キャッシュレス決済の導入は、いまや個人事業主にとっても避けては通れないテーマといえるでしょう。スマホひとつで買い物を済ませるお客さまも多く、現金対応のみでは機会損失につながる可能性もあります。
本記事では、キャッシュレス決済の基本や個人事業主におすすめの決済サービスを紹介します。キャッシュレス決済導入時に注意すべきポイントもあわせて紹介しているので、導入を検討している個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
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個人事業主が知っておくべきキャッシュレス決済の基本
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを完了できる仕組みで、クレジットカードや電子マネー・QRコード決済などが代表的な手段です。
個人事業主にとって、キャッシュレス決済の仕組みを理解することは、お客さまのニーズの変化に対応するためにも不可欠といえるでしょう。
現金を持ち歩かないお客さまが増加するなか、キャッシュレスに対応していないだけで機会損失が発生する可能性があります。
一方、キャッシュレス決済を導入することで、売上アップや新規のお客さま獲得だけでなく、会計処理や売上管理の効率化にも期待できるのです。
キャッシュレス決済の基本的な種類や特徴、導入の流れを押さえておくことで、自身のビジネスに最適な選択ができるようになるでしょう。
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個人事業主におすすめのキャッシュレス決済サービス5選
ここからは、個人事業主におすすめのキャッシュレス決済サービスを5つ紹介します。
- STORES決済
- PAYGATE
- 楽天ペイ
- Square
- AirPAY
どのサービスを利用すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
STORES決済
STORES決済は、月額料金無料で利用できるプランも用意されており、個人事業主でも気軽に導入しやすいキャッシュレス決済サービスです。
スマホやタブレットを使った決済に対応しており、シンプルでわかりやすい操作性が魅力です。オンラインショップとの連携も可能なので、実店舗と合わせて売上を一元的に管理できます。
入金サイクルを、依頼後最短2営業日で振り込まれる手動入金と、毎月20日振込の自動入金から選べるのもうれしいポイントです。実店舗をもたない業態でも使いやすく、オンライン決済にも対応しているため、多様なビジネススタイルにマッチするでしょう。
PAYGATE
PAYGATEは、多様な決済手段に対応しているマルチ決済サービスです。クレジットカードはもちろん、電子マネーやQRコード決済など幅広い選択肢があり、お客さまの利便性を高めることができます。
また、手数料率が1%台からと他の決済サービスよりも良心的で、個人事業主にとってはコスト面でのメリットもあります。シンプルな専用端末は業種を問わず扱いやすく、初めてのキャッシュレス決済導入でもスムーズに利用できるでしょう。
出典:スマレジ
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楽天ペイ
楽天ペイなら、楽天ポイントとの連携により集客力アップが期待できます。普段から楽天市場を利用しているお客さまには馴染みが深く、安心感を持ってもらいやすいでしょう。
初期費用や月額利用料が無料のプランもあり、導入ハードルが低いのも魅力です。前日分売上の翌日入金が可能なので、資金繰りに悩んでいる個人事業主も安心して利用できます。
出典:楽天ペイ
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Square
Squareは、スマホやタブレットがあれば気軽にキャッシュレス決済を導入できるサービスです。申請から最短翌日に審査結果がわかるため、スピーディーにキャッシュレス決済を導入できます。
初期費用無料で導入できるので、初めてキャッシュレス決済を導入する方も気軽に始められるでしょう。レポート機能も充実しており、売上管理や分析の効率化にも期待できます。
出典:Square
AirPAY
AirPAYは、70種類以上の多様な決済手段に対応する総合的な決済サービスです。
主要なキャッシュレス決済手段を網羅しており、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済だけでなく、Apple Payや交通系ICなど幅広く対応しています。iPadやiPhoneを決済端末として利用できるので、手軽に導入できるのもメリットです。
初期費用・月額料金が無料のほか、決済方法によっては手数料率が1%以下から利用できるので、コストを抑えたい個人事業主にマッチするでしょう。
出典:AirPAY
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個人事業主にキャッシュレス決済導入がおすすめな理由
個人事業主のキャッシュレス決済導入をおすすめする理由には、以下の3つがあります。
- 顧客満足度がアップする
- お客さまの購買意欲が高まる
- 売上管理がしやすくなる
自分のビジネスのニーズに合っているか、チェックしてみてください。
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顧客満足度がアップする
キャッシュレス決済の導入により、顧客満足度がアップします。多様な決済手段に対応することで、お客さまの利便性が向上し、利用しやすいお店として好印象を与えられるでしょう。
また、キャッシュレス決済導入によって会計処理がスムーズになり、レジ待ち時間の短縮や現金のやりとりによるヒューマンエラーの削減にもつながります。
お客さまのニーズに沿った多様な決済方法に対応することで、リピーター獲得や口コミによる集客にも期待できるでしょう。
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お客さまの購買意欲が高まる
キャッシュレス決済の導入は、購買意欲の促進にもつながります。
手持ちの現金にとらわれずに買い物ができるため、ついで買いやまとめ買いがしやすくなるのです。また、ポイントやクーポンのお得感も、買い物に対するお客さまの心理的なハードルを下げる一因といえるでしょう。
キャッシュレス決済への対応によってお客さまの購買意欲が高まると、ひとりあたりの客単価が上がり、売上アップにもつながります。
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売上管理がしやすくなる
キャッシュレス決済を導入すると、決済情報が自動でデータ化されるため、売上管理がしやすくなります。
とくに、紙のレシートや手書きの帳簿を使った管理と比べて、業務の正確性や効率が大きく向上するでしょう。
日々の売上を自動で集計してくれる機能や、取引履歴をクラウドで確認できる仕組みは、経理や確定申告の手間を削減してくれます。
マルチタスクで多忙な個人事業主にとって、売上管理にかかる稼働の削減は、キャッシュレス決済導入の大きなメリットといえるでしょう。
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個人事業主がキャッシュレス決済導入時に注意すべきポイント
個人事業主がキャッシュレス決済を導入するにあたって、注意すべきポイントが5つあります。
- 個人事業主は審査通過が難しいケースがある
- 決済手数料や入金サイクルを比較検討する
- 自分の業態に合った決済端末を選ぶ
- 通信環境を確認する
- サポート体制が充実しているかチェックする
事前に確認して、スムーズな導入をめざしましょう。
個人事業主は審査通過が難しいケースがある
キャッシュレス決済の導入には、事前に審査が必要となるケースがほとんどです。
個人事業主は、法人と比べて審査を通過するのが難しい場合があります。
今までの取引実績や事業規模などを基準に審査されることが多いため、開業したばかりで売上実績が少ない個人事業主は、審査を通過できない可能性もあります。
審査を通過するためには、事前に提出書類を整えたり、事業内容を具体的に説明できるよう準備しておくことが大切です。
決済手数料や入金サイクルを比較検討する
個人事業主がキャッシュレス決済を導入するにあたって、事前のサービス比較は欠かせません。キャッシュレス決済では手数料が発生し、入金までの期間もサービスごとに異なるため、利益の圧迫や資金繰りについて慎重に検討する必要があります。
たとえば、決済ごとに3〜5%の手数料がかかる場合、薄利のビジネスでは負担が大きく感じられるでしょう。
キャッシュレス決済導入前には、手数料率・入金タイミング・振込手数料などをしっかり確認し、自分のビジネスに合うサービスを選ぶことが重要です。
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自分の業態に合った決済端末を選ぶ
キャッシュレス決済端末にはさまざまな種類があり、自分の業態や運用スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。利用頻度や設置場所によって、キャッシュレス決済端末の適切な機能やサイズは異なります。
移動販売など、屋外での利用には持ち運びしやすいモバイル端末が便利ですが、店舗に常設するのであれば、据え置き型のほうが利便性が高いといえます。
導入後に「使いにくい」と後悔しないよう、機能や対応ブランド、通信方法などをしっかり確認しておくとよいでしょう。
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通信環境を確認する
キャッシュレス決済端末はインターネット通信を必要とするため、安定した通信環境が欠かせません。通信状況が悪いと、決済エラーや処理の遅延が発生し、お客さまが不満を感じる要因となってしまいます。
たとえば、地下や屋外などの電波が不安定な場所では、モバイルWi-Fiや有線接続の利用を検討する必要があるでしょう。キャッシュレス決済導入前に、通信速度やエリアの確認を行い、スムーズな決済ができる環境を整えておくことが大切です。
サポート体制が充実しているかチェックする
導入後のトラブルに備えるためにも、キャッシュレス決済サービスのサポート体制は重要なチェックポイントです。端末の不具合や決済エラーが発生したときに、すぐに相談できる窓口がないと、店舗運営の継続が難しくなることもあるでしょう。
365日対応のコールセンターがあるか、またチャットサポートや訪問サポートに対応しているかを導入前に確認しておくと安心です。ポスタスでは、365日受付のコールセンターだけでなく、全国無制限の駆けつけサポート体制を用意しています。
まとめ
キャッシュレス決済の導入は、顧客満足度の向上や業務効率化につながるだけでなく、売上管理や集客面でも大きなメリットがあります。
個人事業主がキャッシュレス決済を導入するにあたっては、サービスごとの特徴や費用面・審査のハードルなどをしっかり比較することが重要です。
自分の業種や経営スタイルに合ったキャッシュレス決済サービスを選んで、スムーズに導入を進めていきましょう。
キャッシュレス決済導入に関するよくある質問
一般的に、キャッシュレス決済の導入には、申し込みから実際の運用開始まで通常1〜2週間ほどかかります。
申込書類の提出後には導入のための審査があり、審査通過後には端末設定を実施する必要があるため、運用開始までに時間を要します。
イベントや繁忙期の対応など、キャッシュレス決済の導入時期に希望がある場合は、余裕をもったスケジュールで早めに準備しましょう。
上が少ない場合でも、キャッシュレス決済を導入する価値は十分にあるでしょう。
少額の売上だとしても、キャッシュレス決済を希望するお客さまに対応することで、来店機会や購買意欲を逃さずに済みます。
たとえば、500円程度の商品でも「キャッシュレスが使えるなら買おう」と判断するお客さまも少なくありません。
小規模事業だからこそ、顧客満足度を高める施策として、キャッシュレス決済導入を検討する価値があります。
キャッシュレス決済導入後も、現金支払いには対応できるようにしておきましょう。
すべてのお客さまがキャッシュレス決済を希望するとは限らず、現金派のお客さまも一定数存在します。
高齢の方や現金管理を重視する方のニーズに応えるためにも、現金対応を残しておくと安心です。
また、通信エラーやサーバーの不具合によってキャッシュレス決済対応ができなくなったときにも、現金支払いに対応できればトラブルを乗り越えられるでしょう。
キャッシュレス決済と現金支払いの併用が、お客さまの幅広いニーズに応えるカギになります。