理など、すべての操作がタップやスワイプといったシンプルな動作で完結します。
タッチパネルによる操作は日常生活でもなじみがあるため、はじめて使用するスタッフでも違和感なく操作でき、スタッフの教育にかかる時間と手間を大幅に削減可能です。
また、シンプルな操作体系により、打ち間違いや操作ミスのリスクも大きく低減されます。
レジ締め時の現金残高の差異を減らすことにもなるため、店舗運営の効率化にもつながるでしょう。
キャッシュレス決済が可能である
タブレット型POSレジのメリットとして、多様なキャッシュレス決済への対応も可能である点が挙げられます。
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、現代の消費者が日常的に利用するさまざまな決済手段に対応することで、お客さまの利便性が大きく向上するでしょう。
キャッシュレス決済への対応は、会計処理がスピーディーになるだけでなく、現金の取り扱いや管理にかかる時間と手間を大幅に削減できます。
現金が合わないなどのリスクも軽減されるため、店舗のセキュリティ向上としても重要な要素です。
また、キャッシュレス決済を導入することで、「財布の中の現金が少ないので買えない」という制約もなくなり、購買意欲を高める効果も期待できます。
とくに若い世代のお客さまは、キャッシュレス決済を好む傾向が強く、導入によって新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
現在多くの店舗で導入されている「キャッシュレス決済対応のPOSレジ」の使い方や導入のメリットについては、以下の記事で紹介しています。
関連記事:レジはキャッシュレス対応のPOSレジにすべき?導入メリットを徹底解説
持ち運びしやすい
タブレット型POSレジは、コンパクトで軽量なため、店内のどこでも自由に持ち運んで使用できます。
従来のように固定のレジまでお客さまを案内する必要がなく、テーブルで直接注文を受けたり会計処理を行ったりできます。
お客さまの会計時の待ち時間を大幅に削減できるだけでなく、スタッフの動線も効率化されるでしょう。また、繁忙期には追加の端末を導入することで、柔軟に対応できます。
さらに、移動販売やイベント出店、マルシェなどの屋外での販売活動でも、タブレット型POSレジは効果を発揮します。インターネット接続さえあれば、どこでも本格的なPOSレジとして使用できるため、場所を選ばず効率的な販売管理が可能です。
以下記事では、移動販売の中でも近年ビジネスモデルが大きく変化しつつある「キッチンカー」でのPOSレジ導入について紹介しています。
関連記事:キッチンカーはPOSレジがおすすめ?開業に必要な準備や許可を徹底解説!
売上管理や在庫管理が簡単にできる
タブレット型POSレジは、総合的な店舗管理ツールとしても活用できます。
販売データがリアルタイムで自動的に集計され、日次・月次の売上レポートが自動生成されるため、煩雑な売上管理作業の効率化が可能です。
また、販売のたびに在庫数が自動的に更新され、商品の在庫状況をリアルタイムで把握できるため、
在庫切れや過剰在庫を防げるでしょう。
データにもとづいて商品構成や発注量を最適化したり、スタッフの配置を効率化したりすることで、経営効率の向上につながります。
POSレジを活用して在庫管理や分析のメリットや注意点については、以下の記事でも解説しています。在庫管理や店舗運営に役立つ分析機能は、個人店にとって経営状況に直結するため、重要性を確認しておきましょう。
関連記事:
在庫管理はPOSレジがおすすめ?メリット・デメリットを解説!
POSデータとは?分析方法・活用事例を徹底解説
POSレジ導入における5つの注意点と対処法
POSレジは業務効率を大きく向上させる便利なツールですが、導入には注意すべきポイントもいくつかあります。
とくにはじめて導入を検討する個人店では、「費用はどれくらいかかる?」「自分の店舗に合った機能は?」といった不安も多いはずです。
ここでは、導入時によくある5つの注意点と、それぞれに対する具体的な対処法を紹介します。
- 初期費用と運用コストがかかる
- 業務改善に必要な機能を備えているのか確認が必要
- 停電や故障時に業務が停止するリスクがある
- インターネット環境の整備が必要
- スタッフのトレーニングが大切
次項で詳しく解説します。
初期費用と運用コストがかかる
POSレジを導入する際は、初期費用やランニングコストが妥当かどうかをしっかり検討することが大切です。
基本料金が安く見えても、たとえば次のような周辺機器やオプションサービスを追加すると、想定以上に費用が膨らむケースも少なくありません。
- タブレット本体の購入費用
- キャッシュドロアやレシートプリンターといった周辺機器
- クラウドサービス利用料や追加オプション費用
導入費用を抑えられる無料プランを提供するサービスも増えていますが、無料版では機能制限が多く、本格的な業務を行うには有料プランが必要になることがほとんどです。
導入を検討する際は、以下の3つのポイントを重視しましょう。
- 「端末+周辺機器+アプリ利用料」などを含めたトータルコストを見積もる
- 必要な機能を考慮する
- サポート体制をチェックする
安さだけで選んでしまうと、後から必要な機能が使えなかったり、サポート不足で困ったりするリスクもあります。
価格と機能のバランスを比較して、自店舗に本当に合ったPOSレジを選びましょう。
業務改善に必要な機能を備えているのか確認が必要
POSレジには多種多様なサービスや製品があり、それぞれ備えている機能に特色があります。店舗の経営に必要な機能がきちんと備わっているか、複数のメーカーやサービスを比較しながら慎重にチェックしましょう。
たとえば飲食店なら卓上注文機能やキッチンとのオーダー連携、テイクアウト対応があると業務効率が大幅にアップします。
小売店であれば、在庫管理機能や売上帳票作成機能が充実しているPOSレジの導入によって、機会損失やヒューマンエラーを防げます。
導入前には、店舗のオペレーションフローを整理し、「絶対必要な機能」「今はいらないけれど将来的に必要になりそうな機能」などをリストアップしておくことが重要です。
また、現時点で不要に思える機能でも、売上規模が拡大したときにスムーズに追加・拡張できるかという視点も忘れずにチェックしましょう。
停電や故障時に業務が停止するリスクがある
POSレジは非常に便利なシステムですが、停電や端末トラブルが発生すると、一時的にレジ業務が完全にストップしてしまうリスクもあります。
たとえば飲食店のピークタイムにシステムがダウンしてしまった場合、注文処理や会計ができず営業に大きな支障をきたす可能性があるでしょう。
とくに、個人店や小規模店舗では、オーナー自身が「売上管理」「接客」「スタッフ管理」などすべてを兼務していることが多数です。その中でPOSシステムのトラブルまで自力で解決しなければならないとなると、大きな負担となるでしょう。
そのため、運用中のトラブルサポート体制の充実度も非常に大切なチェックポイントです。
電話・メール・チャットなどの基本サポートに加え、営業時間外や土日祝日対応の有無は確認しておきましょう。そしてより安心なのが、万が一のトラブル時に現地へ駆けつけて対応してくれる「訪問サポート」です。
POS+(ポスタス)では、業界では珍しい「365日駆けつけサポート」を提供しており、トラブル発生時にも現場でスピーディーに対応できる体制が整っています。
このように、サポート体制が充実したサービスを選ぶことで、経営者自身の負担も精神的な不安も減り、万が一にも備えられます。
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インターネット環境の整備が必要
クラウド型POSレジは、リアルタイムで売上や在庫データを記録・共有できる便利な仕組みですが、そのためには常に安定したインターネット接続が欠かせません。
とくにWi-Fi環境が不安定な店舗や、通信インフラが整っていない地域では注意が必要です。
POSレジの導入前に、回線スピードを確認し、安定してデータ通信ができる環境を整えるようにしましょう。
また予期せぬ通信障害に備えるため、バックアップ用にモバイルルーターを準備しておくのも効果的な対策です。いざというときにすぐ切り替えられる環境があれば、営業への影響を最小限に抑えられます。
さらにPOSレジを選ぶ際は、オフラインモードに対応しているか、通信が途切れても一定時間データを端末内に保持できるかといった機能面も事前に確認しておきましょう。
スタッフのトレーニングが大切
POSレジを選ぶ際は、操作が簡単かどうかも非常に重要なポイントです。どれだけ高機能なPOSレジでも、使い方が複雑だとかえって業務効率や生産性を下げてしまうリスクがあります。
POSレジの操作は、オーナーだけでなく従業員も操作する機会が多いため、ITに不慣れだとスタッフの教育や引き継ぎに時間がかかる恐れもあります。
とくに高齢の従業員が多い店舗では、新しいシステムを習得するのに時間がかかるため、導入時には初期研修やマニュアル整備が必要不可欠になります。
こうしたリスクを防ぐためには、導入前に無料体験やデモ版で操作性を実際に確認しておくのがおすすめです。
また商品画像をタッチするだけで注文できるインターフェースや、直感的なメニュー構成が備わっているPOSレジを選べば、スムーズなオペレーションを実現できます。
費用を抑えてPOSレジを導入するなら「補助金制度」を活用
POSレジの導入にかかる費用負担を軽減する方法のひとつが、「補助金制度」の活用です。
補助金の申請が通れば、自己負担を抑えてPOSレジを導入できるチャンスがあります。
ただし、補助金は必ず採択されるわけではなく、申請から受理まで時間がかかる点や、申請書類の準備などに手間がかかる点には注意が必要です。
補助金活用を検討する際は、スケジュールに余裕を持ち、準備を進めていきましょう。
ここでは、以下3つの補助金制度について、紹介します。
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- IT導入補助
- 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)
次項で詳しく解説(※)しますので、参考にしてみてください。
※2025年5月時点の情報
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業等が行う、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓の支援を目的とした制度です。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助上限額(従業員規模による) | 製品・サービス高付加価値化枠:最大3,500万円グローバル枠:最大4,000万円 |
補助率 | 中小企業:1/2小規模企業:2/3 |
対象経費 | 機械装置・システム構築費(必須)クラウドサービス利用費外注費など |
申請期間 | 2025年7月1日~2025年7月25日 17:00 |
参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (第20次公募)
IT導入補助
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のITツール導入による業務効率化や売上向上を支援する制度です。
IT導入補助金の概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助上限額 | 最大450万円(申請枠によって異なる) |
補助率 | 1/2または2/3(申請枠によって異なる) |
対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分) |
申請期間 | 2025年3月31日~2025年5月12日 |
参照:IT導入補助金2025
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援
する制度です。
小規模事業者持続化補助金の概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助上限額 | 最大200万円(特定の要件を満たす場合) |
補助率 | 2/3 |
対象経費 | 機械装置費、広報費、展示会出展費、開発費など |
申請期間 | 2025年5月1日~2025年6月13日 17:00 |
POS+(ポスタス)のPOSレジ導入成功事例
POSレジの導入事例として次の2つの例を紹介します。
- 【海鮮酒家 亀膳 ~KAMEZEN~】過去データを参考に業務効率化
- 【ネイルサロン ブラッシュ】メモ機能を活用してリピーター獲得
それぞれの事例を自身の店舗と照らし合わせて、参考にしてみてください。
【海鮮酒家 亀膳 ~KAMEZEN~】過去データを参考に業務効率化
海鮮料理を提供する「海鮮酒家 亀膳〜KAMEZEN~」では、店舗オペレーションの効率化を目指して、POS+(ポスタス)のPOSレジとセルフオーダーシステムを導入しました。
結果、次のような業務効率化が実現されています。
- スマートフォン感覚で操作できるので、ITスキルがなくてもすぐに日常業務に活かせた
- POSレジと連動したオーダー管理により、厨房とホールスタッフ間の連携ミスが解消された
- 料理の提供スピードが大幅に短縮されたことで、お客さまの満足度向上につながった
- 過去の詳細なデータが確認できるので、天候や曜日に応じた仕入れ量の最適化が可能になった
- 食材ロスの削減につながった
飲食店では天候や曜日により忙しさにバラつきがあるため、スタッフの柔軟な対応や仕入れの的確さが課題と挙げられます。
そこでポスタスのPOSレジを導入したことで、スタッフの負担軽減だけでなく、お客さまの満足度も向上する結果となりました。
さらに詳しい成功事例については、以下の記事をご覧ください。
【ネイルサロン ブラッシュ】メモ機能を活用してリピーター獲得
ネイルサロン「ブラッシュ」では、POS+(ポスタス)のPOSレジを導入し、単なる会計・予約管理にとどまらない、きめ細やかな顧客対応を実現しています。
とくに大きな効果を得られたのが、「顧客カルテ機能の活用」です。
- 最近みた映画の感想や趣味の話をメモ機能に残し、次回来店時の接客に活かせる
- 担当スタッフが変わった場合でも、過去の接客内容を確認できるので引き継ぎがスムーズである
このようにお客さまとの会話や好みを、サロン全体で共有することで、自然とお客さまとの距離が自然と近くなり、満足度向上につながっています。
さらに次の2つの要素も、POS+(ポスタス)のPOSレジを導入した決め手です。
- 多店舗展開を視野に入れた場合、クラウド連携機能により、本店で一括管理が可能
- 365日24時間のサポートに加えて、「全国駆けつけサポート」などの手厚いフォロー制度
サロンで重要となる「顧客管理」機能に加えて、拡張性や他にはない手厚いサポートにより、ブラッシュの店舗成長に貢献しています。
さらに詳しい成功体験事例は、以下の記事で紹介しています。
詳細記事:リピーターを獲得したい!美容・サロン専用の顧客管理機能で可能に
まとめ
今回の記事では、個人店にはタブレット型POSレジがおすすめなことを解説しました。
タブレット型POSレジは、既存のタブレットを活用することで、高価なレジ端末を購入する必要がなく、初期投資を大幅に抑えられます。
従来の据え置き型レジと比べてコンパクトな設計のため、カウンターやテーブルの限られたスペースでも無理なく設置できます。また、店舗の雰囲気やレイアウトを損なうことなく、スマートな接客が可能です。
コンパクトかつ高機能なタブレット型POSレジについて、詳しい内容を知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
関連記事:
矢野経済研究所、国内のPOSターミナル市場に関する調査結果を発表
ローソン、人手不足対応や業務の効率化でタブレット端末と新型POSレジ・自動釣銭機を導入
個人店へのPOSレジ導入でよくある質問
日々の売上管理や在庫管理を効率化したい、キャッシュレス決済に対応したい、データに基づいた経営判断をしたいという場合は、POSシステムの導入をおすすめします。一方で、取引数が少なく、現金決済が中心の店舗では、従来型のレジスターでも十分な場合があります。
ポスタスでは、小売店、飲食店、美容・サロン向けに専用の料金プランを用意しています。月額14,000円からで売上管理や顧客管理、多店舗管理、多言語対応などさまざまな機能が利用可能です。プランに関する詳細はお問い合わせください。
ポスタス/料金プラン