近年、キッチンカーに急増し人気を博しています。従来キッチンカーは、イベント会場や人の集まるところに出店することが多い傾向がありましたが、現在ではベッドタウンや集合住宅街などでの出店が増加傾向にあり、ニーズも変化しています。
本記事では、人気の高まるキッチンカーに開業に必要な準備及び許可、おすすめのPOSレジなど開業までの流れや成功のポイントなどをご紹介致します。
キッチンカーの現状は?
従来のキッチンカーはイベント会場などに出店し、お客様を「待つ」姿勢を取ることが多かったのに対し、現在はベッドタウンや集合住宅街など、テレワークの増加により在宅勤務しているサラリーマンやOL向けに「移動」して出店することが多くなっています。今後独立したいという方にはおすすめの業態であると言えるでしょう。
キッチンカーを開業する流れは?5ステップで紹介
キッチンカーを開業するためには、様々な準備が必要です。本項目では、キッチンカーを開業する流れについてわかりやすく5ステップに分けてご紹介致します。
ステップ① 保健所からの営業許可を取得
キッチンカーを開業する際には、保健所から営業許可証を取得する必要があります。
営業許可証には様々な種類がありますので、営業実態に合わせて下記の表のような許可証を取得しましょう。
食品営業自動車 許可証 | 食品移動自動車 許可証 |
キッチンカーで調理を行う場合 | 調理済みのものを販売する場合 |
特に「食品営業自動車」は、「飲食店営業」「菓子製造業」「喫茶店営業」の3業態に分類されるため、取り扱い商品によって申請を行いましょう。
ステップ②キッチンカーの目的・コンセプトを決める
キッチンカーを開業する明確な目的、コンセプトを決定しましょう。ペルソナを設定し、5W2Hに落とし込むと簡単です。
● What:何を販売するのか?
● Who:誰に販売するのか?客層は?
● Where:どこで販売するのか?
● When:いつ販売するのか?
● Why:何のために販売するのか?
● How:どのように販売するのか?
● How Much:いくらで販売するのか?
ステップ③キッチンカーで扱うメニューを決める
キッチンカーで扱うメニューを決定する時には、材料の原価をなるべく抑え、市場価格をリサーチしながら、適正な販売価格を慎重に決定することが必要です。
また、インスタ映えするような話題性のある商品開発も重要です。しかし、提供スピードの早さや持ち運びしやすいといった点も意識しなければなりません。
上記のようなポイントをきちんと抑えた上で、メニューを決定していくことが大切です。
ステップ④キッチンカー開業に必要な資金を準備
キッチンカー開業には、前述したようにおよそ200万〜500万円程度の資金が必要です。自己資金を活用するに越したことはありませんが、融資を受けたり、下記のような公的な補助金や助成金を活用したりすることが可能です。様々な補助金や助成金制度がありますので、申請条件に該当するものに関しては積極的に活用しましょう。
ステップ⑤ 販促活動及び営業準備
キッチンカーを開業する前には、チラシ配布や地域情報誌への掲載、ホームページ立ち上げ、SNS公式アカウントの活用など、様々な媒体を活用して、販促活動を行いましょう。
近年は、Instagram等のSNSを活用し、キッチンカーを手配する段階やメニュー開発段階等を発信する販促も流行しています。キッチンカーの手配やPOSレジなどのシステム等の導入及び整備を行ったりなど営業の準備も行いましょう。
キッチンカー開業に必須のキッチンカー調達方法
キッチンカー開業にあたり、最も重要であるのがキッチンカーを調達することです。キッチンカーを調達するためには大きく4つの方法が挙げられます。
本項目では、キッチンカーの調達方法をご紹介致します。
専門業者に依頼する
キッチンカーを制作してくれる専門業者に依頼すると、要望通りのキッチンカーを制作してくれるでしょう。しかし、それなりにコストがかかるので、資金に余裕がある場合にしか選択できないというデメリットがあります。
また、きちんと内装や機能等のイメージを専門業者に伝えきれなければ、イメージと違うキッチンカーになりかねませんので、注意が必要です。
中古のキッチンカーを購入
中古のキッチンカーを購入することで、新しく専用のキッチンカーを制作するよりもコストを抑えることが可能です。しかし、既存の機能を改造したり、外装を変えたりといったカスタマイズにコストがかかる可能性があります。
中古のキッチンカーを購入して活用する場合には、コストを抑えるためにもなるべく求める形に最も近いキッチンカーを選択することが大切です。
レンタル・リースを利用する
キッチンカーを調達する方法として、レンタル・リースを利用するという方法があります。レンタル・リースであれば、水道設備及びガス設備等も整備されていることが多く、すぐに出店準備を行うことが可能です。
他の調達方法に比べ、非常に低コストでキッチンカーを調達することができますが、自分でカスタマイズすることができない上、長期間に渡ってレンタルする場合には、割高になってしまうというデメリットがあります。
既存の車を改造する
元々キッチンカーではない車体をキッチンカーに改造するという方法もあります。ベースの車体によって仕様は大きく変わってきますが、場合によっては、およそ15〜20万ほどの改造キットで改造が可能なこともあります。
ただし、保健所の許可を得ることができるように細かな部分まできちんと改造を行うことが必要であるため、専門的な知識や技術が必要になってくるというデメリットがあります。
キッチンカー以外に調達したいアイテム
キッチンカー開業に伴い、キッチンカー以外にも調達しておきたいアイテムがいくつかあります。本項目では、3点のアイテムについてご紹介致します。
POSレジ
レジの準備も忘れないようにしましょう。POSレジであれば、会計業務だけでなく、様々な分析も行うことができるので、とても便利です。場所を取らないタブレット型のレジを導入は店舗の雰囲気を損ねることなく、導入が可能になります。
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POSレジとは?POSシステムとの違いや導入メリットと機能比較を解説
飲食店向けPOSレジとは?メリット・デメリットや導入事例を解説
看板・のぼりなどの集客アイテム
看板・のぼりといったアイキャッチの集客アイテムの調達は必須です。キッチンカーを派手にしたとしても、やはり看板やのぼりによってどんなものを販売しているのか等をアピールしなければ、お客様は立ち寄ってくれません。
のぼりに関しては1パターンだけでなく、その日のメニューや客層によって変更できるように、数パターン用意しておくと便利です。
パンフレットやチラシ
購入してくれたお客様に商品と共に渡したり、購入を迷っているお客様に渡したりできるように、パンフレットやチラシもある程度準備しておくことが大切です。
キッチンカーで失敗しないためには?成功のポイント
キッチンカーを開業しても、1年以内におよそ30%もの人が廃業してしまっているというデータがあります。
(参照元:キッチンカー開業・売上UPコンサルティングhttps://www.asombroso.jp/consulting)
客単価アップ
なんと言ってもまずは客単価をアップさせることが重要です。例えばアイスクリームであれば、シングルではなく、ダブルを購入してもらうだとか、別料金のトッピングを付けてもらえるようにセールストークやPOP等でアピールしましょう。
関連記事:バンドル販売とは?効果や注意点について詳しく解説!
利益率の高いメニュー
商売ですので、利益率の高いメニューを開発し、看板商品としていくのが大切です。可能な限り良い食材かつ原価を安く仕入れ、販売価格は市場と同程度の価格に設定し、利益を確保できるようにしましょう。また利益率の高いメニューが必ず注文されるような仕組みづくりも大切です。
関連記事:仕入れ原価と売上原価の違いとは?計算方法など詳しく解説
提供スピードや運営の効率化
インスタ映えするメニューやこだわりのメニューも大切ですが、キッチンカーで求められるのは提供スピードと言っても過言ではありません。夏は暑く、冬は寒い中お客様は外で商品の購入を待っているのです。
また、提供スピードがアップすることにより、回転率もアップし、売上アップへと繋がります。
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季節感のあるメニュー
季節感のあるインスタ映えするメニューを開発しましょう。シーズンごとにメニュー開発を行うのは大変ではありますが、「期間限定」商品でプレミア感があり、なおかつインスタ映えする商品であれば、宣伝しなくとも購入者がSNSで拡散してくれます。結果的に集客アップへと繋がるでしょう。
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唯一無二のメニューとキャッチコピー
他店の売れている商品を真似したくなるかもしれませんが、それでは差別化が図れません。他では食べることのできない唯一無二のメニューを開発し、印象深いキャッチコピーを設定しましょう。
このキッチンカーでしか味わえないとなれば、わざわざお客様の方からキッチンカーを探し求めて購入しにきてくれるようになるでしょう。
まとめ
本記事では、需要の高まるキッチンカーの開業に必要な準備及び許可について、開業までの流れや成功のポイントなどをご紹介致しました。多くの競合の中で生き残るためには他店との差別化が重要です。
他店と差別化するために、POSレジを導入し、店舗の効率化や分析機能を大いに活用してキッチンカー事業を成功させましょう。
よくある質問
POSレジは会計業務がスムーズに行えることで、お客様満足度やリピート率が大きく変わります。また、売上管理やデータ管理も容易にできる上、場所を取らないタブレット型レジの導入は店舗スペースも最小限に行えます。
まずは目的をしっかりを持つことが大切ですが、代表的な例としては「客単価向上の意識」「利益率の高いメニュー開発」「提供スピードや運営の効率化」などがあげられます。POSレジ導入によりこれらが可能になり店舗運営の安定化へ導くでしょう。