クラウドPOSは、クラウド上で動作するPOSレジ・システムのことを指します。従来のオンプレミス型POSシステムと比較して、導入コストや維持コストを抑えられる点が大きな特徴で多くの店舗で導入が進んでいます。本記事では、クラウドPOSレジの特徴やメリット、デメリット、導入事例まで詳しく解説します。
クラウド型POSレジ・システムとは
クラウド型POSレジとは、従来のPOSレジと同様に、会計と同時に商品の売上の詳細や販売情報を記録・集計して分析できる機能を備えつつ、データをクラウド上に保存できるアプリケーションのことです。
所有するスマートフォンやタブレットにアプリをインストールすると、収集した各種データをクラウドサーバーに保存してリアルタイムで共有できるようになります。
店舗側は、インターネット接続環境とタブレット端末やPCがあれば、どこからでもPOSシステムを利用できます。売上データや在庫情報は、リアルタイムでクラウド上に同期されるため、複数店舗の管理も容易になります。
クラウドPOSの特徴
従来のPOSレジと同じ機能をもちながらデータの保存と管理が容易で、かつ持ち運びもできるのがクラウド型POSレジです。サービスによっても異なりますが、そのほかに次のような特徴が見られます。
- 店舗側にサーバーを設置する必要がない
- インターネット環境があれば、場所を問わずPOSシステムを利用できる
- 売上データや在庫情報がリアルタイムで同期され、複数店舗の一元管理が可能
- アップデートやメンテナンスは、クラウド側で自動的に行われ常に最新の状態で使用可能
- 初期費用や運用コストを抑えられ、コストパフォーマンスに優れている
- 従業員の勤怠管理など売上以外のデータも管理できる
クラウド型POSとPOSレジの違い
POSレジは、ネットに接続されている販売時点情報管理(POS)システムが搭載されたレジ全体を指します。自動積算機能や販売管理機能が付いており、購買された商品の種類と個数を管理できますが、従来のPOSレジは1台あたり100万円前後と価格の高さがネックとなっていました。
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一方、クラウド型POSレジは、アプリを既存のタブレットにインストールするだけで使用でき、またデータをすべてクラウドサーバー上に保存できます。従来のPOSレジよりも導入のハードルが低く、モバイル性も持ち合わせているのがクラウド型POSレジなのです。
関連記事:モバイルPOS(mobile POS)とは?モバイル端末を利用したPOSの機能説明
クラウドPOSを導入するメリット
クラウド型POSシステムを導入すれば、次のようなメリットが期待できます。
誰にでも使いやすい簡単な操作性
一般的なPOSレジは、数多くの操作ボタンや独自の操作手順があるため、新人教育に時間がかかったり、思わぬミスで修正に時間がかかったりすることがありました。この点、タブレット端末を利用するクラウド型POSレジは多くの人が普段使用しているスマートフォンやタブレットと同様に操作でき、使い方を覚えやすいというメリットがあります。
アルバイトやパートタイムの従業員が多い店舗でも、新人教育の期間短縮とそれにともなうコスト削減効果が見込めます。
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モバイルPOS(mobile POS)とは?モバイル端末を利用したPOSの機能説明
リアルタイムで会計や在庫などのデータ管理
売上データや在庫情報は、リアルタイムでクラウド上に同期されます。これにより、複数店舗の売上状況や在庫状況を一元的に管理できます。リアルタイムでのデータ分析により、適切な発注や在庫管理、販売戦略の立案が可能になります。
クラウド型POSなら、店舗を横断した在庫管理をリアルタイムで実現します。在庫をリアルタイムで確認できる機能は、従業員に負担をかけがちな棚卸作業にも役立ちます。
関連記事:在庫管理はPOSレジがおすすめ?メリット・デメリットを解説!
セキュリティの向上
データがクラウド上で一元管理されるため、データの消失や漏洩のリスクが軽減されます。また、クラウド事業者側で高度なセキュリティ対策が施されているため、個店でセキュリティ対策を行う必要がありません。
導入コストの削減
オンプレミス型のPOSシステムと比べて、ハードウェアやソフトウェアへの初期投資が少なくて済みます。必要なのは、インターネット接続環境とタブレット端末やPCのみです。また、クラウド側でアップデートやメンテナンスが自動的に行われるため、維持コストも抑えられます。
クラウドPOSを導入するデメリット
ただし、クラウド型POSレジにもいくつかのデメリットが存在しています。これから導入を考えているのなら、クラウド型POSレジの注意点についても理解し、自店舗・自社に最適なサービスを選択しましょう。
ネットワーク環境が必要
クラウド型のPOSレジを使うためには、原則インターネット環境が必要です。ネット環境が構築されていない店舗では使用できません。インターネット環境については、通信会社に相談することになります。併せて、Wi-Fi環境も構築しておきましょう。
ネット環境さえ用意できれば、クラウド型POSレジの導入は簡単です。ネット環境が安定しておらず、データ消失等のリスクが懸念される場合は、オフラインでも使用できるクラウド型POSレジ「POS+(ポスタス)」導入の選択肢も視野にいれましょう。
カスタマイズの自由度
クラウド型のPOSレジは、クラウド事業者が提供する標準的な機能を利用するため、個店のニーズに合わせたカスタマイズが難しい場合があります。ただし、APIを利用して他のシステムと連携するなど、ある程度のカスタマイズは可能です。またオプションが豊富で高機能なクラウドPOS「POS+(ポスタス)」導入の選択肢も視野にいれましょう。
クラウドPOSを導入する際の注意点
クラウド型POSレジを導入する際はメリット・デメリットを理解することも大事ですが、下記も注意する必要があります。
- 自社のニーズに合ったシステムを選定する
- インターネット接続環境を整備し、オフライン対策を講じる
- 従業員への教育とトレーニングを十分に行う
- セキュリティ対策とデータ管理に関して、クラウド事業者とSLAを交わす
- 導入後も定期的にシステムを見直し、改善を図る
自社のニーズに合ったシステムを選定する
自社の業態や規模、業務フローに合ったシステムを選ぶことが重要です。単にコストが安いからといって、必要な機能が不足しているシステムを選んでしまっては、業務効率の改善につながりません。
また、将来的な拡張性や柔軟性も考慮に入れ、長期的な視点でシステムを評価することが求められます。複数のベンダーから提案を受け、デモンストレーションや試用期間を経て、慎重に選定することをおすすめします。
インターネット接続環境を整備し、オフライン対策を講じる
インターネット接続が前提となるため、安定した通信環境を整備することが不可欠です。特に、店舗が郊外や山間部にある場合は、回線の品質や速度に注意が必要です。また、通信障害や災害時に備えて、オフラインでも一定期間業務を継続できる対策を講じましょう。
例えば、ローカル環境でのデータ保存や、バックアップ回線の確保などが考えられます。クラウド事業者との協議を通じて、適切なオフライン対策を実施することが重要です。オフラインでも使用できるクラウド型POSレジ「POS+(ポスタス)」導入の選択肢も視野にいれましょう。
従業員への教育とトレーニングを十分に行う
従業員への教育とトレーニングが欠かせません。特に、従来のレジ操作に慣れ親しんだスタッフにとっては、新しいシステムの操作方法や業務フローの変更に戸惑いを感じるかもしれません。導入前に十分な時間を確保し、マニュアルの整備やハンズオントレーニングを実施することで、スムーズな移行を図ることができます。
また、導入後も継続的な教育と フォローアップを行い、システムを活用した業務改善を推進していくことが重要です。
セキュリティ対策とデータ管理
機密性の高い顧客情報や売上データをクラウド上で管理するため、セキュリティ対策とデータ管理が極めて重要な課題となります。事業者とサービス品質保証(SLA)を交わし、データの機密性や完全性、可用性に関する合意事項を明確にしておく必要があります。また、自社でも、アクセス権限の管理やログの監視、従業員教育などを通じて、セキュリティリスクの低減に努めることが求められます。
導入後も定期的にシステムを見直し、改善を図る
導入後も継続的な改善が必要です。実際の運用を通じて、業務フローやオペレーションの課題が明らかになることがあるからです。定期的にシステムの利用状況を分析し、ボトルネックや非効率な部分を特定することが重要です。
また、事業者との定期的なコミュニケーションを通じて、新機能のリリースや改善提案などを積極的に取り入れていくことも大切です。システムの最適化を図ることで、業務効率の向上とコスト削減を実現することができるでしょう。
クラウドPOSの導入事例
株式会社ウェルカム
- 食とデザインの2軸で良質なライフスタイルを提案する事業を多数展開
- ポスタスのクラウドPOSPOSシステムの全体統一により管理工数を大幅削減
- 売上の一括管理、多店舗集計の業務効率化
導入事例の詳細:「小売・外食を含めた全国82店舗でPOSシステムを統一!一元管理と業務効率化を実現」
青山フラワーマーケット 南青山本店
- 花卉・観葉植物を販売するリテール事業
- アプリを入れるだけの簡単な導入、タブレット破損も代替えがスムーズに
- タブレット1台でレジにも販売管理にも対応、省スペース化と業務効率化を実現
導入事例の詳細:「花屋でレジも販売管理もタブレット1台で省スペース化」
Salt grill & tapas bar
- 自由な発想で多様な食文化を取り入れたモダン・オーストラリア料理店
- 専用のハードや端末ではなくiPadでの運用でイニシャルコストを削減
- 数字管理の業務負担が軽減でき、サービス力を高めることに注力可能へ
導入事例の詳細:「多種多様な飲食店に対応できるPOSレジで初期コストを削減」
まとめ
クラウド型POSレジは、店舗運営の効率化とコスト削減に大きく貢献します。導入コストや維持コストを抑えられるだけでなく、機動性や柔軟性、セキュリティ面でも優れています。
一方で、インターネット接続への依存やカスタマイズの自由度など、いくつかのデメリットや注意点もあります。これらを踏まえた上で、自社のニーズに合ったクラウドPOSを選定し、導入することが重要です。
よくある質問
クラウド型POSレジとは、従来のPOSレジと同様に、会計と同時に商品の売上の詳細や販売情報を記録・集計して分析できる機能を備えつつ、データをクラウド上に保存できるアプリケーションのことです。店舗側は、インターネット接続環境とタブレット端末やPCがあれば、どこからでもPOSシステムを利用できます。
代表的な例としては「ネットワーク環境が必要」「カスタマイズの自由度がない」などがあげられます。しかしオフラインでも使用できるクラウド型POSレジやオプション豊富であったり高機能なクラウド型POSレジもあるので検討してみましょう。